ニュース

「Vivaldi」にメールクライアント機能が復活! スナップショット版でプレビュー公開

フィードリーダーとカレンダーも統合した新機能“Vivaldi Mail”

「Vivaldi」のメールクライアント機能“Vivaldi Mail”

 ノルウェーのVivaldi Technologiesは11月24日(現地時間)、Webブラウザー「Vivaldi」の新機能“Vivaldi Mail”を発表した。“Technical Preview”として最新のスナップショット版に導入されている。

 「Vivaldi」は、「Opera」の生みの親であるJon S. von Tetzchner氏らが2015年に立ち上げたプロジェクト。当時中国資本による買収が取り沙汰されていた「Opera」と袂を分かち、ユーザーとの対話を大事にしながらパワーユーザー向けの先進機能を取り入れ、古き良き「Opera」の伝統を受け継ごうとしたものだ。「Opera」譲りの高いカスタマイズ性や先進的なタブ管理はその象徴と言えるだろう。

 しかし、“Presto”エンジンを搭載していた頃の「Opera 12」にあって、いまだ「Vivaldi」に搭載されていない機能がいくつかある。その代表的なものがメールクライアント機能だ。かつての「Opera」はメールソフトとしても機能し、3ペインのUIでオフラインでも効率的にメールを管理・閲覧できた。

旧「Opera」のメール機能「M2」

 新たに設計された“Vivaldi Mail”も、ユーザーが自分のデータを管理できること、オフラインでも利用できることを重視して設計されている。なんでもクラウドに保存してWebサービスに管理してもらう最近の流れとは逆行しているが、こうしたソリューションを望むユーザーもまた少なくないだろう。

 “Vivaldi Mail”はメールクライアント、フィードリーダー、カレンダーの3つのコンポーネントから成る

 メールクライアントは縦分割の3ペインになっており、複数のメールアカウントに日々送られてくる大量のメールをフィルター(保存された検索条件)やフラグ(スター付きのメッセージ)、ラベルなどで管理できるようになっている。各ペインのレイアウトをアレンジしたり、キーボードショートカットをカスタマイズすることも可能。データはローカルでインデックス化されるので、オフラインでも検索が行える。

レイアウトのカスタマイズも可能

 フィードリーダーはメールクライアントに統合されており、あたかもメールを読むように新着記事を閲覧できる。フィードの登録は簡単で、フィードの配信されているWebサイトを閲覧するとアドレスバーにフィードアイコンが表示される。これをクリックすればフィードのプレビューと購読が可能。フィードを購読すると、「Vivaldi」はそれを定期的にチェックし、新着記事があると通知してくれる。

メールクライアントに統合されたフィードリーダー

 カレンダーはメールクライアント・フィードリーダーと別の画面(タブ)になっているが、イベントの招待状を簡単にメールで送信できるなど、メールクライアントとの連携が図られている。Webブラウザーに統合されており、一つのタブとして動作するほか、Webページの選択テキストを右クリックして、メニューから簡単にイベントを登録できる点も魅力と言えるだろう。データはローカルに管理され、望むのであれば“vivaldi.net”や“Google カレンダー”、“Outlook”と同期できる仕組み。日・週・複数週・月のビューのほかに年間ビューを備えるのも特徴と言えるだろう。

カレンダーの年間ビュー

 “Vivaldi Mail”はまだベータ版以前の完成度なので、初期状態では無効化されている。試してみたい場合は、試験運用画面(vivaldi://experiments)でフラグをONにし、「Vivaldi」を再起動させる必要がある。

試験運用画面(vivaldi://experiments)でフラグをONにし、「Vivaldi」を再起動

ソフトウェア情報

「Vivaldi」スナップショット版
【著作権者】
Vivaldi Technologies AS
【対応OS】
Windows/Mac/Linux(Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/10)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.5.2115.4(20/11/24)