Blender ウォッチング
カクカクの素体に丸みを加えて少しだけキャラクターらしく ~「Blender」でゼロからキャラをモデリング
2023年2月24日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
簡単なキャラクターのモデリングに挑戦するシリーズ。今回は生成された四角形の集合の本体を修正し、単なる人型からデフォルメキャラにすべく準備していきます。
作業ファイルについて
前回終了時の作業ファイルが下のリンク先からダウンロードできます。ご利用ください。
※Webブラウザーによってダウンロードがブロックされる場合がありますが、右クリックメニューからファイルの保存を行い、警告が表示されても[継続]などの項目を選択して保存してください。
メッシュ編集の準備
ポーズをデフォルト状態に
前回少しポーズをつけてみましたが、モデリングの前にデフォルト状態に戻しておきます。
現在アーマチュアオブジェクトが選択中だと思いますので、そのまま「オブジェクトデータ(アーマチュア)プロパティ」の[スケルトン]-[レスト位置]をクリックします。
下図のようにアーマチュアがデフォルトポーズに戻ります。
再び[ポーズ位置]をクリックし、最後に取ったポーズに戻すこともできます。
[サブディビジョンサーフェス]モディファイアーの追加
次に、モデルを滑らかにする[サブディビジョンサーフェス]モディファイアーを「メッシュオブジェクト」に追加します。これは一定の法則で形状を再分割することで、少ない頂点数で曲面を表現する機能です。
3Dビューポート左上のプルダウンリストが[オブジェクトモード]になっていることを確認し、「メッシュオブジェクト」を選択し、[モディファイアー]プロパティ(スパナ型のアイコン)をクリックします。
[モディファイアーを追加]をクリックし、[サブディビジョンサーフェス]([生成]列の下から5番目)を選択します。
パネル内の図の[ビューポート]の値を「2」に変更します。負荷が少なくなるよう、デフォルトでは「1」になっていますが、そんなに細かいモデルでもないので、レンダリング時の分割数と合わせています。
生成モデルの修正
これからモデルを編集していきますが、スキンモディファイアーから生成されたモデルはそのままでは扱いづらい部分があるので、先にそこを修正します。
胸の三角面を四角面に
メッシュを変形するためには、辺が必要になります。そのためにもう少し分割を行う必要があるのですが、その前に(またか……と言わないで)、胸部分の三角面を統合して四角面にし、扱いやすくします。
特に後で使う[ループカット]ツールは、三角面をまたぐことができませんので、減らしておいた方が都合がいいのです。
- [Tab]キー、または3Dビューポート左上から[編集モード]に切り替えます。
- その横にあるアイコンで[面選択モード](下図)に変更します。
- [選択]メニューの[すべて]または[A]キーを押して全選択状態にします。
- 右クリックメニューから[三角面を四角面に]を実行します。
下図のように、胸と背中の面が四角面になっていれば成功です。
ここでは一括で修正しましたが、三角形のペアによっては変な形状になること(各頂点が平面上に載らない四角形平面ができるなど)もあるため、ちゃんと状況に応じて選択することをお勧めします。
股の部分をふさぐ
もうひとつ、スキンモディファイアーから生成する都合で生じた股の部分がデフォルメキャラクターの形状的に都合が悪いので、閉じてしまうことにします。
- 現在[面選択モード]であることを確認し、図の面をクリックして選択します。
- [移動]ツールを選択し、中央方向に移動します。
ビューの操作は3Dビューポート右上の「ギズモ」で操作できます。
- 移動:手のひらアイコンドラッグ、または[Shift]+ホイールドラッグ
- 回転:ナビゲーションギズモ(小さい座標軸)ドラッグ、またはホイールドラッグ
- ズーム:虫眼鏡アイコンドラッグ、またはホイール回転
断面部分に不要な面がそのままできてしまっていますので、以前行ったように[辺選択モード]に切り替え、図の「辺」を選択して[Del]キーから[辺]で削除してしまいます。
ループカットによる細分化
次は立方体の集合体のような形状をもう少し分割します。
頭と腕と脚の断面が十字に分割されるよう、[ループカット]ツールで計3回カットします。上で三角面を四角面にしたのはこれがスムーズにできるようにするためです。
- ツールバーから[ループカット]ツールをクリックして選択します。
- 手の先端の四角形の「上の辺」にマウスカーソルを移動すると、図のようにカットラインが黄色で表示されますので、クリックします。
ビューの操作方法は下の囲みを参照してください。
同様に手の先端の四角形の「横の辺」と、脚の先端の「前の辺」についてもカットしていきます。
終わりに
結局、今回も地味な作業が大半で、あまり変わり映えはしませんでしたが、次回はもっと大きく変わります(予定)。
それではまた。