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破滅までの20分間をタイムリープし続けるSFアドベンチャー「Outer Wilds」
探査艇で宇宙の星々を巡り、危機が迫る恒星系の謎を解き明かす
2022年1月14日 10:58
今回紹介するのは、ちょっと変わった宇宙探索アドベンチャー「Outer Wilds」(アウターワイルズ)。3D空間で小型の宇宙探査艇を駆り、近隣の星々を探索するのだが、なぜかおよそ20分ごとに死んでは元の時間に戻される、いわゆるタイムリープを繰り返すという不思議な作品となっている。
主人公はHearthianという4つ目の人型生物が住む惑星にいる、駆け出しの宇宙飛行士。Nomaiと呼ばれる過去に存在した種族の形跡をたどるため、新造の翻訳機を持って宇宙探索へと旅立つ。
フィールドは3D空間になっており、探査艇を使って宇宙空間を自在に移動し、星々に着陸した後は徒歩で探索する。宇宙空間で星々の公転や引力の影響を受けるため、宇宙船の操作には慣れが必要だ。ただターゲットした星との相対速度を自動で合わせたり、遠方の星への移動に自動操縦を使えたりして、割とすぐにストレスなく移動できるようになる。
本作にはいくつかの特殊なアイテムがある。最も重要なのがシグナルスコープという遠方にあるものの音を聞き取る装置で、他の星にいる人や物を簡単に発見できる。シグナルスコープで気になるものを探し、そこへ移動して人や物を探す、というのが基本的な探索の流れになる。
ゲーム開始時に降り立つ星「木の炉辺」では、NPCから様々な情報を得られ、冒険の目的を示されることもある。とはいえ宇宙でどこに行くかは完全にプレイヤーの自由で、いわゆるオープンワールドと呼んで差し支えない内容だ。
さて、本作の問題はここからだ。筆者は最初にプレイした時、まずは「木の炉辺」で何かが落下したという場所まで探査艇で軽く飛んで行き、状況を確認。その後、近くにある別の星を見てみようと再び飛び立ち、ほどなく最も近くにあった小さな星に降り立った。
星の中を探索すると、小さな建物の中に、先にこの星を探索したであろう先輩飛行士が残したメッセージがあった。それ以外にめぼしいものはなく、別の星へ移動しようと探査艇に戻ろうとしたが、その探査艇はなぜか宇宙空間の遥か彼方に飛んでいってしまっていた。
星から出る手段がなくなった上、この星には時折隕石が降ってきて爆発するのが見える。どうしたものかと考えあぐねていると、突如、視界が真っ白に染まった。「木の炉辺」を発ってからおよそ20分後のことだ。
すると次の瞬間、再び「木の炉辺」に立つ主人公の姿が。しかもゲームが始まったその場所に戻ってきている。近くのNPCに話しかけると、まるで何もなかったかのように「宇宙に出る準備はできたか?」と問われる。しかし主人公には、今まさに自分が死んだという感覚が残っている……。
気を取り直して再び宇宙に出発するが、やはり20分ほど経ったところで同じように世界が白く輝き、最初に戻されてしまう。ただし主人公の記憶は残っているし、探査艇で確認できる探索記録も更新されている。
どうやら本作の舞台は、「およそ20分後に破滅する恒星系」のようだ。そして20分後に破滅する恒星系と運命を共にしたはずの主人公は、なぜか20分前に戻ってやり直すことになる。
当然ながら、なぜそんな現象が起こっているのかという事前の説明はない。そもそも本作では、何をするゲームであるかすらも直接的には知らされず、「木の炉辺」を歩き回ってNPCと会話をする中で、目的がおぼろげに見えてくるようになっている。
最初はよくわからない宇宙人がいる星に放り出され、その辺りの人の言うとおりに宇宙空間の探索に出る。自由でまったりしたアドベンチャーゲームだと思って遊んでいると、突如として強制死亡イベントが起こり、即座にゲーム開始地点へタイムリープする。その後も死への20分間を幾度も繰り返す。
この状況になれば、本作の別の目的が見えてくる。ある意味、無限にある時間を使って、なぜ自分がタイムリープしているのか、そしてこの恒星系に何が起こっているのかを紐解いていく。そうしろと指示されるわけではなく、否応なくそうせざるを得ない。
筆者は宇宙科学オタクなのだが、本作で描かれる恒星系は半径数十キロメートル程度の距離しかなく、恒星を含む星々のサイズも相応に小さいことに強い違和感を覚える。これがゲーム的な遊びやすさのためにデフォルメしたものなのか、あるいは世界観に由来するものなのかもわからない。
そういう点も含めて、目に見えるもの全てが怪しく、謎だらけに見える。宇宙という神秘の塊と言うべき空間において、自分が誰なのか、ここがどこなのかという基本的な部分から情報が与えられていないもどかしさ。しかし20分ごとに確実にやってくる死のループ。ひたすら困惑させられる状況を脱するために、無慈悲な宇宙空間に挑み続けねばならない。
本作のゲームシステム部分は確かに宇宙探索アドベンチャーだが、根幹はSFミステリーだ。ゆえに、この先どんな事態が待ち受けているかを語るのはナンセンス。この先は自分でプレイして確かめていただくほかない。
ただし宇宙空間が舞台になる本作の操作は、重力の変化や荒れた気候の星々など、一筋縄でいかない場面もある。丁寧なチュートリアルが用意されているでもなく、ゲームに不慣れな人は、宇宙に飛び出す前に挫折してもおかしくない。操作も舞台設定も、プレイヤーを突き放したかのようなとっつきにくさで、非常に評価の割れるゲームだと思う。そういう作品なんだと覚悟を決めた上、挑戦してみていただきたい。
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