石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

「Steam」を使ってみよう! 基本は「買う」、「遊ぶ」、「欲しい」の3本柱

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「Steam」を使ってみよう

「Steam」クライアントの画面

 前回は「Steam」とは何であるかを成り立ちからお伝えしたが、今回は実際の使い方についてお話ししていきたい。

 「Steam」はゲームを購入してダウンロードできるもの、と思って間違いはないのだが、それだけでは世界中のゲーマーが認めるサービスにはならない。重要な要素は、「買う」のほかに「遊ぶ」、「欲しい」がある。

 今回は「Steam」をインストールしたところから、実際の使い方を交えて解説していく。

買う

[ストア]でいろいろなゲームを見られる

 まずは「Steam」クライアントを起動しよう。クライアントの上段にあるタブから[ストア]を選ぶと、いろいろなゲームが紹介されているのが見られる。現在セール中のゲームや、ジャンル別のコーナー、売上ランキングなど、オンラインショップらしい情報が出てくる。

 その中から1つ、適当なゲームをクリックしてみると、そのゲームの詳細が見られる。例えば「FINAL FANTASY」だと、ゲームの紹介動画やスクリーンショット、ゲームの概要のテキストが表示される。

「FINAL FANTASY」の製品ページ。動画や画像も見られる

 その下には「FINAL FANTASYを購入する」とある。価格は1,480円で、[カートに入れる]ボタンをクリックするとショッピングカートに入れられる。

「FINAL FANTASY」をショッピングカートに入れた

 カートの画面では、自分用かギフト用かを尋ねられるので[自分用に購入]をクリック。続いて支払方法の選択がある。クレジットカードのほか、コンビニ払いや銀行振込、ペイジーやPayPal、PayPayやau Payなど、様々なものが用意されている。好きな支払方法を選んで決済すれば、ゲームを購入できる。

様々な支払方法に対応している

 また6月2日に発売予定の「Street Fighter 6」だと、予約購入ができるほか、発売前から試せるデモ版も利用できる。製品版は先に決済できるだけで、プレイできるようになるのはあくまで発売日以降だ。

発売前の「Street Fighter 6」は予約購入が可能。デモ版は既にダウンロードできる

 なお「Steam」で購入できるゲームは基本的にPC版だけ。マルチプラットフォーム展開しているゲームであっても、PlayStation 5やSwitchなど他のゲーム機などでのゲームを購入できるわけではない。つまり「Steam」で購入済みのゲームをPS5でも遊びたければ、PS5版を買い直す必要がある。

遊ぶ

[ライブラリ]の画面。筆者のアカウントには既に多くのゲームが収納済み

 「Steam」で購入したゲームは、[ライブラリ]に収納される。上段のタブから[ライブラリ]を選択すると、先程購入したゲームが表示されているはずだ(筆者は既に多数のゲームを所持しているため、最初の1本を購入した画面はお見せできない)。

 購入したゲームをクリックして選ぶと、詳細情報画面に移る。ここでまだゲームがダウンロードされていなければ[インストール]のボタンがあるので、クリックしてインストールを行う。インストールが完了すれば[ダウンロード]のボタンが[プレイ]に変わる。

購入済みだがインストールが済んでいない場合は、[インストール]のボタンがある

 [プレイ]のボタンをクリックすればゲームがスタートする。後はゲームを遊ぶだけだ。

インストール済みなら[プレイ]をクリックして遊べる

 「Steam」の特徴として、購入したゲームは必ず「Steam」クライアントを通して起動される。これにより「Steam」クライアントが、プレイ時間やゲームの進行度に応じた実績などを記録してくれる。ゲームによってはセーブデータをクラウド保存もしてくれる。ただゲームを販売して終わりではなく、1つのプラットフォームのようにふるまうのが特徴だ。

 またゲームの購入情報やプレイデータは、アカウントに紐付けられている。「Steam」クライアントを別のPCにインストールし、自分のアカウントでログインすれば、[ライブラリ]には過去に購入したゲームのデータが残っている。新しいPCでゲームをインストールして、ゲームの続きを遊ぶことも可能だ。ただし同じアカウントで複数のPC(Steamクライアント)に同時にはログインできないので、2台のPCに「Steam」をインストールしても、2台同時には遊べない。

