いまからでも遅くない!ツールとして使うAI画像生成

第2回

プロンプトすら不要! スマホとAI画像生成だけで美麗なイラストを描けるアプリ

「Meitu」+「REALITY」で生成した画像を「Phonto」で仕上げてみた

自画像やアバターが美麗イラストに!

 「Stable Diffusion」をはじめとするAI画像生成は、最近非常に注目を集めている分野です。

 毎日のように、ものすごいスピードで進化を遂げているAI画像生成分野ですが、本連載では「しらいはかせ」こと、書籍『AIとコラボして神絵師になる 論文から読み解くStable Diffusion』の著者・白井暁彦氏が今後身近になっていくであろう「テキストによる画像生成」の世界を読者のみなさんに わかりやすく、ゆるめに伝える連載 です。AI画像生成をできるだけわかりやすく解説しながら、誰にでも使える、楽しめるツールとしてのAI画像生成についてお届けしています。

スマホとAI画像生成だけで美麗なイラストを作る

 AI画像生成とは、人工知能の技術を使用して、コンピューターが自動的に画像を生成することを指します。この技術は、画像の特徴を学習し、それらの特徴をもとに新しい画像を生成することができます。

 さて前回は文字から高品質な画像を生成する「Stable Diffusion」をとりあえず体験すべく、スマホだけで利用できるAI画像生成サービス「ばりぐっどくん」、「AIピカソを」を使って「通勤中にAIで年賀状イラストを描く」という挑戦をしました。

 スマホのアプリとして利用できるAI画像生成はお手軽ですが、生成される画像をより本格的に探求したい方々や、さらに手軽に探求したい、しかもできるだけ無料で使いたい、という方々がいらっしゃると思います。

 以下、2023年1月現在に利用できる「Stable Diffusion」を利用した主要なAI画像生成環境をリストしてみました(だいたい“お手軽順”でソートしています)。

  1. Meitu
  2. ばりぐっどくん
  3. AIピカソ
  4. Midjourney/にじジャーニー
  5. Lexica
  6. Memeplex
  7. NovelAI
  8. AIのべりすと
  9. DreamStudio
  10. Hugging Face Spaces
  11. Google Colab
  12. Stable Diffusion web UI
  13. Pythonを使ったプログラミング環境

※著者による「お手軽順」の定義:無料>前提知識が不要>GPU等の追加ハードウェア不要>ダウンロードサイズが少ない>ライセンスが明瞭

2023年1月時点の主なお手軽AI画像生成サービス一覧(著者調べ)

 前回に引き続き年賀状イラストを意識して「かわいいウサギのイラストの生成」をお題に、今回は上記のリストから、「Meitu」を紹介します。

スマホアプリを使った「プロンプトすら不要」のAI画像生成

 実は2022年末に「プロンプトすら使わずにハイクオリティなイラストを生成できるアプリ」がリリースされました。それが「Meitu」の「AIイラストメーカー」です。

「Meitu 加工&カメラ&AIイラスト化アプリ」

 「Meitu」は中国生まれの美顔フィルターのアプリで、2022年末にリリースされた「AIイラストメーカー」という機能がなかなかよくできているので紹介します。

 使い方はかんたん。画像を選択してアップロードして待つだけです。これだけで画像をAIがいろんなスタイルで唯一無二のイラストにします。

 つまり、英語も呪文も不要!アップロードするだけで、与えた画像のレイアウトに似せた美麗なイラストを錬成する新感覚のフィルターなのです。

作例:そのへんで撮影した自分の顔画像を加工してみる……「きれいな自画像」が生成されます(正常動作)

Image to Imageを使った画像錬成

 内部では「Stable Diffusion」と、前回紹介した「AIピカソ」でも紹介したimage2image(img2img もしくは i2i )と呼ばれる「与えた画像を参照画像として、画像生成をする技術」が使われているようです(実際に内部がどのような処理になっているかは隠蔽されています)。

 細かな画風は指定できませんが、テイストの異なる3種類の異なる高品質なイラストレーションが生成されることはわかります。

また、生成された画像を再度アップロードすることで、さらに美顔を錬成することもできます。実験してみましょう。

AIイラストメーカーで生成された画像をさらに元画像としてimage2imageすると……

 美顔イラストメーカーに美顔を重ねると、もはや原作がわからなくなってきます。

同じ画像をアップロードすると得られる結果は同じなので、「Meitu」は内部でランダム要素を使っていないことも確認できます。

「REALITY」をつかった自由なアバターデザイン

 さて「綺麗なおじさん」の画像だけでなく、「かわいいウサギのイラストの生成」を実践してみましょう。

 お手持ちの年賀状イラストでもいいですし、前回の「ばりぐっどくん」や「AIピカソ」を作って生成した画像や、みなさんのウサギのコスプレ写真があればそれでも構いません。

