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「C++Builder」誕生から四半世紀、「C++Builder 1」が無料でダウンロード可能に

C++言語によるGUIアプリ開発に革命を起こした歴史的ソフト

「C++Builder」が誕生から四半世紀、「C++Builder 1」が無料でダウンロード可能に

 米Embarcadero Technologiesは2月27日(現地時間)、統合開発環境「C++Builder」がリリースから25周年を迎えたことを記念し、その歴史を振り返るWebサイトをオープンした。最初のリリースである「C++Builder 1」も無料でダウンロード可能だ。

 「C++Builder」は、いまや伝説的な存在となったコンパイラー企業Borlandが開発した高速アプリケーション開発(RAD)ツール。

 当時のBorlandは「Turbo C」「Turbo C++」といった優秀なC++コンパイラーを擁していたが、ユーザーインターフェイスを構築するためのライブラリとツールは旧態依然としており、そこが弱みとなっていた。一方で、フォームにコンポーネントを貼り付けていくだけでユーザーインターフェイスをエレガントに作成し、イベント・プロパティといった先進的なパラダイムで効率的にアプリを開発できる「Delphi」は非常に高い評価を受けていたが、開発言語が比較的マイナーな「Object Pascal」である点を忌避する開発者が一定数存在した。

 そこで、「Turbo C」「Turbo C++」と「Delphi」のよいところを組み合わせて生み出されたのが「C++Builder」だ。「C++Builder」は姉妹製品の「Delphi」で構築された膨大なライブラリを共有できることもあり、Windows向けのGUIアプリを開発するツールとして広く普及。Windows向けのUIライブラリ「VCL」に加え、最近ではクロスプラットフォーム対応の「FireMonkey」をサポートするなど、着実な進歩を遂げている。現在の最新版は、昨年リリースされた「C++Builder 11」だ。

 今回無償提供されることになった「C++Builder 1」は、1997年2月26日に出荷されたファーストリリースだ。「Windows 95」から「Windows ME」までのWindowsが必要となるため実際に動かせる環境はそう多くないが、貴重な歴史的ソフトウェア遺産といえる。