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Google、「Android Game Development Kit」を発表

C/C++言語ライブラリの提供で断片化を削減しつつ、ゲームを加速。Androidのパワーを引き出す

Google、「Android Game Development Kit」を発表

 米Googleは7月12日(現地時間)、「Android Game Development Kit」(AGDK)を発表した。Androidゲームの開発、最適化、配信を支援するためのツールとライブラリをひとまとめにしたもので、Androidゲームの品質向上を図る。

 Androidアプリの開発にはJava系のプログラミング言語が用いられるが、ゲーム開発ではできるだけパフォーマンスを出すためにC++言語が用いられることが多い。「AGDK」の第1の目的は、Java言語やJava Native Interface(JNI)の利用を最小限に抑えたC/C++言語のゲームライブラリを提供することで、ゲームエンジンの構築やカスタマイズを支援することだ。Androidゲームのパフォーマンスの底上げを図り、ゲームの開発やデバッグ、メンテナンスを用意にする。

 第2の目的は、フラグメンテーション(断片化)の削減だ。Androidデバイスはハードウェアベンダーのパッチが間に合ってなかったり、ユーザーがアップデートしないなどの理由で、さまざまなOSバージョンが混在してしまっている。ゲーム開発者はこうした断片化を考慮した開発を余儀なくされているが、「AGDK」は現在流通しているほとんどのデバイスで動作するように設計されているため、ゲーム開発者の負担が減る。

 また、「AGDK」は他のゲームライブラリとは異なり、Androidにフォーカスしているのも特徴。Androidプラットフォームのアップデートにもいち早く追従し、最新の機能が提供される。可能な限り後方互換性も保たれる。

 今回のリリースでは主要なワークフローとの統合、ライブラリの拡充、パフォーマンスの最適化に焦点が当てられている。たとえば、Androidゲームは「Visual Studio」で開発されることも多いが、これには専用の拡張機能「Android Game Development Extension」(利用には申請が必要)を提供してAndroidをプラットフォームターゲットとして追加できるようにしている。ゲーム開発者に人気の高い「Unity」向けのプラグインの開発にも注力しているとのこと。

 最適化に関しては「Android GPU Inspector」(AGI)のメジャーアップデートを行うなど、プロファイルリングツールの強化を図り、安定性やパフォーマンス上の問題点を発見しやすくなる工夫を行っているという。

「Visual Studio」専用の拡張機能を提供してAndroidをプラットフォームターゲットとして追加できるように