いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】資料を提出するならPDFがおすすめ!エクセルのデータをPDF形式で保存する方法

印刷に失敗したくない!

 Excelで作成した資料を上司や顧客に提出する際、相手がそのまま[印刷]ボタンを押しても文字が切れたりはみ出したりしないように、適切な設定をしてから送付しているという読者は少なくないと思います。でも、せっかくちょうどよく印刷されるように設定していても、相手がそれを知らずに思わぬ変更をしてしまうことはありがちですよね。その結果、印刷に失敗する……なんていうことになると、せっかくの気遣いが無駄になってしまいます。

 提出先の相手がそのExcel資料を印刷して確認するだけなら、ExcelブックをPDFとして保存し、そのPDFを送付するのがおすすめです。操作ミスなどによる予期せぬ変更も防げますし、印刷に失敗する確率もかなり低くなります。

 今回は、Excelで作成した資料をPDF形式で保存する方法を解説します。業務スタイルによっては、便利に活用できるテクニックなのでぜひ試してみてくださいね!

ページ設定をする

 例として、「週刊エクセル通信 タイトル案(8月)」(①)をPDF形式で保存する場合を考えてみましょう。まず、PDF形式にした時に文字が切れたりはみ出したりしないように、ページ設定を行います。既定で用紙が縦向きに設定されているため、この例では表のデータがページからはみ出してしまっています。これを、横向き1ページに収まるように設定してみましょう。

 [ページレイアウト]タブ(②)→[印刷の向き](③)→[横](④)をクリックします。

 見た目ではわかりづらいですが、これで用紙が横向きに設定されました。きちんと設定されているかどうかは後ほど確認するので、ここでは次の手順に進みます。

 続けて、[ページレイアウト]タブ→[横]のドロップダウンリストの右側にある矢印(⑤)をクリックして、表示されるメニューから[1ページ](⑥)を選択します。

 同様に、[縦]のドロップダウンリストの右側にある矢印(⑦)をクリックして、表示されるメニューから[1ページ](⑧)を選択します。

 これで、この表は横向き1ページに収まるように設定されました。

 では本当に正しく設定されているかどうか、「印刷プレビュー」画面で確認してみましょう。シートにある[ファイル]タブをクリックした後、画面左側の欄から[印刷](⑨)をクリックすると、画面の右側に印刷プレビューが表示されます(⑩)。表が横向き1ページに収まっていますね。

 確認できたら[←]ボタン(⑪)を押してシートに戻りましょう。

ExcelシートをPDF形式で保存する

 ページ設定ができたので、このシートをPDF形式で保存してみましょう。まず[ファイル]タブ(①)をクリックします。

 画面左側の欄から[エクスポート](②)をクリックすると、[エクスポート]画面が表示されます。[PDF/XPSドキュメントの作成]→[PDF/XPSの作成](③)をクリックします。

 [PDFまたはXPS形式で発行]ダイアログボックスが表示されるので、ファイルを保存したい場所に移動します(④)。[ファイル名]欄には自動的にExcelブックの名前が表示され(⑤)、[ファイルの種類]欄には自動的に[PDF](⑥)が選択されるので、このままにしておきます。[発行後にファイルを開く](⑦)のチェックマークをONにしておくと、PDFファイルが保存された後、自動的にファイルが開きます。ここではONにしておきます。

 設定を終えたら、[発行](⑧)をクリックします。

 するとPDFの発行処理が行われ、PDF閲覧ソフトが自動的に起動し、作成されたPDFが表示されます(⑨)。

 前述の手順で設定したとおり、表が横向きの用紙1ページ以内に収まった状態で、PDFに変換されましたね。

ブック全体をPDF形式で保存する

 前項では、作業中のシートをPDF形式で保存する方法を解説しましたが、特定のシートだけでなく、ブック全体をPDFとして保存することもできます。

 先ほどの「週刊エクセル通信 タイトル案」ブックには、複数のシートが含まれていました(①)。そこでこの項では、「週刊エクセル通信 タイトル案」ブック全体(つまりこの2枚のシート)をPDF形式で保存してみましょう。

 ブック全体を保存する場合、すべてのシートに適切なページ設定がされていないと、文字が切れたりはみ出したりする可能性があります。前述の手順で「週刊エクセル通信 タイトル案(8月)」シートに対して行ったように、「週刊エクセル通信 タイトル案(9月)」シートにも同様のページ設定をしておきましょう。

 ページ設定ができたら、前述の手順を参考にして[PDFまたはXPS形式で発行]ダイアログボックスを表示し、ファイルを保存したい場所に移動します(②)。[ファイル名]欄には、先ほどの例と区別するために「週刊エクセル通信 タイトル案_ブック.pdf」(③)と入力します。[ファイルの種類]欄には自動的に[PDF](④)が選択されるのでそのままにし、[発行後にファイルを開く](⑤)のチェックマークをONにします。ここではさらに[オプション](⑥)をクリックします。

 すると[オプション]画面が表示されるので、[発行対象]欄で[ブック全体](⑦)を選択します。これでブック全体が保存されるようになります。

 [OK](⑧)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 再度[PDFまたはXPS形式で発行]ダイアログボックスが表示されるので[発行](⑨)をクリックします。

 するとPDFの保存処理が行われ、PDF閲覧ソフトが自動的に起動します。作成されたPDFを確認してみましょう。画面にはすべて入りきりませんが、「週刊エクセル通信 タイトル案」ブック全体(ブックに含まれる2枚のシート)がPDF形式で保存されたことがわかりますね(⑩)。

Excel資料をPDF形式で保存して相手に送付する

 今回は、Excelで作成した資料をPDF形式で保存する方法を解説しました。提出先の上司や顧客が受け取った資料を印刷してチェックするだけという場合や、Excelの印刷設定に慣れていない相手に資料を送付する場合は、PDFに変換して送付するというのは1つの手です。また、PDFに変換してしまえば操作ミスなどによる予期せぬ変更も防げます。さらに、スマートフォンでもチェックしやすいため、移動の多い上司や顧客にすぐに確認してもらうことも可能です。

 業務スタイルに応じて、ぜひ活用してみてくださいね!

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