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「Excel」でToDoを緊急度と重要度に応じてタスクを管理するマトリクス表を作る方法

マトリクス表でタスクの重要度と緊急度を整理しよう!

 本日中や今週中、今月内など、業務には必ず締め切りがあります。自分が担当するタスクが増えてきて、どれを優先するべきなのか見失ってしまった経験がありませんか?

 特に新入社員は細かい作業を任されがちです。ToDoリストをはじめ、便利なスマホアプリはいろいろありますが、仕事中にスマートフォンばかりを触っているわけにもいきません。Excelで作成した作業リストを利用している人も多いのではないでしょうか?

 今回は、Excelの作業リストを工夫し、緊急度や重要度に応じたタスクの優先順位を把握しやすくするマトリクス表を作る方法を紹介します。

重要度と緊急度に応じて優先順位を付けられる「アイゼンハワーマトリクス」をToDoリストから自動的に生成する仕掛けを作ってみましょう

 このような表は「アイゼンハワーマトリクス」と呼ばれています。重要度と緊急度に応じて優先順位を付けられるタスクマネジメントの手法です。例えば、重要度「高」で緊急度「高」のタスクは最優先で処理する必要があり、重要度「高」で緊急度「低」のタスクは中長期の予定を立てるといった具合です。

 しかし、1項目ずつ入力するのはスマートではありません。ToDoリストから自動的に転記されるようにしていきます。

プルダウンリストで「高」「低」を選択できるようにする

 アイゼンハワーマトリクスの基準となる指標は、重要度の「高」「低」と、緊急度の「高」「低」の4つです。重要度と緊急度を表す列を用意して、「高」と「低」以外入力できないようにプルダウンリストにしておくといいでしょう。[データの入力規則]を利用します。

入力規則を設定する[重要度]列と[緊急度]列のセル範囲を選択しておく。[データ]タブにある[データの入力規則]をクリックする
[入力値の種類]から[リスト]を選択して、[元の値]に「高,低」と入力する。「,」は半角で入力する。[OK]をクリックする
プルダウンリストから「高」または「低」を選択できるようになる

FILTER関数で「かつ」の条件を指定する

 タスクの重要度と緊急度を入力できたら、後はFILTER関数を使って、条件に一致する項目を取り出すだけです。

FILTER関数の構文。引数[配列]に対象のセル範囲、[含む]に[配列]から抽出する条件を指定する。[空の場合]は、条件に一致するデータがない場合に表示する値を指定する(省略可能)

 条件を「かつ」で組み合わせたい場合は「*」を利用します。例えば『重要度「高」、かつ、緊急度「高」』の条件は、以下のように入力します。

=FILTER(H2:H28,(I2:I28="高")*(J2:J28="高"))

 『セルI2~I28の「高」、かつ、セルJ2~J28の「高」』の条件を満たす項目をセルH2~H28から取り出すという意味です。数式を入力するセルは4つのみです。それぞれの条件に合わせて「(I2:I28="高")*(J2:J28="高")」の部分を修正します。

セルB2に「=FILTER(H2:H28,(I2:I28="高")*(J2:J28="高"))」と入力する。『セルI2~I28の「高」、かつ、セルJ2~J28の「高」』の条件を満たす項目をセルH2~H28から取り出す
条件に一致する項目がスピルで表示される
重要度「高」、かつ、緊急度「低」の数式は「=FILTER(H2:H28,(I2:I28="高")*(J2:J28="低"))」となる
重要度「低」、かつ、緊急度「高」の数式は「=FILTER(H2:H28,(I2:I28="低")*(J2:J28="高"))」となる
重要度「低」、かつ、緊急度「低」の数式は「=FILTER(H2:H28,(I2:I28="低")*(J2:J28="低"))」となる

タスク完了で取り消し線を引く

 タスクが完了したら取り消し線が引かれる仕掛けを作ってみましょう。チェックボックスは[挿入]タブから簡単に挿入できます。「チェックが付いていたら取り消し線を引く」の条件を条件付き書式に指定して完成です。

 チェックが付いている=「TRUE」として扱われるため、条件式は「=$C2=TRUE」のようになります。複数の行に適用されるように、列番号は絶対参照、行番号は相対参照にしておくことがポイントです。

チェックボックスを挿入するセルを選択して、[挿入]タブにある[チェックボックス]をクリックする
書式(ここでは取り消し線)を設定するセル範囲を選択して、[ホーム]タブの[条件付き書式]-[新しいルール]を選択する
[数式を使用して、書式設定するセルを決定]を選択する。条件式として「=$C2=TRUE」と入力する。「チェックが付いていたら」という意味。[書式]をクリックして、書式を設定しておく。[OK]をクリックする
同様に、セルD2~D22を選択して[条件付き書式]-[新しいルール]から[新しい書式ルール]ダイアログボックスを呼び出して、条件式に「=$E2=TRUE」と入力しておく
チェックを付けると、タスクに取り消し線が引かれるようになった