 ちなみに家族間などで「Steam」のライブラリを共有できる「ファミリーシェアリング」という機能もある。これも同時プレイはできないなど制限はあるが、便利な機能ではあるので知っておくと重宝するだろう。

欲しい

 「Steam」を使う上で「買う」、「遊ぶ」と並んで重要なのが、欲しいゲームをチェックする[ウィッシュリスト]だ。[ストア]タブで欲しいゲームを見つけたが、今すぐ購入せず、いつか買いたいというゲームのリストを作っておける。

 ゲームの探し方は、[ストア]タブの右上にある検索ボックスに、ゲームのタイトル名などのキーワードを入力する。キーワードに応じたタイトルがリストアップされるので、気になるゲームがあればクリックして詳細を確認できる。

試しに「JRPG」のキーワードで検索してみた

 例えば「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」を開くと、価格は8,580円となかなかいいお値段。今すぐ購入するには懐事情が厳しい……という時には、[ウィッシュリストに追加]をクリックしよう。

「ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~」を[ウィッシュリスト]に追加

 [ウィッシュリスト]は、[ストア]ページなどの右上に表示されている。クリックすると、[ウィッシュリストに追加]で登録したゲームが一覧できる。欲しいゲームをとりあえず[ウィッシュリスト]に登録しておけば、後からどれを優先して買うかを吟味できる。

[ウィッシュリスト]に追加したゲームを一覧できる

 さらに重要な機能として、[ウィッシュリスト]に登録したゲームは、発売やセールの情報が通知される。例えば、新作タイトルが発表され製品のページは存在するが、発売日が未発表で予約もできない場合、[ウィッシュリスト]に登録しておけば、予約の開始など何かしらの動きがあった時に通知を受け取れる。

 また既に発売中のゲームでも、セールで価格が下がった時などに通知を受けられる。「Steam」では期間限定でタイトルごとに価格が下げられるセールがある。急いでプレイしたいわけでないなら、セールのタイミングで購入したいのは当然だ。[ウィッシュリスト]に入れておけば、セールを見逃してしまう心配もない。

 「Steam」では年に数回、多数のタイトルが値下げされるビッグセールが開かれるのが通例になっている。「Steam」のヘビーユーザーは[ウィッシュリスト]に欲しいゲームをどんどん入れ、セール時にまとめ買いしている。そして購入数の割にはゲームを消化できずに[ライブラリ]が太っていく、というところまでが様式美だ(こんな使い方が正しいとは言わない)。

ビッグセール以外にも、たいてい何かしらのセールはやっている

 ちなみに検索の際には、対応言語やジャンル、プレイヤーの数、体験版の有無などの条件による絞り込みも可能。日本語対応の有無はチェックしておくと便利だが、外国語版でも遊びたいゲームがあるなら外すなど、柔軟に使い分けたい。

細かいことは抜きにしても「Steam」は便利

 「Steam」の使い方は、これだけ知っていればとりあえずは問題ないかと思う。あとはゲームを購入する際にユーザーのレビューを参照でき、好評と不評の割合が確認できるのも便利。あるゲームでは発売直後に多くのユーザー評価が不評で、レビューを見るとゲーム進行のトラブルやバグ報告で溢れかえっており、「今は購入を控えよう」となったこともある。

ユーザーからの賛否を確認できる

 今回は基本的な使い方の説明という形でお話ししてきたのだが、実際のところはインストールから利用まで、特に解説なしでも困ることはないと思う。むしろ使い込むほど便利さがわかってきて離れられなくなっていくので、このような導入記事から中毒者を増やしてしまわないかと心配なくらいだ。なにとぞ現実世界も大切にしながらゲーム人生をお楽しみいただきたい。

 「Steam」にはこのほかにも、コミュニティ要素など様々な機能があるが、マニュアルを作りたいわけではないのでここまでとさせていただく。使い込んだ方々が本稿をご覧になれば、きっと「あれも基本だろう」と言いたいことがあるに違いない。便利なノウハウをお持ちの方は、ぜひとも本稿と合わせてSNSに投稿し、「Steam」の布教に貢献していただきたい。

「Cities: Skylines II」の発売が楽しみですね

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/