いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】なぜかショートカットキーで行全体を選択できない!エクセルで[Shift]+[Space]キーが効かなくなった際の対処法

行全体を選択するショートカットキー([Shift]+[Space])が効かない!?

 普段のExcel業務の中で、例えば隣の席の同僚や後輩が困っている時などに、ショートカットキーを使い、軽やかに操作しながら説明できたらかっこいいですよね。

 Excelのシートで行(または列)を挿入・削除したい時などに、行全体(または列全体)を選択することは意外と多いと思います。Excelの書籍やWeb記事などでは、行全体を選択したい場合は、[Shift]+[Space]キーを押し、列全体を選択したい場合は、[Ctrl]+[Space]キーを押すと書かれています。

 しかしながら、実際に行全体を選択したい時、[Shift]+[Space]キーを押したのにうまくいかなかったという経験はありませんか? 今回は、[Shift]+[Space]キーがうまくいかない原因とその対策について解説します。

日本語を入力していると[Shift]+[Space]キーが効かない!?

 Excelで作業している際に、[Shift]+[Space]キーを押してみると、行全体を選択できる時とできない時があります。一体、なぜなのでしょうか?

 実は、この問題の原因はWindowsのIMEにあります。WindowsのIMEとは、入力文字をひらがなや漢字などに変換してくれるソフトウェアで、Windowsのパソコンには既定でインストールされています。日本語を入力するうえで欠かせないソフトウェアです。(この説明だけではピンとこない読者もいるかもしれませんが、普段パソコンを使っている人なら、画面の右下のタスクバーのところに[A]や[あ]と表示されているのを見たことがあるのではないでしょうか。あのアイコンが、IMEの状態を表しています)。

 次の画面で、タスクバーの右端にあるIMEのアイコンを見てみると、[A](①)と表示されていますね。この時、入力モードは「半角英数」になっており、[Shift]+[Space]キーを押してみると(②)、行全体を選択することができます(③)。

 ここで[半角/全角]キーを押して、入力モードを「ひらがな」に切り替えてみます(タスクバーの右端にあるアイコンが[あ](④)になります)。このように日本語入力がオンになった状態で[Shift]+[Space]キーを押しても(⑤)、セルにスペースが入力されるだけで行全体を選択できません(⑥)。

 なぜでしょうか? これは、IMEの既定の設定で「[Shift]+[Space]キーが押されたらスペースを入力する」となっているからなのです。これにより、入力モードが「ひらがな」の時は、Excelで[Shift]+[Space]キーを押しても行全体を選択することができなくなっているのです。

 では、日本語を入力している時は、このショートカットは使えないのでしょうか。次項では、日本語入力をONにしている時でもこのショートカットを有効にする方法について解説します。

IMEの設定を変更する

 日本語入力をONにしている時でも[Shift]+[Space]キーで行全体を選択できるようにするには、IMEの設定を変更する必要があります。タスクバーの右端にあるIMEのアイコン(画像では隠れてしまっていますが、[A]や[あ]と表示されるアイコンです)を右クリックするとメニューが表示されるので、[プロパティ](①)を選択します。

 [Microsoft IMEの設定]ダイアログボックスが表示されるので、[詳細設定](②)をクリックします。

 続けて、[Microsoft IMEの詳細設定]ダイアログボックスが表示されるので、[編集操作]欄にある[変更](③)をクリックします。

 今度は[設定]ダイアログボックスが表示されます。[キー設定]タブ(④)が選択されていることを確認して、[Shift+SPACE](⑤)という項目を見てみると、その横に[別幅空白](⑥)と表示されていますね。これが、「[Shift]+[Space]キーが押されたらスペースを入力する」という意味なのです。この設定により、Excelで[Shift]+[Space]キーを押した時にスペースが入力されていたことがわかります。この設定を変更するためには、この[別幅空白]をクリックして選択した状態で、[変更](⑦)をクリックします。

 [機能選択]ダイアログボックスが表示されます。ここで、画面の左上端にある[-](⑧)を選択します。[-]は何も設定しないという意味で、[Shift]+[Space]キーが押されても、IMEの機能としては何も行わないという意味になります。

 設定を確認できたら、[OK](⑨)をクリックします。同様に、開いているすべてのダイアログボックスで[OK]をクリックしていき、ダイアログボックスを閉じましょう。

 先ほどのシートに戻るので、IMEの設定が変わっているかどうか、再度試してみましょう。日本語入力がONになった状態(⑩)で、[Shift]+[Space]キーを押してみると(⑪)、今度は行全体が選択されましたね(⑫)。

[Shift]+[Space]キーを有効にするための設定変更をしよう

 今回は、Excelで[Shift]+[Space]キーを押した時に問題なく行全体が選択されるように、WindowsのIMEの設定を変更する方法を解説しました。ショートカットキーをよく使うという人、またはこれからショートカットを使いこなしたいと思っている人は、ぜひこの設定変更をすることをお勧めします。困った時にはぜひ思い出してくださいね!

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