ニュース
「Microsoft Edge 96」安定版が登場 ~リンク先Officeファイルを直接「Edge」で開けるように
内蔵PDFビューワー、イマーシブ リーダーを強化。タイポスクワッティング対策も導入
2021年11月22日 12:00
米Microsoftは11月19日(現地時間)、「Microsoft Edge」の最新安定(Stable)版v96.0.1054.29を公開した。メジャーバージョンアップとなる「Edge 96」では、エンタープライズ向けに「IE モード」の強化が図られたほか、Windows Server Update Services(WSUS)を利用して「WebWiew2」コントロールを更新する機能が追加された。
一般ユーザー向けの機能としては、リンク先の「Microsoft Office」ドキュメントをそのまま「Edge」で開けるようになったことが挙げられる。「OneDrive」上のOfficeファイルを開くときと同じように、Web版「Office」で当該ファイルを開く仕組みになっており、わざわざファイルをダウンロードして「Office」アプリで開く必要がないのは手軽でよい。PDFファイルを内蔵ビューワーで閲覧するのと同じ感覚で、Word文書やExcelシート、PowerPointスライドを閲覧できる。
一方、PDFビューワーにも新しい機能が追加されている。「Edge 96」の内蔵PDFビューワーにはフリースタイルの蛍光ペンが追加されており、自由にハイライトを追加できる。
そのほかにも、「イマーシブ リーダー」(Immersive Reader)のミニツールバーに辞書が追加された。メニューアイテムの翻訳が正しくない上、今のところは英語の単語しか検索できないようで、日本語環境での利用には難があるが、英語の記事を読むときには役立ちそうだ。
また、リリースノートでは「数式ソルバー」が安定版の機能として案内されている。ユーザーインターフェイス上ではまだ「プレビュー」というラベルが付いているが、正式版へ昇格したようだ。
セキュリティ関連の修正は、CVE番号ベースで21件。内容は「Google Chrome」v93.0.4577.63と基本的に同じだが、「Edge」にのみ影響するセキュリティ欠陥が3件含まれている。
- CVE-2021-43220:Microsoft Edge for iOS のなりすましの脆弱性(Moderate)
- CVE-2021-42308:Microsoft Edge (Chromium-based) Spoofing Vulnerability(Important)
- CVE-2021-43221:Microsoft Edge (Chromium ベース) のリモートでコードが実行される脆弱性
(Important)
うち1件はiOS版に関わるもので、デスクトップ版には影響しない。
また、タイポスクワッティング(typosquatting)サイトへの対策として新しい警告ダイアログが導入された。タイポスクワッティングとは、有名サイトと紛らわしいドメインを取得して、URLを入力ミスしたユーザーを不正サイトへ誘導する手法で、URLハイジャッキングとも呼ばれる。「Edge」にはヒューリスティックな手法を用いて、有名サイトを詐称していると判断されたWebサイトへアクセスするとユーザーに警告を発する。
デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(“…”アイコン)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。すぐにアップデートを受け取れない場合もあるので、その場合は時間をおいて再度試してみてほしい。