やじうまの杜
【mocopi初期設定の巻】ソニーのモバイルフルトラッカー「mocopi」のペアリング&キャリブレーションは超簡単!
「正座はできる?」「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」も試してみた
2023年1月26日 11:30
VTuberをはじめとした配信界のみならず、メタバース界も大注目のソニー製モバイルモーションキャプチャー「mocopi(モコピ)」。
前回の記事では、窓の杜編集部に到着したばかりの製品版の開封フォトレポートをお届けしました。続く今回は3Dアバターを動かすまでの初期設定(ペアリング&キャリブレーション)の操作を実際に行なってみました。
誰でも3Dフルボディトラッキングができることを謳う「mocopi」、果たして本当にお手軽にはじめることができるのでしょうか。
改めて「mocopi」は、ソニーの独自アルゴリズムを用いた小型&軽量センサーとスマートフォン(専用アプリ)のみで、モーションキャプチャーやVR(バーチャル・リアリティ)へのリアルタイムなモーション入力を実現したモバイルモーションキャプチャーツールです。
私たちが日常的に使っているであろうスマホのみに対応することで、屋内に制約されがちなPCを必要とせず、場所を選ばないので、3Dアバターを使った外ロケなども可能なのが強みです。
なお、スマホの対応OSはAndroid 11以降/iOS 15.7.1以降。対応モデルは下記の通りですが、継続してソニー公式による動作確認も行なわれているようで、対応モデルの追加も発表されています(ちなみに、編集部では「iPad OS 16.3」での動作も確認できました)。
- 【Android】
Xperia 5 IV、Xperia 1 IV、Xperia 5 III、Xperia 1 III、Xperia 5 II、Xperia 1 II、Xperia 5、Xperia 1 - 【iPhone】
iPhone 14 Pro Max、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Plus、iPhone14、iPhone 13 Pro Max、iPhone 13 Pro、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 12 Pro Max、iPhone 12 Pro、iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone SE(第3世代)
「mocopi」のペアリング&キャリブレーションは超簡単!
「mocopi」を初めて使用する際は、専用の「mocopi」アプリでセンサー本体をペアリングし、モーションキャプチャーを行なうための準備が必要となります。こちらのアプリはGoogle PlayストアやApp Storeからダウンロード可能です。箱に記載のQRコードを読み込むと表示されるヘルプガイドからも入手できます。
基本的にはスマホに表示される案内に従ってセットアップを進めていくだけの簡単作業です。流れとしては[センサーのペアリング(初回のみ)]-[センサーの検出処理]-[身体への装着]-[キャリブレーション]という流れです。それではやってみましょう。
まずはセンサーとスマホとのペアリングです。この操作は初回のみ必要となります。アプリを起動したら、初期画面の[セットアップからはじめる]をタップし、説明を読んだら[次へ]をタップしてどんどん進んでいきましょう。
すべてのセンサーを充電ケースから取り出し、スマホとペアリングしていきます。各センサーは中央の黒い丸の部分がボタンとなっており、そこを押すことで電源がONになります。
開封直後でも充電はされている状態でしたが、万が一、充電が必要な場合は本体セットに充電ケーブル(USB Type-C)が同梱されていないので、別途用意しておきましょう。
センサーの電源がONになると、すぐにスマホアプリがセンサーを認識します。
センサーの裏面にはシリアル番号が印字されているので、その番号がスマホに表示されている番号と一致しているかどうかを確認して選択します。センサーが緑色に点滅したらペアリング完了です。「mocopi」のセンサーは合計6点あるので、この操作を「HEAD」「WRIST:R」「WRIST:L」「HIP」「ANKLE:R」「ANKLE:L」と続けて行なっていきます。
ペアリングが完了したら、センサーの接続を行ないます。すべてのセンサーを充電ケースに戻して、なるべく平らな台の上に置いておきます。
[センサーの確認]画面で[センサーに接続]をタップすると、各センサーの接続が開始されます。
スマホもセンサーを入れた充電ケースの近くに置いておきましょう(真横ぐらいの方が早く認識しました)。特にエラーが起きなければ、数秒で「接続済み」と表示されました。うまく接続されない場合は、ヘルプガイドに対処方法が紹介されているので、そちらで確認できます。
ここでの操作で特に注意しなければならないのが「センサーを絶対に動かさないこと」です。トラッキング精度に影響を与えるということで、公式Twitterでも気をつけてほしいと呼び掛けられています。
#mocopi発売直前??お役立ち情報
— Sony | RAYNOSちゃん (@raynosbySony)January 18, 2023
mocopiを使う上で気をつけてほしいことを書いていくよ??
