ニュース

追加料金なしにWebサイトを30%高速化 ~Cloudflareが「103 Early Hints」に対応、

「Google Chrome 94」ベータ版でテストできる

オリジナルサイトとWebサーバー(クライアント)の間で、コンテンツの高速配信を行うCloudflare。「Early Hints」の対応により、追加料金なしに30%高速化できるという

 米Cloudflareは9月16日(現地時間)、新しいHTTPステータスコード「103 Early Hints」をサポートしたと発表した。Cloudflareは、グローバルに分散配置したキャッシュサーバーを用いてWebコンテンツを高速に配信する「CDN」(Content Delivery Network)をはじめとするネットワークソリューションを提供する企業。「Early Hints」をサポートすることで、追加料金なしにネットワーク上のWebサイトを30%高速化できるとしている。一般のユーザーにとっても恩恵の多い取り組みといえるだろう。

 Webページを表示する際、WebブラウザーはWebサーバーに対しHTTP/HTTPS接続で「リクエスト」を行い、Webサーバーはそれに応じて「レスポンス」を返す。HTMLファイルをくれ、スクリプト(JavaScript)をくれ、スタイルシート(CSS)をくれ、画像や動画をくれといったWebブラウザーの注文に、Webサーバーがいちいち応えてくれるわけだ。

 しかし、なかには内部の処理に時間がかかり、レスポンスがブロックされてしまうことがある。たとえば、HTMLファイルをサーバー内で生成しているといったケースだ。とはいえ、その処理に関わらず、スクリプトやスタイルシートといったリソースは変わらないこともある。ならば、レスポンスがブロックされている間にそれらのリソースだけ先に読み込めば、Webページの読み込みにかかるトータルの時間は短縮されるだろう。

 そこで導入されるのが、「103 Early Hints」だ。これはWebサーバーが完全なレスポンス(200 OK)を返す前に、先に読み込み可能なリソースをWebブラウザーに伝える。WebブラウザーはWebサーバーのレスポンスを待つ間にそれらのリソースを読み込み、完全なレスポンスに備えることができるというわけだ。

「Early Hints」(EH)の有無を比較した様子

 「103 Early Hints」は現在、「Google Chrome 94」ベータ版でテスト中(Origin Trials)。興味を持った開発者はCloudflareのベータ版「Early Hints」にサインアップして、実際に試してみてほしい。