やじうまの杜

Windows Update履歴にある「オンライン サービス エクスペリエンス パック」ってナニ?

「機能エクスペリエンスパック」と何が違うの?

 「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

プレビュー版Windows 11では、「設定」アプリの[アカウント]セクションでMicrosoft 365/Xboxサブスクリプションの管理が行える機能がテスト中

 Windows 11の新機能は年に1回の機能更新プログラム(Feature Update)で追加されるのが原則ですが、小規模な機能追加は毎月の品質更新プログラム(Quality Update)で実施されることもあります。「今日は何の日?」などを教えてくれる「検索ハイライト」や、日替わりのデスクトップ壁紙「Windows スポットライト」などが例ですね。

 しかし、最近はそれとは異なる方法で新機能がテスト・配信されることも増えてきました。「機能エクスペリエンスパック」(Windows Feature Experience Pack)や「オンライン サービス エクスペリエンス パック」(Online Service Experience Pack)がそれで、「Windows Insider Program」に参加して新機能をチェックしている人は耳にしたこともあるでしょう。

機能エクスペリエンスパック

 「機能エクスペリエンスパック」は、OSの中核に手を加えなくても実現できる改善を機能更新プログラム・品質更新プログラムとは独立して開発したものです。配信は機能更新プログラム・品質更新プログラムと同じく「Windows Update」を通じて行われます。

これまでにリリースされた「機能エクスペリエンスパック」

 具体的には以前、「Snipping Tool」でキャプチャーしたスクリーンショットを[Ctrl]+[V]キーで「エクスプローラー」へ貼り付け(PNG形式画像ファイルとして保存)できる機能などがテストされていました(残念ながら撤回)。

 更新履歴をたどってみると、スクリーンショットの撮影以外にも、タッチキーボードや手書き入力パネル、入力システム(IME)などの改善が含まれているのがわかります。

 なお、「機能エクスペリエンスパック」のバージョンは「設定」アプリの[システム]-[バージョン情報]セクションで確認が可能です。

「機能エクスペリエンスパック」のバージョンは「設定」アプリの[システム]-[バージョン情報]セクションで確認が可能

オンライン サービス エクスペリエンス パック

 「オンライン サービス エクスペリエンス パック」も「機能エクスペリエンスパック」と同様、機能更新プログラム・品質更新プログラムに任せるまでもない特定機能のちょっとした改善を提供するものです。

「Windows Update」の更新履歴の[その他の更新プログラム]

 「機能エクスペリエンスパック」との違いは、改善の範囲がよりピンポイントであること。「Windows Update」の更新履歴の[その他の更新プログラム]をチェックすると、「オンライン サービス エクスペリエンス パック」の名前は以下のようになっているのがわかります。

オンライン サービス エクスペリエンス パック - Windows.Settings.Account - バージョン 2.1.223.0

 つまり、「設定」アプリの[アカウント]セクションを改良するパッチであることがわかりますね。「Windows Insider Program」では最近、この画面に「Microsoft 365」や「OneDrive」、「Xbox」などのサブスクリプション情報を確認・変更できる機能を追加していますが、それを実現しているのが「オンライン サービス エクスペリエンス パック」なのでしょう。

 かつてのWindowsは、さまざまなツールがOSと一体になっており、些細な改善であっても、大規模なアップデート(サービスパック、機能更新プログラム……etc.)を通じてでないとユーザーに届けることができませんでした。たとえば「メモ帳」などの標準アプリは何年も改善されず、そのまま放置されていたのです。

 しかし、最近ではこうしたツールもOSから分離され、独立してアップデートできるように改善されています。

 「機能エクスペリエンスパック」や「オンライン サービス エクスペリエンス パック」もそうした流れの一部といえるでしょう。Windows 10/11の機能更新プログラムが年2回から年1回になった背景にも、こうしたメカニズムの実用化に目途が立ち、ユーザーに負担の大きな大型アップデートの頻度を減らしても、Windows機能充実を図ることができるようになったことが背景にあるのかもしれません。