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「nginx」がHTTPステータスコード『103 Early Hints』に対応 ~Webの高速化に期待
「nginx-1.29.0」Mainlineでサポート開始
2025年6月26日 16:28
クロスプラットフォーム対応・オープンソースのWebサーバーシステム「nginx」(エンジンエックス)が6月24日、v1.29.0へとアップデートされた。安定性より新機能の追加と不具合の修正を優先した「Mainline」バージョンの最新版となる。
「nginx-1.29.0」の目玉は、『Early Hints』のサポートだ。
『103 Early Hints』はWebサイトのパフォーマンスを最適化するために設計された新しいHTTPステータスコード。クライアント(Webブラウザー)がサーバーへメインリソース(HTMLファイル)を要求しても、ファイルの生成に時間がかかるなどの理由ですぐには受信を完了(200 OK)できないことがある。そうした場合にプリロード(先読み)可能なサブリソース(CSSやJavaScript、フォントなど)をHTTPステータスコード(103 Early Hints)で示すことで全体的な待ち時間を短縮し、コンテンツをすばやく表示できるようにするのが『Early Hints』の目的だ。
つまり、サーバーが“考えている”間に、クライアントが先に済ませておけることを教えるのが『Early Hints』の役目といえる。その効果はなかなかのもので、CDNサービスを提供する米Cloudflareは2021年、『Early Hints』をサポートすることで追加料金なしにネットワーク上のWebサイトを30%高速化できたと発表している。
「Google Chrome」などの主要ブラウザーでもすでに対応は完了しているため、あとはWebサーバーで『Early Hints』の導入が進めば、Webのさらなる高速化を期待できるだろう。
「nginx」は現在、公式サイト「nginx.org」などから無償でダウンロード可能。Windows版はWindows XP/7/10/11およびWindows Server 2003でテストされている。