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極上無料フォントとパワポでお店に負けない年賀状を作ってみた!
せっかく年賀状を作るなら無料で使える「J-Font.com」の筆文字素材で格調高くいこう
2022年12月2日 07:15
今年2022年も早いもので残すところあと1カ月となりました。年末といえば「年賀状」のシーズンですね。読者の皆様、年賀状の準備は進んでいらっしゃいますか。年賀状用の素材集や専用ソフトを購入するのが大変だから、あるいは作っているけれどもうワンポイントが欲しい、などとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方のために、あのハンコで知られるシヤチハタ(株)が販売・運営を行なっている筆文字フォントサービス「J-Font.com」で提供されているフリーフォントと無償版素材をご紹介したいと思います。「もうあけおめメールやSNSでいいや」と年賀状から離れてしまう前に、今年こそ楽しく、かつプロクオリティの素材を使ってワンランク上の年賀状を作ってみませんか。
有名TV番組や人気ゲームでも使われているプロ向け素材を無料で試してみよう!
「J-Font.com」は、(株)白舟書体が書体の開発、シヤチハタ(株)が販売・運営を行なっている筆文字フォントサービスです。シヤチハタといえば、看板商品である「ネーム9」で知られるようにハンコ屋のイメージが強いですが、独自のビジネス印章用フォント「シヤチハタフォント」を開発するなどフォント事業も積極的に展開していることは、過去の記事でもお伝えした通りです。
利用事例を挙げると、俳優の大泉洋さんをスターにのし上げたバラエティ番組「水曜どうでしょう」で人気書体の「大髭」が、また全世界販売1,100万本を突破したハンティングアクションゲーム「モンスターハンターライズ」や大河ドラマのオープニングなどで定番書体の「白舟楷書」が採用されており、実は普段見ている映像作品の中に登場するフォントが「J-Font.com」提供のものだったりします。
今回ご紹介するフリーフォントについては、白舟書体の教育漢字版フォントが無償でダウンロード可能です。提供されるフォント自体はどれも使用許諾の範囲内であれば、商用利用も許可されています。選べる種類は全部で10種類。ラインナップは次の画像の通りです。
先ほど例に挙げた「白舟楷書」が無料でお試しできるのは嬉しいところですね。宛名書きにも重宝しそうです。また、印章系のフォントも豊富に用意されているので、年賀状裏面のワンポイントを作成するのにも役立つラインナップになっています。
ただし注意点としては、収録漢字が教育漢字1,026字とフォント名のプレビュー用漢字のみとなること。収録外の文字は表示できませんが、ひらがな・カタカナ、数字・アルファベットをはじめ、年賀状の挨拶文で使用するような基本的な漢字は収録されているので大きな問題はないかと思います。人名や地名などは適宜手書きでフォローするとよいかもしれません。
「J-Font.com」ではフリーフォント以外にも、同サービスが提供する500点以上の書き下ろし素材の一部や、白舟フォントを使用したデザイン素材を無償でダウンロード可能です。こちらの素材もWEB画像や動画、イラスト用素材として商用利用可能ですよ。
ラインナップには「謹賀新年」や「明けましておめでとうございます」といったテキストの画像素材に加え、背景に活用できる筆線素材も用意されています。各ダウンロード素材は、組文字として書き下ろされているため、フォントではなかなかできない表現が可能となっています。わざわざフォントをインストールせず、手軽に「J-Font.com」のフォントを使ってみたい方にもおすすめです。
無償版素材を利用するには会員登録だけでOK!
これまでにご紹介したフリーフォントと無償版素材は、「J-Font.com」に会員登録するだけですぐに利用できます。新規会員登録では[法人]か[個人]かを選択することになりますが、これらの素材は法人・個人を問わずに利用可能となっています。会員登録は「J-Font.com」のトップページから行なっていきましょう。
会員登録が終わったら、あとは好きなフォントや素材をダウンロードしていくだけです。トップページにある「教育漢字版フォント -ダウンロード-」と「無料素材ダウンロード」の各ページから、欲しい素材を選びます。
フリーフォントの場合、ダウンロードが終了したら、フォルダー内にあるフォントファイルを開いてインストールを行ないましょう。またフォルダー内には、フォントに関する紹介文や動作環境(Windows 7/8.1/10/11)、使用許諾範囲などが記載されたテキストファイルも含まれているので、合わせて確認しておきましょう。
ちなみに「J-Font.com」の有料サブスクリプションプランでは、フォント形式はOpenType/TrueTypeフォントの両方に対応していますが、今回のフリーフォントについてはOpenType形式のみとなります。
「無料素材ダウンロード」についても、同様の手順でダウンロード可能です。画像素材に関しては、PNG形式で配布されているので解凍の手間はかかりませんよ。
パワポを使って実際に年賀状を作ってみよう!
