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無料でボーカルを録音してみよう! ~「Audacity」でボーカルレコーディング
2017年11月7日 06:45
PCを使ってボーカル録音といっても、まず何をすればいいのかわからないし、機材がいろいろと必要で大変だ、と思っていてなかなか始められない人も多いはず。
そこで今回は、フリーソフトの「Audacity」を使って前回作成したカラオケ音源をもとにボーカルを録音する方法を紹介しましょう。
「Audacity」を使ってボーカル録音をする
ボーカル録音に必要なものはマイクです。本格的な録音をしようとするとUSBオーディオインターフェイスを経由してマイクを接続したり、ポップガードやマイクスタンドなど、いろいろと費用がかかってしまいます。ですが最初は、家にあるマイクや安く手に入るマイクで大丈夫です。もちろん良い機材を使うことも大事ですが、録音方法やミックス次第で仕上がりの質は大きく変わります。まずは手持ちのマイクを使ってボーカル録音をはじめてみましょう。
マイクを接続したら、さっそくサウンドチェックしてみましょう。
画面上部にあるレベルメーターに「モニター開始」と表示されているので、クリックします。モニターを開始しレベルメーターが振れれば、正常にマイクを認識しています。
次に録音ボリュームを調整します。
マイクと口の距離は10~15cmを目安に、歌う時のボリューム感で調整していきます
曲中で声を張った時にレベルメーターが赤くならないように、適正な録音レベルに調整します。
準備が整ったところで、ボーカル録音を開始していきましょう。
歌いたい曲を取り込み、録音ボタンを押せば録音が開始されます。
各トラックの音量はトラックの左端にある[ゲイン調整]スライダーで調整できるので、自分の歌いやすいバランスに調整しましょう。
ここで注意が必要なのは、歌の途中でレベルメーターが赤くなっていないかです。歌い始めると、録音ボリュームを調整した時よりも声が大きくなるものです。波形が下図のようになっていたら、音声が歪んでいる可能性があるので、もう一度録音ボリュームを調整し直しましょう。
もし、歌詞を間違えたりしてもう一度録り直ししたい時は、トラックの波形をダブルクリックして選択し、[Delete]キーを押すことで消去できます。
そして、[Shift]+[録音]ボタンを押すことで同じトラックに再度録音できます。
何度か録音してみて納得のいくメインボーカルが録れたら、次にコーラスを重ね録りしてみましょう。録音ボタンを押すことで、自動的に新しいトラックが作成されます。
コーラスがうまく録れたら、トラック左端[パン]スライダーを使ってセンター以外に振ってみましょう。
トラックを重ねる際に、前に歌ったトラックがあると歌いにくい場合があると思います。その際は、ミュートを押すことでそのトラックを消音状態にすることができます。隣にあるソロというボタンは、そのトラック以外を消音状態にすることができるので、オケだけ聴きたい時などに便利です。
ボーカルレコーディングのコツはマイクとの距離を一定に保つことです。録り直しをする際や別パートを録音する際に、マイクの距離が変わってしまうと空気感やボリューム感、質感が変わってしまいます。歌の抑揚に合わせてマイクと口の距離をわざと変化させて、音量や音質を変えるテクニックもありますが、まずはちょうどいい距離をみつけて、その距離でいい歌を録ることに集中しましょう。
納得のいく歌が録れたら、次はその歌をもっとカッコよくするためにエフェクタを掛けていきましょう。次回は、今回レコーディングした歌をもとに、イコライザやコンプレッサ、リバーブの使い方や簡単なテクニックを紹介します。
藤本 健
リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。Twitterは@kenfujimoto。