ニュース

Google、ノートブック向けAI「NotebookLM」を発表 ~知的作業を助けるバーチャル秘書

米国の一部ユーザーに展開

Google、ノートブック向けAI「NotebookLM」を発表

 米Googleは7月12日(現地時間)、ノートブック向けAI「NotebookLM」を発表した。これは今年の「Google I/O」で「Project Tailwind」として発表された製品で、Google Labsの実験的製品として展開が開始される。

 近年は扱うべき情報の数が爆発的に増えており、情報を集めるだけでなく、どのように事実をまとめ、扱うのかが大きな課題となっている。情報源が十分であっても、それらの間につながりを見出すのに時間がかかるのだ。

 そうした課題から生み出されたのが、「NotebookLM」だ。「NotebookLM」は生成AIの一種で、以下の3つの機能を持つ。

  • 要約:「Googleドキュメント」を「NotebookLM」に追加すると、主要なトピックや質問とともに要約が自動的に生成される
  • 質問:アップロードしたドキュメントについて質問する
  • アイデアを生み出す:単なる質問ではなく、会話を通じて創造的な新しいアイデアを思い付くのを助ける

 資料の理解を深めるためにドキュメントガイドを生成したり、事実をまとめたり、複雑な概念を解きほぐしたり、ブレーンストーミングをしながら情報のつながりを新たに見出したりといった知的作業を助けるバーチャルなリサーチアシスタントとして利用できるわけだ。

 従来のAIチャットボットとの大きな違いは、「NotebookLM」が言語モデルをユーザーのノートや情報源に「グラウンディング」(Grounding)させられる点だ。言語モデルにノートブックを学習させることで、その分野や関連情報に精通したパーソナライズAIを効果的に作り出すことができる。そのため、専門用語や術語も理解してくれる。

 「NotebookLM」のソースグラウンディングは、言語モデルでしばしば指摘される「ハルシネーション」(幻覚)のリスクも軽減してくれる。生成AIはよく「知ったかぶり」のウソをつくが、「NotebookLM」は回答のソースを示してくれるので、ファクトチェックも容易だ。

 「NotebookLM」はまず、米国の一部ユーザーに展開される。同社は「NotebookLM」を本当に役立つ製品にするため、うまくいっている点・そうでない点をユーザーコミュニティと話し合うとともに、厳格な安全基準を設けて、AI原則を遵守した開発を行うとしている。ユーザーのノートブックが新しいAIモデルのトレーニングに使用されることはない。