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「一太郎2023」にWebブラウザー上で文章校正をリアルタイムに行なう「JUSTチェッカー」が搭載

70年ぶりに改定された公用文ルールに対応した文書校正機能にも注目

日本語ワープロソフト「一太郎」シリーズの最新版「一太郎2023」

 ジャストシステム(株)は12月1日、日本語ワープロソフト「一太郎」シリーズの最新版「一太郎2023」を2023年2月10日に発売すると発表した。価格は「一太郎2023」通常版が27,500円、上位版の「一太郎2023 プラチナ」通常版が47,300円。従来製品と同様に買い切り版として提供され、昨今主流となりつつあるサブスクリプション版は提供されない。

 「一太郎2023」では、「ハイブリッド一太郎」から進化した「伝わる一太郎」をテーマに、オンラインとリアルが両立する社会の中でどのような読み手に対しても、わかりやすく誤解なく伝わる文書を作成するための機能を強化。Webブラウザー上でのチャットやメールといったテキストコミュニケーションにも着目し、文章校正ブレイン「JUSTチェッカー」による新たな文章作成体験を提供する。

「伝える≠伝わる」がキーワード。読み手が正しく理解して行動を起こす、そうしたコミュニケーションが成立する「伝わる文書」の作成を支援する

伝わる文書へ。70年ぶりに改定された公用文のルールに対応する[文書校正]機能

 今年2022年は、約70年ぶりに公用文のルール「公用文作成の考え方」が改定。横書きの読点に「、」を用いることが原則とされたり、公用文の分類例として「解説・広報等」が示された。「解説・広報等」に大別される、広く一般に向けた広報誌やパンフレットなどは、読み手にわかりやすく、親しみやすい表現が求められるようになった。

約70年ぶりに改定された公用文のルールに対応
「公用文(解説・広報等)」向けの校正設定を追加

 「一太郎2023」では、これらのルール変更に対応するとともに、新たに「公用文(解説・広報等)」向けの校正設定を追加。時代とともに変化する、日本語文書のあり方に応じて文書校正機能を強化する。

 また文章校正では、伝わらない要因の1つとなる「あいまいな表現」をチェックする機能も追加される。「~かもしれません」というような表現は誤解を招くだけでなく、読み手に不信感を与える可能性がある。「一太郎2023」の校正機能では、書き手も気づきにくい文章中のあいまいな表現を排除し、読み手に明確に伝わる文書の作成が可能になる。

誤解を招く「あいまいな表現」をチェック

 ほかにも文書校正機能では、指摘精度をさらに強化し、より効率的なチェックが可能に。新しい名称や時事的な用語をはじめ、語彙の解析が強化された。誤字脱字の過剰な指摘が抑制され、校正作業がスムーズに行なえるようになるほか、「ビックデータ」や「デビッドカード」といった外来語のまちがいを指摘する機能も強化されている。

変更点が明確に伝わる[相違点比較表]の作成機能を搭載

 規程・指針、業務マニュアル・作業手順書、契約書や会則のような文書の改訂時には、「新旧対照表」や「変更対比表」などの相違点比較表が活用されるが、これを手動で作成するには手間と時間がかかり、人為的なミスが含まれる可能性がある。

相違点比較表は便利だが、作るには手間と時間がかかる

 「一太郎2023」では、文書の変更点が明確に伝わる「相違点比較表」の作成機能を搭載。いま開いている改訂後の文書ファイルに対して改訂前の文書を選ぶだけで、ミスなく時短で自動作成できるようになる。相違点比較表は[比較元文書]の新しいシートに罫線表として出力される。

改訂前後のファイルを選ぶだけで相違点比較表を自動作成

整えて伝わる! 連番・まとめて改行削除

 しっかりとレイアウトされた文書や、インデントが揃っている文書などは読みやすさに直結する。「一太郎2023」では、文書を整える機能が強化された。

 連番の表示は、数字種類[全角数字(123)]の連番が2桁以上の場合、自動的に半角数字で表示できるようになった。連番の1桁/2桁で、連番の後文字列の位置を揃えたい場合に便利な機能で、章立ての文書を読みやすくする効果が期待できる。

 また、不要な改行のみを削除する「まとめて改行削除」では、小説や記事といった約物(?!―…、疑問符・感嘆符やリーダ・ダッシュ)を多用する文章に配慮し、文末が約物であった場合の改行を保持できるよう機能強化された。これにより、Web小説やブログ特有の空行を一気に削除可能となり、書籍化や冊子作成がさらにスムーズに行なえるようになる。

文書をしっかり整える「連番・まとめて改行削除」

PDFの出力前に意図しないレイアウトミスを防ぐ

 PDF保存では、PDFに出力する前に意図しないレイアウトミスを防ぐように変更された。

 空白領域の多いページをチェックすることで、無駄なページが出力されてしまうのを防ぐことができる。さらに、ページ番号が付いた文書をPDF形式で保存するとき、1ページだけの場合にページ番号を付けるかどうかをチェックできるようになる。これにより、1ページだけの文書にページ番号を付けたくない場合には、わざわざ文書スタイルでページ番号の設定を変更する手間がいらなくなる。

