ニュース

「Google Chrome 91」が正式公開 ~「タブ検索」機能の提供範囲が拡大【16:30追記】

「WebAssembly SIMD」やサイドチャネル脆弱性対策の強化なども。脆弱性の修正は32件

「Google Chrome」v91.0.4472.77

 米Googleは5月25日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の最新安定版v91.0.4472.77を公開した。「Chrome 91」では「WebAssembly SIMD」など3つのテスト機能が「Origin Trials」を卒業し、初期状態で有効化された。バッテリー持続時間の改善、WebAssemblyアプリのパフォーマンス向上などが期待できる。

 また、「Spectre」や「Meltdown」といったサイドチャネル脆弱性に対抗するため、「SharedArrayBuffer」の制限を強化するなど、いくつかの仕様変更が実施された。一方で、「Digital Asset Links」(DAL)の仕様を拡張し、複数のドメインをまたいだオートフィルが行えるようになるなど、使い勝手の向上も図られている。Webサイトの管理者がこの仕様に対応すれば、同じサービスであるにも関わらずドメインが分かれているがためにパスワードが入力補完されず、ログインに余計な手間がかかるといったトラブルは減るだろう。

 そのほかにも、以前から案内されていたタブ検索やPDFビューワーのプレゼンテーション機能がより多くの環境で利用できるようになったようだ。

 タブ検索は、開いているタブや最近閉じたタブをポップアップで一覧する機能で、タブバー右端の逆三角アイコンから利用可能。キーワードによる絞り込みにも対応しており、目的のタブへすばやくアクセスできる。

目的のタブへすばやくアクセスできるタブ検索

 一方、プレゼンテーション機能はPDFビューワーのツールバー右端の[…]メニューから利用可能。ツールバーやタブバーといったUI要素をすべて隠し、全画面でPDFドキュメントを1枚ずつ表示できるので、PDFドキュメントをベースにプレゼンを行ったり、チームメイトに資料を見せたい場合などに役立つだろう。「Chrome」のPDFビューワーでは、ドキュメントプロパティにアクセスする機能の提供も予定されている。

改善が進む「Chrome」のPDFビューワー

 なお、本バージョンおける脆弱性の修正は全部で32件。このうちCVE番号が公表されているのは21件で、深刻度の内訳は「High」が8件、「Medium」が8件、「Low」が5件となっている。また、内部監査やファジングで発見された不具合も修正されているとのこと。

 デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10に対応する。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)から手動でアップデートすることもできる。

16:30編集部追記: 「SharedArrayBuffer」や「performance.measureUserAgentSpecificMemory()」の制限強化は「Google Chrome 92」まで延期されたため、「Google Chrome 91」では、強化されていない。