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Microsoft、生きたデータを一元管理・分散利用できる新しい協業ソリューション「Loop」を発表

「Microsoft Loop」アプリは今後数カ月以内に公開される予定

Microsoft、新しいコラボレーションソリューション「Microsoft Loop」を発表

 米Microsoftは11月2日(現地時間)、テクニカルカンファレンス「Microsoft Ignite」で、「Microsoft Loop」を発表した。パワフルで柔軟なデジタルキャンバスと、さまざまなデータを格納し、他のアプリケーションに埋め込んで同期を保つポータブルなデータコンポーネントを組み合わせた新しいアプリで、チームで考え、計画し、一緒に想像する一連の「ループ」を実現しようという野心的なソリューションだ。

 「Microsoft Loop」はかつての「Google Wave」や、現在人気急上昇中の「Notion」などを彷彿とさせるコラボレーションツールだが、いくつか革新的なポイントがある。まずは、「Microsoft Loop」を構成する3つの要素を順にみていこう。

Loop Components

 「Microsoft Loop」のコアとなるのは、「コンポーネント」と呼ばれる要素だ。「コンポーネント」にはリスト、テーブル、ノートといったシンプルなものから、「Dynamics 365」で管理している販売データのような高度なものまでがそろっており、「Microsoft Office」アプリや「Microsoft Teams」などに埋め込むことができる。

Loop Components

 一般の埋め込みデータと異なるのは、データが「生きている」「常に最新である」点だ。コンポーネントは常に同期しており、どこかで編集されれば、他の個所にもその修正が反映される。チャットで議論した結果をわざわざドキュメントに反映させたり、以前に貼り付けた古いデータをもとに議論をしてしまったといったことはなくなる。

 Loopコンポーネントは「Microsoft 365」アプリで順次展開されていく予定。「Teams」、「Outlook」、「OneNote」など、好きなアプリでデータを編集し、他のアプリ・他のユーザーと同期させることができる。

Loop Pages

 「ページ」はプロジェクトのニーズに合わせてコンポーネントを整理したり、リンクやファイル、データなどをまとめておけるデジタルキャンバスだ。チームメンバーによる同時編集が可能で、最初は何もなくても、アイデアが広がるにつれて次々と書き足していける。

Loop Pages

Loop Workspaces

 「ワークスペース」は、複数のページを階層管理できるダッシュボードといえるだろう。プロジェクトにとって重要なデータを一覧したり、グループ化して整理することが可能で、チームが取り組んでいることを俯瞰して手軽に把握したり、共通の目標に向けた進捗を確認することができる。

 このワークスペースアプリは、今後数カ月以内に公開される予定だ。

Loop Workspaces

 コラボレーションツールの欠点は、データが散逸してしまわないように、そのソリューションでの作業を強いられることにある。しかし、「Microsoft Loop」のコンポーネントベースでデータを管理すれば、好みの「Microsoft 365」ファミリーアプリで編集できる柔軟性が得られる。データがどこにあっても同期されるので、会議やチャット、メールのやり取りといった業務のさまざまなシーンでデータをアップデートできる。

 分散した情報をまとめておきたい場合は、「Microsoft Loop」のページやワークスペースが使える。データのフロー(やりとり)をストック(蓄積)に、ストックされた情報をフローにといった「ループ」を実現可能で、データを常に新鮮な状態・応用可能な状態にしておけるのがメリットといえるだろう。実際に試すのが楽しみなサービスといえる。