ここまでくれば、あとは自由に素材を活用して年賀状を作るだけですね。今回は敢えて「PowerPoint」を使って年賀状の裏面(通信面)を作ってみたいと思います。
パワポこと「PowerPoint」といえば、プレゼン資料を作るツールというイメージが強いですが、実は年賀状のテンプレートも「Office テンプレート」として用意されています。今回の年賀状作りでは、せっかく用意したフォントや筆素材があるので、これらのテンプレートは使わずに無地の状態から制作してみましょう。
まずは、スライド設定を[縦書き]にするところからスタートです。メニューバーの[デザイン]から[スライドのサイズ]-[ユーザー設定のスライドのサイズ]をクリックします。あとは印刷の向きを[縦書き]に設定すれば準備完了です。
それではここから画像を配置していきましょう。用意した画像素材は、メニューバーにある[挿入]をクリックし、[画像]-[このデバイス…]ボタンから挿入・配置することができます。
イラスト素材については「J-Font.com」では配布されていませんでしたね。そんなときは日本郵便(株)が配布しているフリーイラスト集といったフリー素材サイトも活用しましょう。こちらのサイトでは、有料配布になりがちな干支のイラストもゲットできますよ。
「J-Font.com」で入手した筆素材は「ペイント」を使ってカラーアレンジしてみるのも面白いですね。今回は[カラーピッカー(スポイト)]と[透明の選択]を使って、色を置き換えてみました。この方法以外にも、普段使っている画像編集ソフトで行なう方がもっと楽にできるかもしれませんね。
続いて、筆文字フォントを使って挨拶文を入れていきましょう。今度も同じくメニューバーの[挿入]から[テキストボックス]-[縦書きテキスト ボックス]ボタンをクリックします。これまでにも「PowerPoint」に触ったことのある方なら難しい操作ではないですよね。
入力したテキストは、フォント設定で今回手に入れた筆文字フォントにするのを忘れないようにしましょう。フォントを変えてみるだけで一気に格調高くなった印象になりますね。
ちなみに、挨拶文の内容など、年賀状のマナーに関して不安がありましたら、振り返り用に下記の記事も参照してみてください。
ここまでお疲れ様でした。お店で販売されているテンプレート並み、いやそれ以上の仕上がりになったのではないかと自惚れてしまいますね。完成した年賀状には、直筆のメッセージを書き添えてあげるとパーフェクトだと思います。
無料素材だけで全部作ったとはパッと見てわからない完成度をもたらしてくれたのは、今回ご紹介した「J-Font.com」の無償素材たちのおかげでしょう。自分で書くとなると、なかなかきれいに書けない筆文字ではありますが、プロクオリティの素材を無料かつ手軽に利用できるのは、やはりよいものですね。筆者自身も「年賀状離れ」して久しいところではありますが、久しぶりに相手のことを考えながら年賀状を作る時間は非常に楽しいものでした。
なお、「J-Font.com」のフリーフォントや筆文字素材で作成した年賀状を、年賀状テンプレートなどの形として素材の再配布をすることは規約上、禁止されていますのでご注意を。
ちなみに、年賀状を作り始めると、やっぱりどんどんこだわりたくなるものですよね。いろいろあるイラスト素材集を選んでみるのもよいかと思いますし、今回取り上げた「J-Font.com」では、好きな1書体を選択して使用できる有償版の「J-Font.com セレクト1」プランが用意されています。こちらのプランを利用することで、足りない文字種やより多くの筆素材をカバーすることができますよ。
無料素材を活用して、今年こそはワンランク上のオリジナル年賀状作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。