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無料で作れちゃう! シヤチハタ、Webブラウザー上で筆文字入りのサムネイル画像を生成できる新サービス【TGS2023】

「J-Fontサムネメーカー」が正式リリース。完全新作フォント「相撲文字」も披露

新サービス「J-Fontサムネメーカー」

 シヤチハタ(株)は9月21日、同社が運営するフォントサービス事業「J-Font.com(ジェイフォントドットコム)」において、新サービス「J-Fontサムネメーカー」の正式サービスを開始した。専用ページにアクセスして無料で利用できる(画像のダウンロードには「J-Font.com」の会員登録が必要)。同日より開催中の「東京ゲームショウ2023(TGS2023)」のシヤチハタブースにおいて、参考展示も行なっている。

 「J-Fontサムネメーカー」は、Webブラウザー上で筆文字入りの透過画像を生成するツール。テキストを自由に編集してサムネイルの文字を入れた透過画像を生成し、任意の画像データ(自前の写真や動画のスクリーンショットなど)と重ねて合成することで、インパクト溢れるサムネイルが作成できる。無料サービスとしては「透過画像をダウンロードさせるフォントサービスっていいの!?」と思わせるほど、画期的なものといえる。

Webブラウザー上で自分だけのサムネイル画像(透過画像)を作成できる

 フォントは切り替え可能で、人気書体の「大髭」や、アニメ「鬼滅の刃」で使用された昭和書体の「闘龍書体」をはじめ、楷書体、ポップ体といった毛色の違う6種類を用意。フォントのサイズ・位置・カラー・輪郭等も調整可能だ。

 また、3種類のサンプル写真(背景写真)を選ぶことができるが、保存・ダウンロードする際は、これらサンプル写真を含まない文字のみの透過画像となる。

無料ながらフォントは6種類から選択可能。サムネイルに使いやすい書体がセレクトされている
生成した画像の右下には「J-Font.com」のロゴも入るが、時間表示で隠れてしまう場所に入るという。なお、サムネイル文字を下段にした際には、ロゴは上に表示される

 利用時の約束事として、本サービスはSNS動画のサムネイル用途以外では使用できない(動画本編には使用不可)。動画説明欄には「J-Fontサムネメーカー」のURLリンクを入れる必要がある。

 また、保存される画像はやや粗目となるが、サムネイル利用には十分な画質を提供。これは不正利用防止の観点から、使用用途と画像サイズに制限が設けられた形となっている。

保存する前に利用規約と注意点をよく確認しておこう

 担当者によると、サムネイル画像はフォントライセンスを購入しないと作れない部分が多く、ハードルが高いものとなっているという。そこで「動画がなくてもサムネイルが作れる」「まずはお試しでフォントを使ってもらいたい」という想いで、本サービスが企画されたとのこと。

 サムネイル文字の傾き、縦書き対応など、まだまだ機能に改良の余地があるとのことなので、使ってみた方はぜひフィードバックしてみてほしい。

「TGS2023」のシヤチハタブースで実際に体験できる

完全新作フォント「相撲文字」(名称未定)も登場

 「TGS2023」のシヤチハタブースでは「J-Fontサムネメーカー」に加えて、さらに開発中の新書体も披露されている。

 とりわけ注目なのが、完全新作フォントとなる「相撲文字」(名称未定)。これは相撲中継などでよくみられる伝統的な相撲文字をデジタルフォントで再現したものだ。

現在開発中の「相撲文字」(名称未定)

 相撲文字といっても、実は日本相撲協会のホームページなどでは、歌舞伎の看板などで使われる「勘亭流」文字で書かれていることが多いという。そもそも「相撲文字」のフォントが少なく、たとえあったとしても実際に行司が書く字とは少し形が異なっていたりして、本格的なフォントが存在していなかったそうだ。

 今回の白舟書体が開発中のものは、「海」や「島」といった字の独特な表現を、過去の大正・昭和の番付表からよく使われるものを研究し、本格的な伝統字形を再現して制作された。枠内にきれいに収まるよう作られているので、番付表にした際に「きれいな黒味」で出るのがポイント。番付表ならではの“真っ黒な”感じがうまく再現されている。

 なお、こちらは有料フォントとしてリリースされる予定とのこと。

ほかにも、人気書体「京円」の高解像度版となるリメイク書体「京円HR」も展示されていた
昨年と比べてブース面積は2倍に。3月に発表された「白舟書体×昭和書体」の大型コラボ、「J-Font.com」のクリエイター向けプランを推していた