やじうまの杜

「EdgeDeflector」の作者が危惧していた仕様変更、とうとう製品版Windowsに導入されてしまう

代わりに「MSEdgeRedirect」を使おう

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「microsoft-edge://」プロトコルを扱う既定のアプリを「Microsoft Edge」以外のアプリへ変更する機能が無効化される

 以前、「microsoft-edge://」プロトコルを扱う既定のアプリを「Microsoft Edge」以外のアプリへ変更する機能が無効化されるかもしれないという話をお伝えしました。

 WindowsではリンクをクリックしたときにWebページを開くアプリ(既定のWebブラウザー)を「Edge」以外に設定することができます。しかし、既定のWebブラウザーを「Edge」以外のWebブラウザー――たとえば「Google Chrome」や「Firefox」――にしていても、OSの[検索]機能や「ニュースと関心事項」(Windows 10)、「ウィジェット」(Windows 11)のリンクは「microsoft-edge://」から始まる特殊なリンクになっているため、「Edge」以外では開けない仕様になっています。

12月の月例パッチ以前は、「microsoft-edge://」プロトコルを扱う既定のアプリを「Microsoft Edge」以外のアプリへ変更できた

 そこで「microsoft-edge://」の既定アプリを(「Edge」以外の)OS既定のWebブラウザーで開けるようにと開発されたのが「EdgeDeflector」だったのですが、それがこの前の月例パッチで使えなくなってしまいました(編集部でも確認)。「microsoft-edge://」のリンクは「Edge」専用であり、他のアプリには渡さないというわけです。

 「ニュースと関心事項」や「ウィジェット」はMicrosoftが提供する機能なので、リンクを開くアプリが「Edge」に固定されているのは仕方ないことなのかもしれません。不満であれば「ニュースと関心事項」や「ウィジェット」は無効化することもできます。

 一方で、OS既定のWebブラウザーを選べることはユーザーの権利であり、これらの機能がシェル(タスクバー)に統合されている以上、好みのWebブラウザーで開けるようにすべきだという意見も根強くあります。とくにOSの[検索]機能で提案される外部リンクを好みのWebブラウザーで開けないのは不満の残るところです。

 幸い、「EdgeDeflector」の上位互換ともいえる「MSEdgeRedirect」は問題なく機能するようです。「MSEdgeRedirect」は「microsoft-edge://」プロトコルを扱う既定のアプリ(プロトコルハンドラー)を置き換えるのではなく、システムにWindowsサービス常駐し、リンクをフィルタリングして既定のWebブラウザーへリダイレクト(転送)する仕組みになっています。初回利用時にプロトコルハンドラーの設定をしなくていい上、OSの[検索]機能で利用するWeb検索エンジンを「Bing」から他のプロバイダー(Googleなど)へ切り替えられるなど、強力な仕様になっているのが魅力です。

「EdgeDeflector」の上位互換ともいえる「MSEdgeRedirect」。「Service Mode」ならば今回の仕様変更の影響を受けない

 ただし、旧バージョンには脆弱性が発見されているので、かならず最新版を利用するようにしてください。「大いなる力には大いなる責任が伴う」といいますが、便利なアプリを利用するときはアップデートの管理も忘れないようにしましょう。