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イシューを割り当てるだけで代わりにやってくれる ~「GitHub Copilot」に新しいコーディングエージェント

「Copilot Enterprise」および「Copilot Pro+」に展開

GitHub、「GitHub Copilot」の新しいコーディングエージェントを発表

 米Microsoft傘下のGitHubは5月19日(現地時間)、「GitHub Copilot」の新しいコーディングエージェントを発表した。このエージェントは「GitHub」に組み込まれており、イシュー(課題)を「Copilot」に割り当てたりするだけで、最先端のAIモデルがそのタスクを勝手に片づけてくれる。

イシューに「Copilot」に割り当てれば、それに関連する作業を開発者に代わりやってくれる

 アプリ開発にはコーディング以外にも、やらなければいけないタスク(イシュー)の管理、テストの拡充、ドキュメントの改善など、さまざまな細かい作業が付きまとう。新しいコーディングエージェントはそうした雑務を、プログラマーの代わりにやってくれる。必要なのは、部下や同僚に依頼するのと同じく「Copilot」にイシューを割り当てるだけ。Web(github.com)だけでなく、スマートフォンの「GitHub」アプリや自動化に組み込まれた「GitHub CLI」からも利用できる。もちろん「Visual Studio Code」などの開発環境から、プロンプトで依頼することも可能。

 エージェントはタスクを依頼されると、エージェントは「👀」の絵文字リアクションを追加し、バックグラウンドで作業を開始する。作業場は「GitHub Actions」を活用したセキュアで完全にカスタマイズ可能な環境で、作業が完了するとレビュータグ付きでプルリクエストが作成される。開発者はそれをレビューし、必要であればコメントで改善を指示できる。本番稼動前にはレビューが必要で、エージェントが行った作業やすべて追跡できるため、知らないところで意図しない処理が行われる心配はない。

作業が終わったらプルリクエストが送られてくる。レビューして本番環境へ反映

 さらに、「Model Context Protocol」(MCP)を使えばコーディングエージェントに「GitHub」の外からデータや機能にアクセスさせることも可能。テキストだけでなくビジュアルも認識するので、イシューに添付された画像をもとに作業を行うこともできる。バグのスクリーンショットや新機能の外観のモックアップを共有してもよいだろう。

バグのスクリーンショットや新機能の外観のモックアップを共有して作業することも

 なお、「GitHub」のコーディングエージェントはセキュリティのためゼロから設計されており、デフォルトでは以下のポリシーが適用される。

  • エージェントは、自分が作成したブランチのみにプッシュできる。それ以外には触らない
  • エージェントにプルリクエストを依頼した開発者は、そのプルリクエストを承認できない
  • エージェントのインターネットアクセスは、カスタマイズ可能な信頼できるアクセス先に限定される
  • 「GitHub Actions」ワークフローは、開発者の承認なしでは実行されない

 既存のリポジトリのルールセットと組織のポリシーも考慮される。

 新しいコーディングエージェントは現在、「Copilot Enterprise」および「Copilot Pro+」ユーザーに提供中。「Copilot Enterprise」ユーザーの場合は、管理者がポリシーを有効にする必要がある。6月4日以降は、エージェントが行うモデルリクエストごとに1つのプレミアムリクエストを消費する点には注意したい。

「GitHub Copilot」のエージェントは「Visual Studio Code」以外にも、さまざまな開発環境(IDE)で利用できる