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「Twitter」で暗号化DMがスタート。ただし、利用できるのは「検証済み」ユーザーのみ

ボイス・ビデオチャットも近日中に実装

一般のDMと暗号化されたDM

 「Twitter」で暗号化されたダイレクトメッセージ(Encrypted Direct Messages)の提供が開始された。Elon Musk氏が5月10日(日本時間)に「明日リリースする」と予告していた機能だ。

 ダイレクトメッセージ(DM)の暗号化(v1.0)は、秘密鍵と公開鍵のペアで行われる。公開鍵はユーザーが新しいデバイスで「Twitter」にログインするたびに自動的に登録されるが、メッセージの暗号化に用いられる秘密鍵は各デバイス固有で外に公開されることはなく、「Twitter」に伝達されることもない。そのため、「Twitter」の運営チームを含む第三者がDMを読むことはできない。かつてあったDMが漏洩するケースでも会話の内容が明るみになることはないため、安心して利用できる。

暗号化されたDMの作成は、[会話情報]ページや送信相手の選択画面から開始できる

 ただし、暗号化されたダイレクトメッセージを送受信するには以下の条件を満たす必要がある。検証済みユーザーでないと利用できないため、実質的に「Twitter Blue」向けの機能ということになるだろう。

  • 送信者と受信者の両方が最新の「Twitter」アプリ(iOS、Android、Web)を使用している
  • 送信者と受信者の両方が検証済みユーザーまたは検証済み組織の関連会社である
  • 受信者が送信者をフォローしているか、送信者にメッセージを送信したことがあるか、以前に送信者からのダイレクトメッセージ要求を受け入れたことがある

 なお、暗号化されたDMに含められるのはテキストとリンク、リアクションのみだ。画像などのコンテンツを添付することはできない。また、新しいデバイスは既存の暗号化された会話に参加できない。

暗号化されたDMには鍵マークが付与される。メッセージに含められるのはテキストとリンクのみ。リアクションも加えられるが、画像などのコンテンツを添付することはできない

 加えて、1ユーザー当たり最大10台のデバイスまでという制限もあり、上限に達すると新しいデバイスで暗号化されたメッセージを送信できなくなる。本機能は早期アクセスと位置付けられており、登録済みデバイスを追加・削除する管理機能はまだ実装されていない。同社はこの実装をオープンソース化し、今年後半にテクニカルホワイトペーパーを通じてテクノロジーの詳細に説明したいとしている。

 そのほかにも、スレッド内のメッセージにDMで返信したり、絵文字でリアクションする機能を最新版のアプリに実装するとのこと。また、ボイスチャットやビデオチャットも近日中に実装されるようだ。