やじうまの杜

【mocopi初期設定の巻】ソニーのモバイルフルトラッカー「mocopi」のペアリング&キャリブレーションは超簡単!

「正座はできる?」「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」も試してみた

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今回は「mocopi」の初期設定をやってみます

 VTuberをはじめとした配信界のみならず、メタバース界も大注目のソニー製モバイルモーションキャプチャー「mocopi(モコピ)」。

 前回の記事では、窓の杜編集部に到着したばかりの製品版の開封フォトレポートをお届けしました。続く今回は3Dアバターを動かすまでの初期設定(ペアリング&キャリブレーション)の操作を実際に行なってみました。

 誰でも3Dフルボディトラッキングができることを謳う「mocopi」、果たして本当にお手軽にはじめることができるのでしょうか。

 改めて「mocopi」は、ソニーの独自アルゴリズムを用いた小型&軽量センサーとスマートフォン(専用アプリ)のみで、モーションキャプチャーやVR(バーチャル・リアリティ)へのリアルタイムなモーション入力を実現したモバイルモーションキャプチャーツールです。

 私たちが日常的に使っているであろうスマホのみに対応することで、屋内に制約されがちなPCを必要とせず、場所を選ばないので、3Dアバターを使った外ロケなども可能なのが強みです。

 なお、スマホの対応OSはAndroid 11以降/iOS 15.7.1以降。対応モデルは下記の通りですが、継続してソニー公式による動作確認も行なわれているようで、対応モデルの追加も発表されています(ちなみに、編集部では「iPad OS 16.3」での動作も確認できました)。

ソニー動作確認済みの対応スマートフォン モデル一覧
  • 【Android】
    Xperia 5 IV、Xperia 1 IV、Xperia 5 III、Xperia 1 III、Xperia 5 II、Xperia 1 II、Xperia 5、Xperia 1
  • 【iPhone】
    iPhone 14 Pro Max、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Plus、iPhone14、iPhone 13 Pro Max、iPhone 13 Pro、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 12 Pro Max、iPhone 12 Pro、iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone SE(第3世代)

「mocopi」のペアリング&キャリブレーションは超簡単!

 「mocopi」を初めて使用する際は、専用の「mocopi」アプリでセンサー本体をペアリングし、モーションキャプチャーを行なうための準備が必要となります。こちらのアプリはGoogle PlayストアやApp Storeからダウンロード可能です。箱に記載のQRコードを読み込むと表示されるヘルプガイドからも入手できます。

 基本的にはスマホに表示される案内に従ってセットアップを進めていくだけの簡単作業です。流れとしては[センサーのペアリング(初回のみ)]-[センサーの検出処理]-[身体への装着]-[キャリブレーション]という流れです。それではやってみましょう。

「mocopi」とスマホアプリ。例のBluetooth通信も必要となるので、ONにしておくこともお忘れなく

 まずはセンサーとスマホとのペアリングです。この操作は初回のみ必要となります。アプリを起動したら、初期画面の[セットアップからはじめる]をタップし、説明を読んだら[次へ]をタップしてどんどん進んでいきましょう。

スマホに表示される案内を読みながら操作していきます

 すべてのセンサーを充電ケースから取り出し、スマホとペアリングしていきます。各センサーは中央の黒い丸の部分がボタンとなっており、そこを押すことで電源がONになります。

 開封直後でも充電はされている状態でしたが、万が一、充電が必要な場合は本体セットに充電ケーブル(USB Type-C)が同梱されていないので、別途用意しておきましょう。

センサー1個ずつ順番にやっていきます
センサー中央のボタンを青く点滅して電源ONに

 センサーの電源がONになると、すぐにスマホアプリがセンサーを認識します。

 センサーの裏面にはシリアル番号が印字されているので、その番号がスマホに表示されている番号と一致しているかどうかを確認して選択します。センサーが緑色に点滅したらペアリング完了です。「mocopi」のセンサーは合計6点あるので、この操作を「HEAD」「WRIST:R」「WRIST:L」「HIP」「ANKLE:R」「ANKLE:L」と続けて行なっていきます。

