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「Android」が15周年 ~炎上したチーズバーガーの絵文字など、中の人たちが思い出を語る

世界中で30億人以上が毎日利用するプラットフォームに成長

「Android」が15周年

 モバイルOS「Android」が、15周年を迎えたとのこと。Android EcosystemのGM/VP(統括本部長)を務めるSameer Samat氏が10月25日(米国時間)、「Android」の歩みを振り返るブログを公開している。

 「Google Play」(当時は「Android Market」)を搭載したAndroid OSは、2008年10月に北米で発売された「T-Mobile G1」(HTC Dream)が最初だった。以降、さまざまなAndroidデバイスが数多くリリースされ、現在では世界中で30億人以上が毎日Androidを利用しているという。

初の「Android Market」搭載Androidデバイス「T-Mobile G1」(Wikipediaより)

 このブログでは、Androidに関わった同氏の同僚たちから寄せられたさまざまな逸話が紹介されている。

 たとえば、かつての「Android OS」は各バージョンに焼き菓子に由来する愛称がアルファベット順につけられていた。なかでも「Android 4.4 KitKat」や「Android 8 Oreo」は一般のユーザーにとってもなじみ深いだろう(「Android 4.4 KitKat」は最近になってようやく「Google Play」サービス対応の終了がアナウンスされた)。

 同社はAndroidがリリースされるたびに、愛称にちなんだ焼き菓子の銅像を建ててお祝いしているとのことで、マウンテンビューのオフィスに行けばそれを目にすることができる。銅像が増えるたびに、それを設置する場所を確保したのに苦労したようだ。

Androidがリリースされるたびに増える銅像

 また、「Android 4.4 KitKat」のリリースの際は開発チームの誰かが販売元に連絡し、提携に興味があるかどうかを確認したところ、世界中何百万もの「KitKat」の包装紙にAndroidのマスコットキャラクター「bugdroid」が印刷されることになったという。

 とはいえ、「Android OS」にまつわる思い出がすべて成功で彩られていたわけではない。たとえば2017年、チーズバーガーの絵文字で炎上した事件は一般ユーザーの記憶にも新しい。当初の絵文字はチーズがバンズの底にあったが、肉の上にあるべきではないかとの批判が殺到したのだ。

 同社の最高経営責任者であるSundar Pichai氏はこれをうけ、「Twitter」(現:X)でこの絵文字の修正を最優先課題とすると約束。開発チームは団結して食べられる絵文字の世界を正しくする作業に追われた。今となっては楽しい逸話だが、開発チームもまさかこんなことで炎上し、対応を強いられるとは思ってもみなかったろう。

チーズバーガーの絵文字。左が炎上したもの、右が修正されたもの

 そのほかにも、ホワイトボードに描かれた初期のAndroidタブレットのUIや、アプリ開発環境「Android Studio」の名前が「Android Omicron」(パンデミックとかぶらなくてよかった!)になるかもしれなかった逸話などが語られている。

ホワイトボードに描かれた初期のAndroidタブレットのUI