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無料の画面拡大・プレゼン補助ツール「ZoomIt」が12年ぶりのメジャーアップデート

Windows 11に対応

「ZoomIt」v5.0

 「Windows Sysinternals」で提供されているプレゼンテーション補助ツール「ZoomIt」が、1月27日(米国時間)にv5.0へとアップデートされた。2009年6月以来の、実に12年ぶりのメジャーアップデートとなる。

 「ZoomIt」は、名前の通りデスクトップを拡大表示できる虫眼鏡ツール。デスクトップに手書きできる注釈モードや全画面表示のカウントダウンタイマーなど、プレゼンテーション向けの機能も備える。通常はタスクトレイに常駐しており、各機能はホットキーでアクティブにすることが可能だ。アクティブにした機能を解除したい場合は、ホットキーをもう一度押すか、[Esc]キーやマウスの右クリックを利用すればよい。

32bit版、64bit版のほかにARM版を同梱
通常はタスクトレイに常駐しており、各機能はホットキーでアクティブにできる

ズームモード([Ctrl]+[1]キー)

 マウスカーソルのある位置を中心に、デスクトップを2倍(初期設定)に拡大表示する。カーソルを動かせば、それに追従してデスクトップをスクロールできる。初期状態の拡大率は、設定ダイアログで調整できるほか、ズームモード有効時でもマウスホイールやキーボードの上下矢印キーで変更可能だ。

【「ZoomIt」のズームモードでデスクトップを拡大 - 窓の杜】

 ちなみに、マウスクリックで後述する注釈モードへの移行が可能だ。

注釈モード([Ctrl]+[2]キー)

注釈モード

 マウスやペンを利用して、デスクトップに注釈を加える。フリーハンドでの描画だけでなく、ホットキーで図形や矢印、テキストの挿入も行える。主なホットキーは以下の通り。

  • [W]キー:ホワイトボードモード
  • [K]キー:黒板モード
  • [T]キー:テキストを挿入(日本語変換未対応)
  • [R]キー:ペンを赤色に変更
  • [G]キー:ペンを緑色に変更
  • [B]キー:ペンを青色に変更
  • [Y]キー:ペンを黄色に変更
  • [O]キー:ペンをオレンジ色に変更
  • [P]キー:ペンをピンク色に変更
  • [E]キー:注釈をすべて削除
  • [Ctrl]+[Z]キー:取り消し
  • [Shift]キーを押しながらマウスドラッグ:直線を描画
  • [Ctrl]キーを押しながらマウスドラッグ:矩形を描画
  • [Tab]キーを押しながらマウスドラッグ:楕円を描画
  • [Ctrl]+[Shift]キーを押しながらマウスドラッグ:矢印を描画
  • [Space]キー:カーソルを中央へ移動
  • [Ctrl]キーを押しながらマウススクロールまたはキーボードの上下矢印キー:ペンの太さを調整する

 そのほかにも、[Ctrl]+[C]キーでクリップボードへコピー、[Ctrl]+[S]キーでPNG形式ファイルとして保存できるので覚えておくとよいだろう(これらのコマンドは、他のモードでも利用できる)。

【「ZoomIt」の注釈モードでデスクトップに描き込み - 窓の杜】

ブレイクタイマーモード([Ctrl]+[3]キー)

ブレイクタイマーモード

 全画面表示でカウントダウンタイマーを表示する。残り時間の初期設定は10分だが、これは設定ダイアログで変更が可能(1~99分間)。[Ctrl]キーを押しながらマウススクロールまたはキーボードの上下矢印キーを操作すれば、カウントダウン中も分単位で残り時間を調整できる。

 タイマーのデザインが気に入らない場合は、設定画面の[Advanced]ボタンを押そう。ダイアログで透明度、表示位置、背景画像、タイムアップ時のサウンドなどを指定できる。

タイマーのデザインはカスタマイズが可能

ライブズームモード([Ctrl]+[4]キー)

ライブズームモード

 通常のズーム機能はデスクトップの表示を「固定」してしまうため、UIの操作は行えない。しかし、このライブズームモードならば、デスクトップを拡大したままアプリを操作したり、ビデオの再生を続けることができる。

【「ZoomIt」のライブズームモード - 窓の杜】

 なお、ライブズームモードの解除は[Esc]キーではなく、[Ctrl]+[4]キーを利用する必要があるようだ。

v5.0での改善点

 「ZoomIt 5.0」では、Windows 11をサポート。注釈モードでアンチエイリアスのかかった線を引けるようになった。

 なお、Windows 11とWindows Server 2022ではライブズーム機能で一部のUI要素をクリックできない問題がある。暫定的な回避策として、「ZoomIt」の実行ファイルをWindowsフォルダーまたは「Program Files」フォルダーに配置する方法が案内されている。

 「ZoomIt」は現在、Microsoftのドキュメントサイト内で運営されている「Windows Sysinternals」の公式サイトから無償でダウンロード可能。数日中に窓の杜ライブラリでも利用できるようになる見込み。

 「Microsoft Store」などから入手できる「Sysinternals Suite」にも含まれるが、バージョンは少し古いようだ。

ソフトウェア情報

「ZoomIt」
【著作権者】
Mark Russinovich 氏
【対応OS】
Windows(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
5.0(22/01/27)