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WordやExcel、PowerPointに「動的透かし」導入、企業向け「Purview」の機能として

パブリックプレビュー、2024年後半の一般提供を目指す

「Word」や「Excel」、「PowerPoint」などの「Microsoft 365」で利用できる機密ラベルの新機能「動的透かし」

 米Microsoftは7月11日(現地時間)、「Word」や「Excel」、「PowerPoint」などの「Microsoft 365」で利用できる機密ラベルの新機能「動的透かし」を発表した。2024年後半の一般提供を目指し、まずはパイロットプログラム「Microsoft 365 Insider」でパブリックプレビューされる。

 同社は「Microsoft Purview」という機密データの保護ソリューションを企業向けに提供しており、たとえば権限のないユーザーが機密ドキュメントが印刷するといった行為を防止することができる。しかし現状、スクリーンショットを撮ったりすることを防ぐことはできない。

 そこで導入されるのが、「動的透かし」(Dynamic watermarking)と呼ばれる技術だ。管理者がこの機能を有効化すると、機密ラベルが付いたファイルを「Word」や「Excel」、「PowerPoint」などで開いた際、ドキュメントに透かしが“動的に”レンダリングされる(ファイルに挿入されるわけではない)。この透かしにはファイルを開く際に用いられたアカウントを追跡する仕組みが備わっているため、万が一スクリーンショット経由で機密情報が漏洩してしまっても、誰が漏らしたのかを簡単に特定できる。

 動的透かしの入ったファイルは、この機能をサポートする「Office」クライアントでのみ開くことができ(ファイルの所有者を除く)、通常のファイルと同じように閲覧・編集できる。動的透かしをサポートしていないバージョンの「Office」で動的透かしの入ったファイルを開こうとした場合は、アクセスが拒否される。動的透かしに対応した「Office」クライアントを用意できない場合は、Web版(Office for the Web)を利用すればよい。