Blender ウォッチング
「Blender」でゼロからのキャラモデリング ~前回作った人型に骨と肉を与えよう!
[スキン]モディファイアーでアーマチュアを作成してモデルを実体化
2023年2月10日 14:56
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
前回から始まった、簡単な人形のモデリングに挑戦するシリーズ。前回は、[押し出し]ツールを使って単純な人型を作りました。今回は前回に作成したモデルから、「アーマチュア」を作成し、モデルも実体化して編集できるよう準備します。
単純にポーズをとれるようにするだけであれば、手順はもう少し削れるのですが、応用が利かなくなるため、少しだけ回り道します。地味ですが重要なことも多いのでご理解ください。
作業ファイルについて
前回終了時の作業ファイルが下のリンク先からダウンロードできます。ご利用ください。
※Webブラウザーによってダウンロードがブロックされる場合がありますが、右クリックメニューからファイルの保存を行い、警告が表示されても[継続]などの項目を選択して保存してください。
プロポーションの修正
で、早速ですが、プロポーションの調整をします。
実は前回の最後の状態ではちょっと肩と尻部分のボーンが想定より長すぎることが判明しました。よって少し手間ですが、ささっと修正してしまいます。
また、今回は手足の短いデフォルメ体形を想定していますが、違うプロポーションにしたい方もいると思います。そんな場合はこの段階で調整しておくと、後で形状とアーマチュアの両方を編集せずに済みます。
- 「ツールバー」の上の方にある、[移動]ツールをクリックして選択します。
- ちょうど「腕」と「脚」の部分が選択中であるはずですので、そのまま「赤い矢印」で左に移動します(下図)。
アーマチュアの生成
前回追加した[スキン]モディファイアーには、形状からキャラクターを動かすために必要な「アーマチュア」を生成できる機能があり、これを利用します。
ルートのマーク
アーマチュアを生成する前に、「ルート」をマークしておきます。これはアーマチュアオブジェクトの全体の親となるボーンを生成するのに必要で、変なところにあると後々面倒になるため、適切なところに設定しておきます。
股の頂点をクリックし、[スキン]モディファイアーのパネル内の[ルートをマーク]をクリックします。
モデルの生成
現時点では実際の形状データは単なる針金人形なので、肉付けされた形状にするため、[スキン]モディファイアーを適用して編集可能にします。
再び形状の「メッシュオブジェクト」をクリックして選択後、[モディファイアー]プロパティ内にある[スキン]モディファイアーのパネル内のリストから[適用]を実行します。
中央部分の修正
現在、[ミラー]モディファイアーにより形状が中央部分で重なっていますので、うまく反転コピーされるように調整します。
- [Tab]キーを押すか、3Dビューポート左上から[編集モード]に変更します。
- [モディファイアー]プロパティ内にある[ミラー]モディファイアーのパネル内にある[クリッピング]オプションをクリックして有効化します。
- [ボックス選択]ツールの左ドラッグで人型の左側にある「頂点」(下図)を囲んで選択します。
- [移動]ツールで赤の矢印をドラッグして右側に移動します。上記の[クリッピング]オプションのおかげで中央まで移動すると止まるはずです。
接合の確認と修正
一度[オブジェクトモード]にし、ホイールドラッグまたは右上の「ナビゲーションギズモ」で画面を回転して確認してみましょう。中央に太い線が表示されていますね。これは形状的が中央でくっついていないためです。次の手順ではこれを修正します。
確認が終わったら再度[Tab]キーなどで「編集モード」に戻しておきます。
- [編集モード]に戻します。
- 3Dビューポート左上のアイコンで[辺選択モード]に切り替えます。
- 中央の境界部分の横向きの縦に並んだ「6つの辺」を[Shift]+左クリックで選択します。
- [Delete]キーまたは[X]キーを押し、ポップアップメニューから[辺]を選択して中央部分を削除します。
- 「マウスホイール」でズームするといいでしょう。
- もし選択を間違えたら[Ctrl]+[Z]キーでやり直ししてみてください。
- 一番上と下は選択しませんので注意してください。
[オブジェクトモード]に変更してみましょう。中央の線がなくなってつながっていれば成功です。つながっていなければ、別の辺を間違えて消しているか、上の手順で境界まで頂点を移動していないと思われますので確認してみてください。
終わりに
お疲れさまでした。今回もそんなに進みませんでしたが、次回はいよいよポーズが取れる状態に持っていきたいと思います(予定)。
ではまた。