 ここではお手軽に好きなアバターやポーズでキャラクターCGを得る手段としてスマホ向けメタバース「REALITY」のアバターを使って、ウサギ耳のオリジナルキャラクターを作って実験してみました。

 まずはアバターを作成し、スクリーンショットを撮ります。ポーズやレイアウトが重要なので数種類「撮影」するとよいでしょう。ベースになるポーズやレイアウトがわからない時は、3種類ぐらい撮影してみるとよいでしょう。

「REALITY」で撮影した3枚のアバター画像をそれぞれ「Meitu」で美麗なイラストにしてみました

 生成された画像をさらにアップロードして錬成することができるのもimage2imageの有効な使い方です。こうしたテクニックはもともと「REALITY」のユーザーさんたちによって生み出されたものです。#REALITYアバターをAIイラスト化というTwitterハッシュタグで作例を発見できますので、ぜひ参考にしてみてください。

「Phonto」を使って仕上げる

 さて、「Meitu」を使ってスマホだけで美麗なオリジナル(AI assisted)イラスト作品が生成できたのですが、「Stable Diffusion」による画像生成は基本的に文字を生成するのが苦手です。美麗な文字を打つには別のアプリを使ったほうがよい仕上がりになります。

 PCであれば「Photoshop」等を使うところですが、このままスマホだけでお手軽年賀状イラスト風に仕上げていきたいと思います。こういう用途には写真文字入れ専門アプリ「Phonto」をおすすめします。

「Phonto 写真文字入れ」

 まず、ベストショットを1枚選んで、トーン調整をします。「Phonto」を起動してカメラ型のアイコン→[写真アルバム]から「Meitu」で生成したファイルを選んだら、画面下の[Process]、[Instant]、[Transfer]、[Chrome]……といった34種類のトーン調整の選択肢の中から『これが良いな!』というトーン調整とその強度を選びましょう。

左から[Chrome]、[SRGB Tone curve to Linear]、[Bloom]、[Gloom]を比較してみました

 トーン調整が終わったら右上の[完了]を押して、テーマ選択とトリミング(切り抜き)を行います。ここではハート型に切り抜いてみましたが、映え感のあるテーマがたくさんありますので女子ウケも良いかなと思います。

 最後に次に画面内の好きな場所でタップすると[文字を追加]というコマンドが現れますので、タップして打ち込みたい文字を打ちます(ここでは年賀状イラストを意識していましたので「謹賀新年」としておきます)。[フォント]をタップすると、多様なフォントを選ぶことができます。どれもライセンス的に大丈夫なフォントで揃えられているようです。

映え感のあるレイアウトに加えて日本語フリーフォントが揃っているのがありがたい

 フォントを選んだら、[サイズ]、[スタイル]を変更します。実はこれが結構便利で、「Photoshop」等での作業よりも直感的に作業できたりします。

スマホだけで完成した年賀状っぽいAI画像生成イラストの作例

 これで完成です! 右下のエクスポートメニューから[画像を保存]とすると、カメラ画像として保存されます。PNG画像としての保存も可能です。「iMovie」などの動画編集アプリで利用することができますので、スマホだけでかなりの画像がつくれることが体感できると思います。

美顔アプリの進化

 「Stable Diffusion」等の画像生成AIは今後も様々なアプリに組み込まれていきそうです。

 たとえば「TikTok」も、写真からイラストに変身する動画を生成する機能がリリースされました(筆者による作例)。

 「Snow」にも(内部の処理は不明ですが)、大量の写真をアップロードすることで超フォトリアルなAI美顔画像生成ができるサービスが有料でリリースされています。これからは審美眼も磨いていかねば、何が本当の顔だかわからない時代がやってきますね。

 一方では知らないアプリに自分の顔やGPS座標入りの写真をアップロードするのは怖い気もします。そういう意味でも写真ではなく「REALITY」のアバターによってレイアウトの素案をアップロードするテクニックは賢いと思います。なんといっても絵を描くスキルに関係なく、またスクリーンショットの利用も、ライセンスや著作権的に問題がない使い方です。

 どんなにすごい技術が出てきたとしても、作り手として、使い手として、ライセンスや法律などを理解したうえで、恐れずに様々な使い方を生み出していくことが、AI画像生成の時代を乗りこなしていくコツかなと思います。

 次回はより本格的なプロンプトを使った生成に取り組みます!

 合言葉は「マスターピース!」またお会いしましょう!