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「Build 2023」で発表された「Microsoft Edge」関連のアップデート
「Microsoft 365 Copilot」統合、デザイン刷新、ハイブリッドワーク・コラボレーションのための新機能
2023年5月30日 06:45
米Microsoftは5月23日（現地時間）、開発者向けカンファレンス「Build 2023」で、「Microsoft Edge」のアップデートを発表した。AIの導入やルック＆フィールの刷新、管理の簡素化などが予定されている。
「Microsoft 365 Copilot」が「Edge」にネイティブ統合
まず、「Microsoft 365」アプリに組み込まれる生成AI「Microsoft 365 Copilot」（現在プライベートプレビュー中）が「Edge」にも統合される。「Bing」のAIチャットのような一般的なタスクだけでなく、カレンダーやメール、チャット、ドキュメントといった企業内に蓄積される「Microsoft Graph」データを活用することで、業務に即した支援が得られるようになる。
「Microsoft 365 Copilot」では「ChatGPT」向けプラグインもサポートされるが、これは「Edge」サイドバーからも利用可能だ。
さらに、既存のワークフローにもAI技術が積極的に導入される。たとえば「Microsoft Search」はユーザーのアクティビティに基づき、それに関連するファイルや「SharePoint」サイトを表示するようになる。ページ内検索（［Ctrl］＋［F］キー）では、ユーザーが入力した検索キーワードだけなく、それに類似したキーワードを提案する「スマート検索」（Smart Find）が搭載される。
また、文章をより早く、より少ないミスで書けるテキスト予測機能が、英語（米国、インド、オーストラリア）以外にも展開される。近々、中国語と日本語版が提供される予定だ。
ルック＆フィールの刷新
次に、「Edge」のデザインがリニューアルされる。今、そして将来にわたって美しく使いやすく、かつ親しみやすいブラウジング体験を実現することを目標にしているとのことで、角丸、半透明の背景、流れるようなアニメーションなど、「Windows 11」のモダンでエレガントなデザインを取り入れるとともに、アカウントメニューを左端に移動させるなど、使い勝手の改善を図っている。
閲覧画面まで角丸になっている点については賛否が分かれているが、これはWebページ画面と「Edge」が生成したコンテンツを容易に見分けられるようにするためだという。それぞれのコンテンツが「コンテナー」に入れられているというモジュラー構造を視覚的に表現したものだ。
ハイブリッドワーク向けに設計された「Microsoft Edge for Business」
近年、オフィス勤務とリモートワーク（在宅勤務）を両立させる「ハイブリッドワーク」が注目を集めているが、一方で仕事とプライベートの境界を曖昧にしてしまうという問題も孕んでいる。企業が機密情報の流出を懸念するのはもちろん、ユーザー側もプライベートな閲覧履歴やパスワードが会社のアカウントに同期されることを望んではいない。
「Microsoft Edge for Business」は、そうしたニーズに応えたソリューション。仕事とプライベートのブラウジングをそれぞれ専用のブラウザウィンドウへ自動で分離し、キャッシュとストレージをそれぞれ個別に管理することで、ユーザービリティを損なうことなくセキュリティを高めることができる。
「Edge for Business」は同日より、「Azure Active Directory」で管理されているデバイスに対しプレビュー提供される。今後数ヶ月のうちに非管理対象デバイスにも提供される予定。
「Microsoft Edge Workspaces」
今年4月に発表された「Microsoft Edge Workspaces」はプライベートプレビューを卒業し、一般に開放される。今後数カ月以内にすべてのユーザーが利用可能になる予定だ。
「Edge Workspaces」はプロジェクト専用のワークスペースを作成し、リンクやタブをメンバーとシェアできる機能。ワークスペース内のタブの追加・削除やコンテンツの更新はリアルタイムで反映される仕組みとなっており、メンバーはつねに同じ閲覧状態を共有できる。ユーザーが最新の作業ファイルを探す時間と労力を節約し、チームの連携と生産性を向上させることが可能だ。
そのほかにも、以下の要素が投入される。
- 「Microsoft 365」管理センターで「Edge」の管理を簡素化
- モバイル版「Edge for Business」、VPNや「Microsoft Azure AppProxy」でどこからでも社内リソースにアクセス
- 「Edge」サイドバーで「プログレッシブWebアプリ」（PWA）を利用
- 「Edge」の開発者ツールのフォーカスモード
- 内蔵のJSONビューワー（試験機能フラグで提供。今年中に一般公開）
- 「HoloLens2」と「Xbox」で「WebView2」をサポート（プレビュー）
- 「V8」エンジンの改良でJavaScript機能を強化。「強化されたセキュリティ モード」（Enhanced Security Mode）も改善
- ユーザーのサインインプロセスを容易にする「Microsoft Quick Authentication」ライブラリ。同日より「Microsoft アカウント」（MSA）での認証に対応
- 「Microsoft Store」で公開されるPWAアプリでアプリ内購入が可能に