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「Microsoft Edge 97」が安定版に ~学生・研究者に便利なコレクションの引用機能を導入
セキュリティ関連では自動HTTPS、CFGへの対応が目玉。脆弱性の修正は29件
2022年1月7日 14:16
米Microsoftは1月6日(現地時間)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v97.0.1072.55を公開した。メジャーバージョンアップとなる「Edge 97」では、プレビュービルドでテストされていた「コレクション」の引用機能が正式版へ導入。「コレクション」にストックされているオンラインの文献情報をAPA、MLA、Chicagoなどの形式で手軽にクリップボードへコピーできるようになった。
「コレクション」の引用機能を有効化するには、まずパネル右上の[…]-[引用文献を表示する]メニューで引用形式を選ぶ。すると、コレクションのアイテムに引用アイコンが現れる。これをクリックすると文献情報の入力が可能となり、必須項目をすべて埋めれば「テキスト内の引用文」と「完全な引用文」が生成される。論文の執筆に必須となる引用の明記や参考文献リストの作成に役立つ。
文献情報の入力は少し面倒だが(著作者名が反映されない不具合もあるようだ)、サポートされている学術サイトや研究誌であれば自動で行われるとのこと。今後の対応拡充に期待したい。
そのほかにも、複数の職場・学校アカウントで「Edge」にログインしている場合に、そのアカウントでWebサイトにログインする機能が追加された。[設定]画面の[プロファイル]-[プロファイルの基本設定]セクションでON/OFFできる。
また、セキュリティ関連では「自動HTTPS」(Automatic HTTPS)機能が正式機能となった。HTTPS接続が利用できる可能性が高いにもかかわらずHTTP接続が用いられている場合に、「Edge」は自動でHTTPS接続へのアップグレードを試みる。なお、この機能は制御された機能ロールアウト(Controlled Feature Rollout)に指定されており、一部の環境から段階的に有効化される。すべての環境で利用できるまでには少し時間がかかるだろう。
さらに、Windows 8以降で「制御フロー ガード(Control Flow Guard:CFG)」が有効化され、メモリ破壊などの脆弱性に対する耐性が強化された。Mac環境では「Microsoft Endpoint Data Loss Prevention」(DLP)がサポートされ、企業の機密情報ポリシーをネイティブで適用できるようになった。
脆弱性の修正は、CVE番号ベースで29件。内容は「Google Chrome」v97.0.4692.71と基本的に同じだ。
ただし、「Edge」にのみ影響するセキュリティ欠陥が5件含まれているとのこと。
- CVE-2022-21954:Microsoft Edge (Chromium-based) Elevation of Privilege Vulnerability(Important)
- CVE-2022-21929:Microsoft Edge (Chromium-based) Remote Code Execution Vulnerability(Moderate)
- CVE-2022-21930:Microsoft Edge (Chromium-based) Remote Code Execution Vulnerability(Important)
- CVE-2022-21931:Microsoft Edge (Chromium-based) Remote Code Execution Vulnerability(Important)
- CVE-2022-21970:Microsoft Edge (Chromium-based) Elevation of Privilege Vulnerability(Important)
デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。