センサーの裏面にあるシリアル番号を確認します
すべてのセンサーをペアリングしていきましょう
ペアリングが完了したら、そのセンサーは緑色に点滅します

 ペアリングが完了したら、センサーの接続を行ないます。すべてのセンサーを充電ケースに戻して、なるべく平らな台の上に置いておきます。

ペアリングが完了したら[センサーの接続]画面に移ります
各センサーのランプが青色に点滅して準備OKです

 [センサーの確認]画面で[センサーに接続]をタップすると、各センサーの接続が開始されます。

 スマホもセンサーを入れた充電ケースの近くに置いておきましょう(真横ぐらいの方が早く認識しました)。特にエラーが起きなければ、数秒で「接続済み」と表示されました。うまく接続されない場合は、ヘルプガイドに対処方法が紹介されているので、そちらで確認できます。

センサーを接続します
絶対に動かさないことがポイント
「接続済み」と表示されたらOKです

 ここでの操作で特に注意しなければならないのが「センサーを絶対に動かさないこと」です。トラッキング精度に影響を与えるということで、公式Twitterでも気をつけてほしいと呼び掛けられています。

 これでセンサーのペアリングと接続が終わりましたね。続いてはいよいよ装着です。センサーを身につけるためのバンドとクリップに各センサーを取り付けていきます。

 前回の記事でも触れたとおり、バンドとクリップ自体には体の部位名が記載されていないので、装着するバンドがやや見分けにくいところがあります。この点は、アプリの[各センサーの固定]画面でバンドの種類を判別できるようになっています。親切なガイドがありがたいです。その次の画面ではアタッチメントへの取り付け方法を動画で確認できるようになっています。

装着バンドの種類を解説。長いバンドがANKLE用、短いバンドがWRIST用ですね
アタッチメントへの取り付け方は映像で紹介されています

 センサーをアタッチメントに近づけると、アタッチメントに内蔵されたマグネットにより、センサーがアタッチメントの正しい位置に収まって側面の爪でロックされます。バンドの「SONY」ロゴとセンサーの部位名の向きを合わせると、カチッと音が鳴ってはまるので、それを目印にするとよいです。この手順ですべてのセンサーを取り付けていきます。

 もしセンサーが台座に固定されていないと、モーションキャプチャー中にアタッチメントから簡単に外れてしまう恐れがあります。取り付けた後はセンサーを触って回転しないこと、爪が閉じていることを確認します。ちなみに、取り外す際は両サイドの爪を押し、落とさないように斜め方向からゆっくりとセンサーを取り外します。

アタッチメントの両サイドにある爪。センサーをロックしてくれます
内蔵マグネットにより気持ちよくはまります

 センサーをアタッチメントに取り付けたら、次はセンサーを体に装着していきます。バンドは緩まないようにしっかり締めます。表示される[センサーの体への装着]画面では、各センサーのアイコン(インフォメーションマーク)をタップすれば、素肌の上から装着するのかなど、各装着箇所の詳細を確認できます。

[センサーの体への装着]画面
インフォメーションマークを押すと、各センサーのつけ方の詳細を確認できます

 「mocopi」のセンサーは全部で6点です。つまり、センサーをつける位置も6点あります。

 両手は腕時計をつけるように、両足首は体の外側にセンサーを取り付けるのがポイントとのこと。また頭は後頭部に、そして頭も腰も体の中央にセンサーを取り付けるようにします。ズボンやベルトにつける腰用のクリップを除いて、基本的にバンドは衣服の上から装着することを避けるよう案内されています(クリップもシャツなど上着に装着した場合、激しい動きで外れて落下する原因になるとのこと)。

 今回の初期設定の最後に行なうのが「キャリブレーション」です。キャリブレーションとは、モーションキャプチャーを正しく行なうために、装着されたセンサーの向きをアプリ上で検出すること。同じユーザーでも、センサーを装着し直すとセンサーの位置が変わるので、初期設定完了後もモーションキャプチャーを始める前に毎回行なうものとなります。

