いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】前任者から引き継いだワークシートがどうなっているのかわからない!

数式が入力されているセルはどこ? 参照関係は?

ワークシートのどこに数式が入力されているのかわからない!

 前任から進行中の業務を引き継ぐことはよくあります。その際、参考資料のほか、スケジュール管理や集計用の表などのデータも受け取るはずです。ほかの人が作成した表を扱う場合、どこにどんな数式が入力されているのか把握するのに苦労することがありますよね。

 表の形式から、数式の入力されているセルを想定できるかもしれませんが、セルを編集モードに切り替えて、1つずつ確認するのも手間です。また、数式からどのセルを参照しているのかを調べたいこともあります。

[F2]キーを押して、1つずつ数式を確認するのは手間がかかります

 数式の入力されているセルと参照するセルを確認しておくと、無駄なエラーも防げますよね。今回は、Excelファイルに入力された数式を表示する方法と、参照関係を確認するテクニックを紹介します。

ワークシート内の数式を表示する

 ワークシートを俯瞰して、どのセルに数式が入力されているかを確認したいときは、[数式の表示]の機能を利用します。ワークシートに含まれる数式をまとめて表示できます。

 セルの幅が自動的に広がりますが、問題ありません。もう一度[数式の表示]ボタンをクリックすると元の表示に戻ります。

[数式]タブ(①)にある[数式の表示](②)をクリックします
ワークシートに入力されている数式が表示されました。セルB12~G12、セルJ2~O4に数式が入力されていることがわかります。もう一度[数式の表示](③)をクリックして表示を元に戻します
元の表示に戻りました

「トレース」の機能で参照関係を調べる

 入力されている数式の参照関係を調べてみましょう。この例では、セルJ2~O4にLARGE関数が入力されており、各月のトップ3の値をまとめられています。例えば、K4の数式「=LARGE(C$2:C$11,$I4)」が、どのセルを参照しているのかがわかります。

 数式のセルを選択して、“参照元”を調べる機能が[参照元のトレース]です。任意のセルが、どこから参照されているのか、“参照先”を調べたいときは[参照先のトレース]を利用します。

セルK4を選択して(④)、[数式]タブ(⑤)にある[参照元のトレース](⑥)をクリックします
トレース矢印と青い囲みが表示され、セルK4の数式はセル範囲E2:E11(⑦)とセルI4(⑧)を参照していることがわかります
同様にセルL3にも調べてみます。セルL3を選択して(⑨)、[参照元のトレース](⑩)をクリックします
トレース矢印と青い囲みが追加されました。

 トレースの矢印を削除するには[トレース矢印の削除]ボタンをクリックします。今、表示されているすべてが削除されます。

[トレース矢印の削除](⑪)をクリックします
すべてのトレース矢印が削除されました

セルの値が数式から参照されているかどうかを調べる

 例えば、セルC3の値が数式から参照されているかどうかを知りたいといったこともありますよね。[参照先のトレース]でチェックしましょう。[参照元のトレース]と同様に、トレース矢印を削除するには[トレース矢印の削除]ボタンをクリックします。

セルC3を選択して(⑫)、[参照先のトレース](⑬)をクリックします
セルC3を参照する数式が入力されているセルに向かってトレース矢印が表示されました

 セルC3の値は、セルC12、K2、K3、K4から参照されていることがわかります。つまり、セルC3の値を変更すると、それらのセルに入力された数式の結果に影響するということがわかります。

 数式から参照されていないセルの場合は「トレースできない」旨のメッセージが表示されます。そのセルの内容は変更しても、数式に影響を与えません。

セルA1を選択して(⑭)、[参照先のトレース](⑮)をクリックします
トレースできないというメッセージが表示されます。[OK](⑯)をクリックします

[数式の表示]で数式を確認する方法もおすすめ

 [数式の表示]ボタンをクリックして、数式を表示している場合、セルを選択するだけで、参照するセルが強調されます。標準の表示で、セルを編集モードにした時と似た状態になるので、数式に慣れている人は、この方法で数式を分析するのもおすすめです。

[数式の表示]で数式を表示している時は、セルを選択するだけで参照するセルが強調されます