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Win32アプリの待機リストは解消、アプリの復元などの注目機能も――「Microsoft Store」の改善はまだまだ続く

Androidアプリ、PWA、ウィジェットにまで対象を拡大

Microsoft、「Microsoft Store」で予定している改善を発表

 米Microsoftは5月24日(現地時間)、「Microsoft Store」で予定している改善を発表した。同社は昨年11月、「Windows 11」のリリースに合わせて新しい「Microsoft Store」をリリース。2月にはサードパーティーへ積極的にストアを開放する「Open App Store」の原則を発表したが、その成果か、「Microsoft Store」に新たに追加されたデスクトップアプリやゲームは、2022年第1四半期だけでも前年同期比で50%以上増加したという。

「Amazon アプリストア」の拡大

 まず、現在米国でプレビュー提供中の「Amazon アプリストア」を年内にもフランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリスの5カ国へ拡大する。これで日本のユーザーもWindows 11でAndroidアプリを利用できるようになる。

Windows Search

 [スタート]画面で「Microsoft Store」掲載アプリの名前を検索すると、検索結果にアプリのカードが表示されるようになる。ボタンをクリックすれば簡単にアプリをインストールできるので、新たな購入チャネルとして役立つだろう。

[スタート]画面で「Microsoft Store」掲載アプリの名前を検索すると、検索結果にアプリのカードが表示されるように

 この機能は近日中に「Windows Insider Program」でテストが開始される予定だ。

アプリの復元

 アプリの復元は、新しいPCを購入したり、OSをクリーンインストールする際に役立つ機能だ。以前に「Microsoft Store」からインストールしたアプリを新しいWindows環境へ自動で再インストールすることができる。

ストアアプリの再インストールを支援する「アプリの復元」

 この機能も近日中に「Windows Insider Program」でテストが開始される予定。

ポップアップストア

 新しい「Microsoft Store」ではインストールボタンを押すとミニダイアログがポップアップされ、わざわざ「ストア」アプリを起動することなくインストール処理を完了させることができる。

ミニダイアログからストアアプリをインストールする「ポップアップストア」

 このポップアップストアの仕組みは、開発者からも利用可能。同社のWebサイトで「Microsoft Store」バッジを作成し、自分のWebサイトに貼り付ければよい。

同社のWebサイトで「Microsoft Store」バッジを作成し、自分のWebサイトに貼り付ければ、「ポップアップストア」の仕組みを自分のサイトで活用できる

Microsoft Store Ads

 開発したアプリをユーザーに使ってもらうには、まず知ってもらうことが大切だ。今回発表された「Microsoft Store Ads」はそれを支援するソリューションで、アプリやゲームの広告を適切なユーザーにに適切なタイミングで掲出する。たとえば音楽制作アプリの場合、音楽や音楽制作に興味を持つユーザーの目に触れる広告キャンペーンを作成できる。

開発したアプリをPRできる「Microsoft Store Ads」

 テストとフィードバック収集を目的としたパイロット プログラムは、近日中に開始される予定。プログラムへの参加を希望する場合は、ウェイティングリストに登録するとよい。

Windows 11 のウィジェット

 今年後半より、Windows 11の[ウィジェット]パネルに表示できるウィジェットをサードパーティーが作成できるようになる。主にWin32アプリやPWAアプリの補助的な役割(コンパニオンエクスペリエンス)として活用することを考えているようだ。

今年後半よりサードパーティーがウィジェットを提供できるように

 ウィジェットの開発には「Microsoft Teams」などの製品でお馴染みの「アダプティブ カード」(Adaptive Cards)を用いる仕組みとなっており、JSONでUIを構築できる。

誰でもWin32アプリをストアに登録できる

 「Microsoft Store」にはWin32アプリも掲載できるが、これまでは一部の開発者にしか解放されておらず、それ以外の希望者は待機リストに登録する必要があった。現在、この待機リストは解消され、どの開発者もWin32アプリ(.NET、C++、Electron、Flutter、Qt、Rustなど)をストアに申請することができる。

 また、これまでのフィードバックをもとに、以下の新機能が追加されているとのこと。

  • ストア申請の自動化:新しい「GitHub Action」またはRest APIでCI/CDビルドパイプラインにアプリの申請処理を組み込めるように。「Microsoft PowerToys」ではすでに活用されているという
  • アプリの表示の切り替え:Win32アプリを検索対象から除外できるように。一般公開前に少数のテスターにリリースしたい場合などに役立つ
  • アプリのテレメトリ:新しい分析ダッシュボードにアクセスすると、ユーザーの獲得やアプリの使用状況、クラッシュがないかといった情報を得られる
  • アプリのレビュー:Win32 アプリのレビューに参加し、返信できるように

PWA開発者向けの新しいツール

 Webアプリをインストールしてローカルアプリのように使えるようにする「プログレッシブ Web アプリ」の需要の高まりうけ、「PWABuilder」で以下の新機能が提供されているる。

  • PWA Starter:これからPWA開発を始めるデベロッパー向けのガイドラインを提供
  • PWA Studio:「Visual Studio Code」から直接PWAをビルド、パッケージ化し、「Microsoft Store」に公開できるようにする新しい拡張機能
  • Meta Questのサポート:「PWABuilder」がMeta(旧:Facebook)の「Quest」デバイスに対応。Microsoftの「HoloLens」向けのパッケージとサイドロードできるように