Blender ウォッチング

廃工場などの入り組んだパイプ群をクリックだけで簡単に生成できる「GeoPipe」

 本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。

「GeoPipe」による作例

 今回は廃工場などのシーンでよく出てくる、入り組んだパイプを手軽に追加できるアドオン「GeoPipe」(Amandeep氏作)をご紹介します。

 この手の物も自分で大量に配置するとなると割と面倒な物なので、アドオンにあれば重宝しますよ。

入手とインストール

 このスクリプトは無料(Gumroad)または$2(Blender Market)で入手可能ですが、執筆時点では「Gumroad版」の方がバージョンが新しいです。なお、Blender 3.0以降でないと動作しませんのでご注意ください。

GeoPipes - Geometry Nodes Pipes - Free Addon

GeoPipes - Geometry Nodes Pipes - Blender Market

 アドオンのインストールはいつもどおり、[編集]-[プリファレンス…]メニューから[Blenderプリファレンス]ウィンドウを表示し、[アドオン]タブ(①)に変更後、[インストール...]ボタン(②)からダウンロードした「GeoPipes.zip」を指定。インストールが成功すれば、パネルが表示されますので有効化(③)します。

[Blenderプリファレンス]ウィンドウからインストール

使用方法

インターフェイスの表示

 [3Dビューポート]の右端の図の[<]の部分をクリックするか、[N]キーを押すと、[サイドバー]が表示されます。

[3Dビューポート]右端の[<]部分をクリック、または[N]キーを押すと[サイドバー]が表示

 インストールに成功していれば、[A-Tools]というタブが表示されていますのでクリックすると、[Geopipe]パネルが表示されます。

[A-Tools]というタブをクリックでパネルが表示

使用方法

 パイプを作成するには、まずパネル内の[Create Pipes]をクリックし、パイプを作りたいオブジェクトの面上で左クリックします。

 初回クリックは何も表示されませんが、2回目からはパイプが現れます。

[Crete Pipes]をクリック後、

 以下の点に注意してください。

  1. 作成中はギズモによる視点の操作と、マウスホイールによるズームができなくなります。あらかじめズームしておいてから始めるといいでしょう。
  2. パイプは「表向きの面」に作られますので、厚みのない場合は先に厚みをつけるか、面の向きを反転しておくなどの準備が必要です。
  3. [元に戻す]には対応していません。作成中に[Ctrl]+[Z]キーを押すとBlenderがクラッシュしますので注意してください。

 最後に右クリック、または[Esc]キーで確定します。

作成中の調整

 パイプ作成中、[3Dビューポート]の左下に小さなウィンドウと、その中にショートカットキーが表示されます。

  • Scroll: マウスホイールで乱数のシードを変更できます。
  • [UP/DOWN]:[Page Up]と[Page Down]で「複雑さ」が変化します。
  • [Hold D + Move]: [D]キーを押しながらマウス移動すると壁からの距離が変化します。
  • [CTRL+LMB]:[Ctrl]キーを押しながら左クリックすると、次のパイプが面の中心に配置されます。
ショートカットキーパネル

作成後の調整

[Edit Pipes]による調整

 一度作成した後でも、パイプオブジェクトを選択し、[Edit Pipes]をクリックすれば、再び続きからパイプを追加できるようになります。

[Edit Pipes]ボタン

モディファイアープロパティからのパラメーター調整

 パイプのオブジェクトには「ジオメトリノード」が設定されており、パラメーターを[プロパティエディター]の[モディファイアープロパティ]内にあるモディファイアーのパネルから操作できます。

 例えば[Radius]を増やすとパイプの半径が大きくなります(この場合、[Extra Rings Scale]も増やす必要があります)

モディファイアーのパネル

編集モードでの調整

 このパイプの形状データ自体は、単純な頂点と辺の骨組みでできており、[編集モード]で編集できます。他のパイプと干渉していた場合などに便利です。

[編集モード]でのパイプの骨組み

ジョイントの追加とジョイントの種類の追加

 作成後のパイプを選択し、[Add Shipped Connectors]をクリックすると、プリセットのコネクターがパイプに追加されます。

 変な位置に作成された時は、上述のモディファイアーパネルの[Location Seed]や[Object Seed]を変更して乱数のパターンを変化させることもできます。

コネクターと使用例

カスタムジョイントと「Geopipe Connection」コレクション

 また、[Import Connectors]で、ジョイントパーツがまとめられている「GeoPipes Connections」コレクションがシーンに追加されます(ちなみに上記の[Add Shipped Connectors]を実行しても同様に追加されます)。

 このコレクションに新たなメッシュオブジェクトを追加することで、カスタムのジョイントパーツとして利用できます。

バルブハンドルパーツについて

 上記のジョイントパーツの中の一つ、「バルブハンドル」は執筆時点では「+Z」(上)方向と、なぜか「パイプが設置されている面の最も近い辺と逆向き」の2つの方向に作成されます。上向きはいいのですが、壁などを向いたバルブが設置されることがあり、違和感がでます。

なぜか内向きのバルブ

 面の方向に向けたい方は、「GeoPipes Connections」コレクションから「Cylinder.001」を「Collection」を下図のように[アウトライナー]内でいったん移動またはコピーし、[回転ツール]で「Z軸」を反対側に回して修正後、[オブジェクト]-[適用]メニューの[回転]コマンドを実行し、再び元に戻してしまうといいでしょう。

[アウトライナー]内でのコレクション間の移動

終わりに

 派手なアドオンではありませんが、工場や廃墟のようなシーンには欠かせない要素が簡単に作成できて便利です。無料でも入手できますので一度試してみてはいかがでしょうか。