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「ATOKパレット」がついに復活! 次期「ATOK for Windows」のアップデート内容が公開

個人の入力傾向から誤変換を防ぐ「ハイパーハイブリッドエンジン」搭載で6年ぶりの大規模進化

「ATOK for Windows」(Tech Ver.33)が発表

 (株)ジャストシステムは12月1日、日本語入力システム「ATOK for Windows(ATOK Passport)」の次期バージョンTech Ver.33を発表した。アップデート時期は2023年2月を予定している。

 今回の新バージョンは「“わたし”のことばを紡ぐ、進化を続けるATOK」をテーマに開発を実施。これまでの「ATOK」では実現できていなかった、使えば使うほど入力する人ごとに最適化し、進化を続けていく新しい変換エンジン「ATOK ハイパーハイブリッドエンジン」を搭載する。これは2017年の「ATOK ディープコアエンジン」以来、6年ぶりの大規模進化として、定額サービス「ATOK Passport」のみに提供される。

6年ぶりの大規模進化! 新変換エンジン「ATOK ハイパーハイブリッドエンジン」

 これまでの「ATOK」の変換エンジンは、AI変換や機械学習、ディープラーニング技術といった、さまざまな手法を取り入れてその変換精度を向上させてきた。

新変換エンジン「ATOK ハイパーハイブリッドエンジン」

 今回、ユーザーの入力傾向に応じて変換結果を最適化する「ATOK パーソナライズドコア」を新たに開発。これまでの「ATOK」の変換エンジンである「ディープコア2」と「パーソナライズドコア」を融合させることで、新しい変換エンジン「ATOK ハイパーハイブリッドエンジン」へと進化を遂げた。

 この入力システムでは、入力を繰り返すことで継続的に進化を続け、使い込むほどに変換精度は向上していくという。「ATOK」の高い変換精度はそのままに、利用者である“わたし”の入力傾向・特徴に沿った最適な変換候補の提示を実現する。

 ただし、これはユーザーが入力を重ねていくことで蓄積する入力傾向によって、徐々に変換結果が変化していくため、今回の変換エンジンの強化は利用開始後すぐに確認できるものではないとしている。

日本語の特徴を捉えた「ディープコア2」と個人による特徴を捉えた「パーソナライズドコア」を融合

 また、学習内容に応じて変換が使い分けられるようになるため、同じ読みの言葉でもユーザーごとに異なる使い分けができるようになる。さらに学習を重ねることで、それぞれのユーザーに特化した進化が続いていく。

 例えば「商品」、「品目」、「価格」、「顧客」といった単語とともに「 単価 」を入力した文書を多く作成するユーザーが、一時的に『集中治療室に たんか で』と入力するとき、「 単価 」ではなく「 担架 」を選択したとする。その後、ビジネス文書を入力する際に『商品の問い合わせありがとうございます。この たんか で』と入力したとき、これまでの「ATOK」では学習により前回選択した「 担架 」に変換されていた。

 今回新たに搭載される「パーソナライズドコア」では、これまでの入力傾向と現在入力中の文章を照合し、適切な候補を判定。その結果、『商品の問い合わせありがとうございます。この 単価 で』と期待通りに変換できる。ユーザーによって異なる入力傾向を、どのような言葉とともに使われているのか、「ATOK」が記憶していくことで変換結果が最適化される。

これまでの「ATOK」では、たまたま別の文脈を入力すると誤変換のもとになることがあった
「単価」と「短歌」の場合でも、入力を積み重ねることによって、利用者にパーソナライズされた変換結果が提示される

 なお、個人の特徴を捉えて変換結果を導く「パーソナライズドコア」以外にも、ユーザー環境での日本語の特徴を捉えて変換機能を強化する取り組み「ATOK変換改善パートナー制度」もスタート。パートナーの募集は11月24日から開始されており、こちらのフィードバック結果も2023年2月のアップデートで反映される予定だ。

「ATOK変換改善パートナー」

入力環境を改善する「ATOK」からの提案を振り返る「ATOK アトカラ」

新機能「ATOK アトカラ」

 今回のバージョンアップでは、入力環境を改善する「ATOK」からの提案を振り返ることができる新機能「ATOK アトカラ」も実装される。

 文章の入力中に集中したいときは「ATOK」からの入力改善提案をその場では確認できないことがよくある。「ATOK アトカラ」は、入力改善提案などの通知やお知らせを、時間があるときに見直すことができる仕組みだ。

 タイムライン上に「ATOK」からの通知や提案が自動でリスト化され、そこから内容を振り返るほかにも、単語登録や設定変更画面へ直接移動することも可能。「ATOK メニュー」や「ATOK パレット」から呼び出す以外に、一太郎の「ATOK Passport パレット」でも表示できる。

【通知の種類】
挨拶&「ATOK」の最新アップデート
一太郎からのお知らせ
「ATOKキーワードExpress」のキーワード更新報告
見逃した訂正学習の指摘([単語登録])
見逃した校正支援の指摘
「ATOK リフレッシュナビ」からの休憩提案
「ATOK マンスリーレポート」からの先月の入力結果報告
「カスタムATOK」からの設定変更提案
「ATOK パーソナライズドコア」からの状況報告
「ATOK Sync」単語登録と学習情報の同期報告
「ATOK Sync」からの同期提案
ATOKからのお知らせ

帰ってきた「ATOKパレット」。Windowsのダークモードにも連動

 時代に即したデザインに一新されて「ATOK パレット」が復活を遂げる。

待望の「ATOK パレット」が帰ってくる

 「ATOK パレット」は「ATOK」の状態が一目で確認でき、ワンタッチで文字入力モードや漢字変換モードなどの各種機能を簡単に呼び出せる言語バー。今回、テキストサービス(TSF)に対応したことで、「テキストサービスを使用する」状態でも「ATOK パレット」の表示が可能になるとともに、ストアアプリやGoogle Chromeでも「ATOK パレット」をいつでも利用できるようになった。

 また、デザインをWindows 11でも馴染むようにリニューアル。ダークモードにも対応しており、テーマカラーを[白]・[黒]・[OS 設定]の3種類から変更可能だ。設定を[OS 設定]にすると、Windowsのダークモードの設定に連動して白、または黒に切り替わる。

Windowsのダークモードにも連動

 そのほかにも、「ATOK パレット」の機能ボタンは、設定から追加・削除・並び替えを行なうことができる。よく使う機能を、ユーザーが使いやすいようにカスタマイズ可能となっている。

「ATOK アトカラ」の新着通知はバッジで表示
機能ボタンのカスタマイズも可能

「ATOKキーワードExpress」がキーワードのWeb検索に対応

 「ATOKキーワードExpress」は、映画や新商品名といった日々新しく生まれる最新キーワードを推測変換候補として随時配信するサービス。今回“ことば”の今を知ることができるサービスとして、配信キーワードのWeb検索に対応する。知らないキーワードを見つけたら、ワンクリックで調べることができるようになる。

ダイアログの[追加されたキーワードの例]から検索したいキーワードを選択すると、既定のWebブラウザーでGoogleの検索結果を開く

検索候補の読み上げが可能に

 上記以外にも、今回のバージョンアップでは、候補を選択する際にナレーターによる読み上げが行なえるようになる。例えば「かく」と入力し、候補から「書く」を選択したときには、ナレーターにより『かく。きょうかしょのしょ』と読み上げられるようになるとのこと。

 なお、ナレーターによる読み上げ機能を利用するには、Windowsの「ナレーター」を有効化するとともに、ATOK プロパティで「ナレーターによる読み上げ」をONにする必要がある。