残業を減らす!Officeテクニック

新入社員は知らない 業務で使うパワポの作法 ~見栄えよりも大事なこと

ちょっとした工夫で無駄なやり取りを回避できる

 学生の頃から“パワポ”に慣れている人も多いですよね。見栄え良くスライドを作るテクニックも身に付けていることでしょう。ただ、仕事で作成する資料は、自分ひとりの作業では完結しません。限られた期間で作成し、関係者からフィードバックに対応して再提出、何回かのやり取りの後に完成といった流れが一般的です。

 資料の見栄え以前に、クライアントの要件や要望を満たしていなければ評価はされません。用意した資料からの転記漏れは避けたいですよね。また、相手が資料を受け取った後の作業も想定しておくことも大切です。

 今回は、スムーズな資料作りとファイルの共有時に気を使えるテクニックをまとめました。下準備はサッと済ませれば、内容のブラッシュアップに時間が使えますよ。

アウトラインで骨子をすばやく仕上げる

 すばやくスライド作成するために、必要なページ数分のスライドを挿入して、内容をまとめたファイルから1つずつコピペしていませんか? 転記漏れしてしまう可能性もありますよね。“アウトライン”の機能がおすすめです。

 Wordで「アウトラインレベル」を設定しておき、PowerPointで[アウトラインからスライド]を選択するだけで、一気にスライドを作成できます。見出しのみのスライドを用意する時にも使えます。

Wordの[表示]タブにある[アウトライン]をクリックする
アウトライン表示に切り替わる。文頭の「●」は「本文」のレベルを表す。アウトラインレベルが未設定の場合はすべて「本文」となる。カーソル行のアウトラインレベルは画面左上のボックスで確認できる
見出し行にする行を選択して、[アウトラインレベル]から[レベル1]を選択する。左右にある矢印のボタンをクリックして設定してもいい
[Ctrl]キーを押しながら、ほかの見出し行を選択。[アウトラインレベル]から[レベル1]を選択する
スライドの本文にする行を選択して、[アウトラインレベル]から[レベル2]を選択する
[Ctrl]キーを押しながら、本文の行を選択して[レベル2]を設定する。Wordファイルを保存して閉じておく
PowerPointの[ホーム]タブから[新しいスライド]-[アウトラインからスライド]を選択する
アウトラインレベルを設定したWordファイルを選択して[挿入]をクリックする
スライドが一気に作成された

 [アウトラインからスライド]の機能を使わずに、アウトライン表示に切り替えてからスライドの内容を入力する方法も効率的です。メモからコピー&ペーストしてもいいでしょう。

[表示]タブから[アウトライン表示]に切り替える。画面左側に文字を入力するだけでスライドを作成できる。とりあえずスライドタイトルだけ入力してしまうのもアリ
[Enter]キーを押して、新規のスライドを挿入した状態。[Tab]キーを押す
レベルが「本文」に変わる。このまま本文を入力できる

ファイルの共有前に不要な情報を削除する

 作成したファイルを共有する前に[ドキュメントの検査]を実行する習慣を付けておきましょう。作成者や更新者の情報を削除できるほか、不要なアドインやプレゼンテーションノートなど、“共有する必要のない”情報をまとめて削除できます。

[ファイル]タブから[情報]を確認する。作成者や更新者の情報が自動的に記録される。このほか、共有に“不要な”情報も含まれている可能性がある
[問題のチェック]-[ドキュメント検査]の順にクリックする
すべての項目にチェックを付けておく。[検査]をクリックする
問題のある箇所には[!]が表示される。[すべて削除]をクリックする。ほかの項目も確認しておこう。[再検査]をクリックする
問題が解消されていることを確認する。[閉じる]をクリックする
[ドキュメントの検査]で削除した情報は今後保存されなくなる

汎用的なPDF形式で共有する

 共有するファイルは、PowerPoint標準のPPTX形式ではなく、PDF形式の利用が推奨されることも多いですよね。スマートフォンやパソコンなど、環境に依存せずに表示でき、改ざんされにくくなります。

 その際、[ファイル]タブから[エクスポート]-[PDF/XPSドキュメントの作成]-[PDF/XPSの作成]と操作するのは悪手。[F12]キーを押して[名前を保存]ダイアログボックスを即表示できます。

PDF形式で保存する時に[ファイル]タブから[エクスポート]-[PDF/XPSドキュメントの作成]-[PDF/XPSの作成]の操作はおすすめしない
[F12]キーを押すのが正解
[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されるので、[ファイルの種類]から[PDF(*.pdf)]を選択して保存する