いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】数式が入ったセルはどれ?どのセルを参照している? 引継いだエクセルファイルの数式を確認するテク

引き継いだブックのどこにどんな数式が入っているのかよくわからない!

 業務の引継ぎやプロジェクトへの途中参加などで、Excelブックを同僚から受け取って途中から管理や編集を行う機会は少なくないと思います。そんな時、ブックを受け取って開いてみたものの、どこにどんな数式が入力されているのかよくわからず困った経験はないでしょうか。

 受け取ったブックを開いて、「数式が入力されているセルはどこか」「どんな数式が入力されているのか」をすぐに確認できれば、数式の入力されているセルをうっかり編集してしまったり、参照しているセルに無効なデータを入力してエラーを出してしまったりすることをなくせますよね。

 今回は、Excelでブックに入力された数式の内容やセルの参照関係を簡単に確認できるテクニックを解説します。

シート上に入力された数式を一気に表示できる[数式の表示]

 あなたが「2018年 商品別受注数合計」の表(①)の管理を年度途中から引き継ぐことになり、この表が含まれたブックを同僚から受け取ったとします。ブックを開いてみましたが、数値が入力されたセルが多く、ぱっと見ではどこに数式が入力されているのかよくわかりません。

 このシートに入力されている数式を表示してみましょう。シートを表示した状態で、[数式]タブ(②)→[数式の表示](③)をクリックします。

 セルの幅が自動で広がり、数式が入力されているセルに数式が表示されました(④)。この表では「合計」と「年度計」の欄に数式が入力されていることがわかります。

 数式が入力されているセルがわかったら、セルの表示を元に戻しておきましょう。先ほどクリックした[数式の表示](⑤)をもう一度クリックすれば、自動でセルの幅とセルに表示される値が元の状態に戻ります。

セルの参照を見える化できる[トレース]機能

 数式が入っているセルはわかりましたが、その数式がどのセルを参照しているのかは、数式を見ただけではパッとわかりにくいですよね。こんな時に便利なのが[参照先のトレース][参照元のトレース]機能です。この機能を使うと、セルの参照がひと目でわかるようになります。

 先ほどと同じ「2018年 商品別受注数合計」の表で、実際にセルの参照関係を見てみましょう。例として、セルB8に入力されている数式がどのセルを参照しているのか(参照元のセル)を調べてみます。セルB8(①)をクリックし、[数式]タブ(②)→[参照元のトレース](③)をクリックします。

 セルB8に向かって、セルB6とセルG6から矢印が引かれました(④)。セルB8の数式は、これらのセルを参照していることがひと目でわかるようになりました。実際に、セルB8の数式は「=SUM(B6,G8)」で、セルB6とセルG6の和を求めています。

 さらにもう一度[参照元のトレース]をクリックすると、セルB6とG6が参照しているセルにも矢印が表示されます(⑤)。セルB6とG6に入力されている数式はそれぞれ、その上の3つのセルに入力された値の合計を求めているので、このような矢印が表示されます。

 セルB8はこれ以上ほかのセルを参照していないので、これ以上[参照元のトレース]をクリックしても、矢印は表示されません。

 矢印は一時的に表示しているものなので、削除することももちろんできます。[トレース矢印の削除](⑥)をクリックすれば、表示されている矢印をすべて一気に削除できます。

 これで、自分以外の人が作成したブックでも、数式が入っているセルの位置や、セルの参照関係がすぐに把握できますね。

作業の流れを止めずに数式の位置や構造を把握して効率UP!

 今回は、シート上で入力されているセルを一度に表示できる[数式の表示]と、数式が参照しているセルを矢印でつないで見やすくできる[参照元のトレース]機能の使い方を解説しました。

 自分が作ったExcelブックでない場合、中身を把握するのに少し時間がかかってしまったりしますよね。今回解説したテクニックを使うと、数式の位置や内容が効率よく把握できるようになりますよ。

 ぜひ、同僚からブックを引き継ぐ機会などがあれば、今回の記事を思い出して試してみてくださいね。

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