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Google、「Android 14」を一般公開 ~Google Pixelデバイスで配信開始

パフォーマンスと効率性の向上に注力。Ultra HDR対応、カメラ機能も強化

Google、「Android 14」を一般公開

 米Googleは10月4日(現地時間)、モバイル向け新OS「Android 14」を正式にリリースした。ソースコードはすでに「Android Open Source Project」(AOSP)にプッシュされており、一部の「Google Pixel」デバイスで本日より配信が開始される。そのほかのSamsung Galaxy、iQOO、Nothing、OnePlus、Oppo、Realme、Sharp、Sony、Tecno、vivo、Xiaomiなどのデバイスにも、今年後半より順次提供される予定。

 「Android 14」は、プラットフォームのパフォーマンスと効率性の向上に注力されている。例えば、キャッシュされたアプリケーションはすぐにフリーズ状態となり、CPUをまったく消費しなくなる。いったんフリーズしたアプリケーションをなるべく起こさないように、ブロードキャストの仕組みも改善された。

 これらの工夫の結果、長年にわたって制限されていたキャッシュアプリの最大数が緩和。おかげでコールド(未キャッシュ)アプリの起動時間がメモリ8GBのデバイスでは20%、12GBのデバイスでは30%以上減少したとのこと(ベータテスト時)。一般にコールドスタートアップはウォーム(キャッシュ有り)スタートアップに比べて遅く、電力消費量も高い。そのため、アプリのコールドスタートアップを減らすことはバッテリー持続時間とアプリ起動時間の両方の改善につながる。

 そのほかにも、Androidランタイム(ART)の改善によりコードサイズも削減されているとのこと。「Android 14」では、パフォーマンスに影響を与えることなくコードサイズを平均9.3%削減する最適化がARTに含まれているという。これらの改善の一部は、「Google Play」のシステムアップデートで「Android 12」以降のデバイスにも提供される。

 ユーザーの目にも触れる改善点としては、フォントの非線形スケーリングが挙げられる。たとえば「Android 14」では従来の130%を超える200%のスケーリングに対応するが、見出し文字なども単純に拡大表示してしまうと、文字が大きくなりすぎてしまう。そこですでに大きい文字はそのまま、小さい文字だけスケーリングする仕組みが自動で適用される。

 ロスレスUSBオーディオやUltra HDR画像のサポート、カメラ拡張機能のアップグレード、健康を管理するヘルスコネクト機能、視力の低いユーザー向けのズーム機能なども恩恵が大きそうだ。

フォントの非線形スケーリング
健康を管理するヘルスコネクト機能

 セキュリティ関連では、パスキーに対応したログイン情報の管理API「Credential Manager」などが目玉。アプリがユーザーデータ(位置情報、写真、動画など)へアクセスする際の権限管理やコントロールも改善された。