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Windows 11に追加の「Click to Do」アクション、ナレーターには点字ビューワーが搭載へ

Dev(25H2)、Beta(24H2)チャネルでテスト開始

Microsoft、「Windows 11 Insider Preview」Build 26220.5770などをリリース

 米Microsoftは8月29日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 26220.5770(KB5064089、バージョン 25H2)をDevチャネルで公開した。BetaチャネルもBuild 26120.5770(KB5064089、バージョン 24H2)へアップデートされている。

 両ビルドでは、以下の改善が実施された。一部機能は段階的に展開されるため、アップデートしてもすぐに利用できるとは限らない点に注意したい。

「Click to Do」に新しい「Microsoft 365」テキストアクション

 AIが検出したデスクトップコンテンツ(テキスト・画像)をさまざまなアクションで処理できるようにする「Click to Do」で、新しい「Microsoft 365」テキストアクションが追加された。

 1つ目は、 「Excel」でテーブルに変換するアクション だ。その名の通り、デスクトップにある表を検出して「Excel」のテーブルへ変換できる。表はテキストでも、画像でも構わない。

「Excel」でテーブルに変換するアクション

 たとえば「Microsoft Teams」ミーティングでプレゼンされている表をその場でキャプチャーして、「Excel」へ貼り付けるといったことが可能。まだ初期バージョンのため、表の検出精度はあまり高くないかもしれないが、これはいずれ改善される見込みだ。

 このアクションは、まずSnapdragonチップを搭載したCopilot+ PCに展開される。AMD/Intel製チップを搭載したCopilot+ PCへの展開も、間もなく開始される予定。利用の際は「Microsoft 365」が必須で、システムには最新のWindows版「Excel」アプリがインストールされていなければならない。また、今のところ欧州経済地域(EEA)へは展開されない。

 2つ目のアクションは、 「Microsoft 365」のプロフィールカード だ。これは会社や学校向けの機能で、「Click to Do」が社内メールアドレスを検出すると、それをもとに「Microsoft 365」から社員情報を探すことができる。そのとき表示されるプロフィールカードは「Live Persona Cards」と呼ばれているもので、姓名や所属、地位、連絡先などに加え、在籍情報や最近の行動などもチェックすることが可能。

「Microsoft 365」のプロフィールカードを検索するアクション

 これらは「Outlook」や「Teams」でも調べることはできるが、メールアドレスをコピーしてアプリを起動・検索する手間が省けるのはうれしい。

 このアクションを利用するには、PCへ職場または学校のアカウント(Entra ID)でサインインしている必要がある。また、欧州経済地域(EEA)ではまだ利用できない。

点字サポートの強化

 スクリーンリーダー「ナレーター」アプリには点字ビューワー(Braille viewer)が追加され、画面を読み上げる際にそのテキストと点字表現を同時にチェックできるようになった。点字を学びたいユーザーや、点字ディスプレイをもたない開発者、テスト担当者に有用だ。

「ナレーター」アプリに点字ビューワーが追加

 点字ビューワーを利用するには、まず「ナレーター」が点字を出力できるようにセットアップする必要がある。これは[アクセシビリティ]-[ナレーター]-[ナレーターで点字ディスプレイを使用する]設定ページから可能。追加の点字パッケージをダウンロードしてインストールすれば準備は完了だ。

[アクセシビリティ]-[ナレーター]-[ナレーターで点字ディスプレイを使用する]設定ページ

 あとは[Windows]+[Ctrl]+[Enter]キーで「ナレーター」を起動し、ナレーターキー(通常は[無変換]キーまたは[Insert]キー)+[Alt]+[B]キーを押せば、点字ビューワーが表示される。ビューワーに表示される点字セルの数は、デバイスに接続されている点字ディスプレイのサイズに準ずる。接続されていない場合は、既定の40セル表示となる。これは設定で変更することも可能だ。