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Androidの2023年10月のセキュリティ更新が公表、WebPの致命的なゼロデイ脆弱性に対処

任意のコードを実行される恐れ、「Google Chrome」などでも対策済み

Androidにセキュリティアップデート

 米Googleは10月2日(現地時間)、Android OSの月例セキュリティ情報を発表した。今回公表された脆弱性の内容は、少なくとも1カ月前にパートナーへ通知済み。デバイスメーカーからアップデートが提供されたら、できるだけ早めに適用しておきたい。

 Android OSのセキュリティ更新プログラムは毎月「2023-xx-01」と「2023-xx-05」という2つのセキュリティレベルに分けられている。

 「01」は対応に時間のかかるカーネルコンポーネントや特定ベンダー向けの一部修正を省いたサブセットとなっている。修正範囲に制限を設けることで、迅速にユーザーへアップデートを提供できるように配慮したもの。「05」はそれ以外の問題にも対処した、いわば完全版だ。

 加えて、今月は「2023-10-06」というセキュリティレベルが加えられている。これはWebPの処理で発見されたヒープバッファオーバーフローの脆弱性(CVE-2023-4863)に対処したもの。すでに悪用が確認されており、メジャーブラウザーで相次いでセキュリティアップデートがリリースされている。

セキュリティ更新プログラムレベル「2023-10-01」

 「2023-10-01」は以前に修正された問題に加え、新たにFrameworkで12件、Systemで12件の脆弱性が修正された。

 なかでもSystemにおける任意コード実行(RCE)の脆弱性「CVE-2023-40129」には注意が必要。Android 12、12L、13に影響し、深刻度が「Critical」と評価されている。

 また、一部の修正は「Google Play」システムのアップデート(Project Mainline)でも提供される。そのため、OSのセキュリティアップデートがなくても対処可能だ。

セキュリティ更新プログラムレベル「2023-10-05」

 「2023-10-05」はすべての問題に対処した完全版で、「2023-10-01」での修正に加え、Arm componentsで5件、MediaTek componentsで3件、Unisoc componentsで1件、Qualcomm componentsで3件の脆弱性が解決されている。深刻度の評価は最高で「High」。

 加えてQualcommのクローズドソースコンポーネントでも、深刻度「Critical」と評価された3件の脆弱性を含む多くの問題が修正されている。