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「Windows Terminal」がようやくD&Dによるタブの分離に対応、v1.18でプレビュー

安定版の「Windows Terminal 1.17」にはポータブルモードが導入

「Windows Terminal Preview」v1.18.1421.0

 米Microsoftは5月24日(現地時間)、「Windows Terminal Preview 1.18」を公開した。このバージョンの目玉は、開発者向けカンファレンス「Build 2023」でも紹介されたタブの分離(Tab Tearout)だ。

現行版の「Windows Terminal」は、タブをドラッグしてもタブバーから切り離すことができない(v1.18でもドラッグ中に禁止マークはでるが、ドロップするとタブが分離される)

 現行版の「Windows Terminal」は、タブをドラッグしてもタブバーから切り離すことができず、ターミナルウィンドウを2枚並べて表示するといったことができなかった。しかし、最新プレビュー版ではドラッグ&ドロップによる切り離しが可能。開発初期から要望の多かった機能が、ようやく実現にこぎつけた格好だ。

「Windows Terminal Preview」v1.18.1421.0

 また、環境変数の扱いが変更され、新しいタブやペインの追加で環境変数が自動で再読み込みされるようになった。新しいツールをインストールしたり、パス(PATH)変数を書き換えても、ターミナルを完全にシャットダウンして開きなおす必要はない。設定画面(settings.json)に環境変数を追加する機能も導入され、デフォルトプロファイルや各プロファイルに設定することもできる。

 そのほかにも、実験的な機能としてコンテキストメニューがサポートされた。試験オプションを有効化すると、貼り付けやペインの分割、タブ操作といったコマンドがマウスの右クリックで利用できる。実験的レンダリングエンジン「Atlas」も刷新され、斜体テキストや絵文字、複雑な表現が破綻なく表現できる。

 「Windows Terminal」(ターミナル)は、Microsoftが主導でオープンソースとして開発しているターミナルアプリ(ライセンスは「MIT」)。DirectWrite/DirectXベースのテキストレンダリングエンジンやUTF-16/UTF-8両対応のテキストバッファーを備えたモダンな設計、レイアウトの柔軟性、プロファイルベースの高いカスタマイズ性などが特徴だ。現在、「GitHub」や「Microsoft Store」から無償でダウンロードできる。

 なお、同日付けで「Windows Terminal 1.17」が安定版となっている。このバージョンでは、ポータブルモードをサポート。設定がアプリフォルダーに保存されるので、USBメモリなどに入れて持ち運べる。

 また、「パッケージ化されていない」ディストリビューションがWindows 10/11で正式にサポートされた。他のディストリビューションと同時に利用しても、それらは適切に分離される。通常は「Microsoft Store」で配布されているディストリビューションを利用すればよいが、機能に若干の差があるため、IT管理者やパワーユーザーは自分に合ったディストリビューションを選択するとよいだろう。

各ディストリビューションの機能比較

ソフトウェア情報

「Windows Terminal Preview」
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
Windows 10 バージョン 20H1以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.18.1421.0(23/05/24)