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「Microsoft Edge 96」安定版が登場 ~リンク先Officeファイルを直接「Edge」で開けるように

内蔵PDFビューワー、イマーシブ リーダーを強化。タイポスクワッティング対策も導入

「Microsoft Edge」v96.0.1054.29

 米Microsoftは11月19日(現地時間)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v96.0.1054.29を公開した。メジャーバージョンアップとなる「Edge 96」では、エンタープライズ向けに「IE モード」の強化が図られたほか、Windows Server Update Services(WSUS)を利用して「WebWiew2」コントロールを更新する機能が追加された。

 一般ユーザー向けの機能としては、リンク先の「Microsoft Office」ドキュメントをそのまま「Edge」で開けるようになったことが挙げられる。「OneDrive」上のOfficeファイルを開くときと同じように、Web版「Office」で当該ファイルを開く仕組みになっており、わざわざファイルをダウンロードして「Office」アプリで開く必要がないのは手軽でよい。PDFファイルを内蔵ビューワーで閲覧するのと同じ感覚で、Word文書やExcelシート、PowerPointスライドを閲覧できる。

リンク先の「Microsoft Office」ドキュメントをそのまま「Edge」で開けるように

 一方、PDFビューワーにも新しい機能が追加されている。「Edge 96」の内蔵PDFビューワーにはフリースタイルの蛍光ペンが追加されており、自由にハイライトを追加できる。

内蔵PDFビューワーにはフリースタイルの蛍光ペンが追加

 そのほかにも、「イマーシブ リーダー」(Immersive Reader)のミニツールバーに辞書が追加された。メニューアイテムの翻訳が正しくない上、今のところは英語の単語しか検索できないようで、日本語環境での利用には難があるが、英語の記事を読むときには役立ちそうだ。

「イマーシブ リーダー」のミニツールバー。「イマーシブ リーダー」はアドレスバーに専用アイコンが現れたとき、それをクリックするとアクセスできる
英語の単語を検索できる

 また、リリースノートでは「数式ソルバー」が安定版の機能として案内されている。ユーザーインターフェイス上ではまだ「プレビュー」というラベルが付いているが、正式版へ昇格したようだ。

プレビュー提供されている「数式ソルバー」

 セキュリティ関連の修正は、CVE番号ベースで21件。内容は「Google Chrome」v93.0.4577.63と基本的に同じだが、「Edge」にのみ影響するセキュリティ欠陥が3件含まれている。

  • CVE-2021-43220:Microsoft Edge for iOS のなりすましの脆弱性(Moderate)
  • CVE-2021-42308:Microsoft Edge (Chromium-based) Spoofing Vulnerability(Important)
  • CVE-2021-43221:Microsoft Edge (Chromium ベース) のリモートでコードが実行される脆弱性
    (Important)

 うち1件はiOS版に関わるもので、デスクトップ版には影響しない。

 また、タイポスクワッティング(typosquatting)サイトへの対策として新しい警告ダイアログが導入された。タイポスクワッティングとは、有名サイトと紛らわしいドメインを取得して、URLを入力ミスしたユーザーを不正サイトへ誘導する手法で、URLハイジャッキングとも呼ばれる。「Edge」にはヒューリスティックな手法を用いて、有名サイトを詐称していると判断されたWebサイトへアクセスするとユーザーに警告を発する。

 デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。