PDF保存は意図しないレイアウトミスを防ぐよう改善

伝わることばのため「ATOK Passport」との連携強化

 「一太郎2023」では「ATOK Passport」との連携を強化。言葉の理解が深まる「ATOK」の日本語入力環境を最大限に活用し、1人ひとりの利用状況に合わせて、より入力しやすく調整できるようになる。

 [Ctrl]キーを押すだけの簡単操作で辞書をまとめて引ける「辞書引きツールパレット」では、「ATOK Passport [プレミアム]」に搭載されているATOKクラウド辞典の6辞典に対応する。辞書のラインナップは下記の通り。

  • 広辞苑 第七版
  • 大辞林4.0
  • ウィズダム英和辞典 第4版
  • ウィズダム和英辞典 第3版
  • 三省堂 故事ことわざ・慣用句辞典 第二版
  • 敬語のお辞典

 意味や用例を一覧して辞書を引き比べることで、より言葉を正しく理解した状態で文書作成に臨むことができる。辞書引きを実行すると、単語が掲載されている辞書だけが自動的に開くので、内容の確認・比較もすばやくスムーズに行なえる。

『広辞苑』や『大辞林』などを引き比べできる「辞書引きツールパレット」
「自愛」を引いた際のイメージ

 さらに、基本ツールパレットには「ATOK Passport パレット」を新設。「ATOK」の利用状況を可視化し、入力環境をよりよくする設定ができるようになる。「ATOK」からの提案をあとから見直し、登録・設定できる「ATOKアトカラ」のほか、単語登録や操作ガイドが搭載されて「ATOK」とよりシームレスに連携。書き手のことばを使っての文書作成がしやすくなる。

「ATOK Passport パレット」を新設
「ATOKアトカラ」の操作イメージ
単語登録や操作ガイドも搭載されている

Webブラウザー上で文章校正をリアルタイムに行なう「JUSTチェッカー」

 オンラインでもリアルでも「伝わる一太郎」であるために、Webブラウザー上でのチャットやメールといったテキストコミュニケーションにも着目。オンライン上の文書を洗練し、そして伝わるようにするための新機能が文章校正ブレイン「JUSTチェッカー」だ。

文章校正ブレイン「JUSTチェッカー」

 新たな文書作成体験を提供する「JUSTチェッカー」は、Webブラウザー上で文章校正を行なうブラウザー拡張機能。対象となるWebブラウザーは、Google ChromeとMicrosoft Edge。この機能を利用することで、メールやチャット、Webページの入力フォームといったWebブラウザー上で文章を入力する際に、「一太郎2023」の高度な文書校正エンジンにより文章の誤字脱字や表現をリアルタイムでチェック可能になる。

Webブラウザー上でリアルタイムに動作する
「Gmail」など、さまざまなサイトで用途に応じたチェックが可能に

 「JUSTチェッカー」では、用途別に8つの校正設定(カジュアル、論文・レポート、ビジネス、公用文、公用文(解説・広報)、小説、Web記事、カスタム)を用意。作成する文書に合わせて校正設定を選択することで、最適なチェックが可能になる。

8つの校正設定を用意
メールではビジネス向けのチェックを
小説用のチェックもおまかせできる

 さらに、文章を作成するWebサイトの利用用途や特性に合わせて、校正設定を自動で切り替えるオートスイッチ機能を利用すれば、手間なく適切なチェック項目で文章校正が可能だ。「JUSTチェッカー」によりオンラインでも安心して情報発信ができるようになるという。

校正設定を自動で切り替えてくれる「オートスイッチ」機能

販売情報 ~店頭販売は「通常版」のみに

 「一太郎2023」とその上位版「一太郎2023 プラチナ」は、通常版・特別優待版・バージョンアップ版・アカデミック版の各4種類をラインナップ。それぞれにパッケージ版とダウンロード版が用意される。

 なお、今回のバージョンから店頭での販売は「通常版」のパッケージのみに変更される点には注意したい。特別優待版・バージョンアップ版・アカデミック版については、直営オンラインショップ「Just MyShop」で引き続き販売される。

「一太郎2023」と「一太郎2023 プラチナ」のパッケージ
通常版・特別優待版・バージョンアップ版・アカデミック版を用意

 また、今回から新たなエディションとして「ATOK Passport ユーザー優待版」の発売が決定。直営オンラインショップ「Just MyShop」のみでの販売となるが、定額サービス「ATOK Passport [プレミアム]」年間プランの契約者であればお得に購入することできる。「ATOK Passport [プレミアム]」の月間プランの契約者でも、直近12回の請求が連続しているユーザーであれば購入可能だ。

「ATOK Passport ユーザー優待版」が新たに登場
搭載商品一覧