 表示された[キャリブレーション]画面で身長を選択し、キャリブレーションを開始します。

[キャリブレーション]画面
身長を選択します
基本姿勢を取ってスタートです

 ここでは、背筋を伸ばして足を肩幅に開き、両腕を軽く体に沿わせてまっすぐ立って静止する「基本姿勢」をとります。そしてスマホの音と振動の合図に合わせて一歩前に出て、再び基本姿勢をとります。成功音が鳴ったら、キャリブレーション完了です。

 ただし、スマホの音量をミュートにしていると合図の音が聞こえないため、キャリブレーション前に音量の確認とともに、マナーモードにもやっていないかをチェックしておくとよいでしょう。

 スマホの画面がものすごく気になりますが、顔もまっすぐ前を向いて、きょろきょろしないことが大事です。キャリブレーション中に画面をのぞき込んだりすると、頭のセンサーの位置がずれて正しくキャリブレーションができなくなります。ここはグッと我慢です。もしキャリブレーションがうまくいかずに挙動が変になってしまった場合でも、リキャリブレーションはすぐに可能ですよ。

 これで初期設定は完了です。問題なくスムーズに進められれば、体感2~3分で終わるという感じですね。本当にお手軽スタートでした。

 ここからはモーションキャプチャー画面が起動して「ビデオ」モードか、「モーション」モードでキャプチャー可能となります。

 「mocopi」を広め、たくさんフルトラしてもらうために電子の海からやってきたという、公式アバター「RAYNOSちゃん」と自分の動きが同期されて画面上に表示されます。49,500円という価格でここまで滑らかに動くのか!?、と驚きでいっぱいになりますね。

初期設定が終わるとモーションキャプチャー画面が起動します
RAYNOSちゃんが動きまくります
足を上げてみたり
正座にもトライ。靴を履いていたためか、足がクロスした状態になってしまいました……

 なお、基本的にはスマホに表示される案内に従っていけば、初期設定を簡単に終えることができると思われますが、途中で行き詰った方のために、先述のヘルプガイドのほかにも、ソニー公式のチュートリアル映像も用意されています。ペアリング・キャリブレーション以外にも、モーションデータの作成・保存・伝送までの使い方もチェックできますよ。

モバイルモーションキャプチャー:mocopi(モコピ)の詳しい使い方【ソニー公式】
キャプチャーを終了する際は[スタートメニューに戻る]をタップ
mocopi、お疲れ様でした

番外編:「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」も試しにやってみた

 最後に、過去に掲載した「mocopi」に関する記事に対して、読者様から「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」というコメントを頂戴したので、試しにやってみました。

 今回は、すでにバンドをつけた状態で「WRIST:L」(左手首)と「ANKLE:L」(左足首)のセンサーを入れ替えて実験してみました。結果としては「それでもキャプチャーしようとする」でしょうか。

RAYNOSちゃんに面白ポーズをとらせるわけにはいかなったので、もう1つのプリセットアバター「HUMAN」さんで撮影しました

 機械学習エンジンに基づくセンサーが頑張って体の動きを認識しようとしてくれてました。ただし、特に「装着箇所が間違っています」や「キャプチャーがうまくできません」といったエラー表示等はありませんでした。センサーのつけ間違いは起こりやすいともいえるので、この点は今後アップデートで改善されるとよいかと思います。

装着箇所が間違っています、などのエラー表示はありませんでした

 いずれにせよ、この「mocopi」の登場により、VTuberやメタバースにおけるクリエイティブの可能性は大きく広がっていくと予想されます。すでに「mocopi」を活用したダンス動画も多く見受けられますね。

 まだ「mocopi」を持っていないけどこんなことはできるの?、このソフトには使えるの?などなど、今後の記事作成の参考にしたく、ぜひコメントを頂戴できれば幸いです。

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