??センサー接続時の注意??♀??mocopiのセンサー接続中、全てが接続済みになるまでは絶対に動かさないでください??
?トラッキング精度に影響を与えます!
センサーの接続は必ず充電ケース?の上で行ってね??♀?pic.twitter.com/f9O7wgg2ic
これでセンサーのペアリングと接続が終わりましたね。続いてはいよいよ装着です。センサーを身につけるためのバンドとクリップに各センサーを取り付けていきます。
前回の記事でも触れたとおり、バンドとクリップ自体には体の部位名が記載されていないので、装着するバンドがやや見分けにくいところがあります。この点は、アプリの[各センサーの固定]画面でバンドの種類を判別できるようになっています。親切なガイドがありがたいです。その次の画面ではアタッチメントへの取り付け方法を動画で確認できるようになっています。
センサーをアタッチメントに近づけると、アタッチメントに内蔵されたマグネットにより、センサーがアタッチメントの正しい位置に収まって側面の爪でロックされます。バンドの「SONY」ロゴとセンサーの部位名の向きを合わせると、カチッと音が鳴ってはまるので、それを目印にするとよいです。この手順ですべてのセンサーを取り付けていきます。
もしセンサーが台座に固定されていないと、モーションキャプチャー中にアタッチメントから簡単に外れてしまう恐れがあります。取り付けた後はセンサーを触って回転しないこと、爪が閉じていることを確認します。ちなみに、取り外す際は両サイドの爪を押し、落とさないように斜め方向からゆっくりとセンサーを取り外します。
センサーをアタッチメントに取り付けたら、次はセンサーを体に装着していきます。バンドは緩まないようにしっかり締めます。表示される[センサーの体への装着]画面では、各センサーのアイコン(インフォメーションマーク)をタップすれば、素肌の上から装着するのかなど、各装着箇所の詳細を確認できます。
「mocopi」のセンサーは全部で6点です。つまり、センサーをつける位置も6点あります。
両手は腕時計をつけるように、両足首は体の外側にセンサーを取り付けるのがポイントとのこと。また頭は後頭部に、そして頭も腰も体の中央にセンサーを取り付けるようにします。ズボンやベルトにつける腰用のクリップを除いて、基本的にバンドは衣服の上から装着することを避けるよう案内されています(クリップもシャツなど上着に装着した場合、激しい動きで外れて落下する原因になるとのこと)。
#mocopi発売直前??お役立ち情報
— Sony | RAYNOSちゃん (@raynosbySony)January 19, 2023
??センサーを付ける位置??♀?
センサーは全身に6点??
両手は腕時計をつけるように、両足首は体の外側にセンサーを取り付けよう?
頭は後頭部、頭も腰も体の中央に取り付けるようにしよう??
手首足首の左右を間違えないように???♀???
(ボクはよくやります?)pic.twitter.com/fefzYixb6X
今回の初期設定の最後に行なうのが「キャリブレーション」です。キャリブレーションとは、モーションキャプチャーを正しく行なうために、装着されたセンサーの向きをアプリ上で検出すること。同じユーザーでも、センサーを装着し直すとセンサーの位置が変わるので、初期設定完了後もモーションキャプチャーを始める前に毎回行なうものとなります。
表示された[キャリブレーション]画面で身長を選択し、キャリブレーションを開始します。
ここでは、背筋を伸ばして足を肩幅に開き、両腕を軽く体に沿わせてまっすぐ立って静止する「基本姿勢」をとります。そしてスマホの音と振動の合図に合わせて一歩前に出て、再び基本姿勢をとります。成功音が鳴ったら、キャリブレーション完了です。
ただし、スマホの音量をミュートにしていると合図の音が聞こえないため、キャリブレーション前に音量の確認とともに、マナーモードにもやっていないかをチェックしておくとよいでしょう。
スマホの画面がものすごく気になりますが、顔もまっすぐ前を向いて、きょろきょろしないことが大事です。キャリブレーション中に画面をのぞき込んだりすると、頭のセンサーの位置がずれて正しくキャリブレーションができなくなります。ここはグッと我慢です。もしキャリブレーションがうまくいかずに挙動が変になってしまった場合でも、リキャリブレーションはすぐに可能ですよ。
#mocopi発売日??お役立ち情報
— Sony | RAYNOSちゃん (@raynosbySony)January 20, 2023
??キャリブレーション方法??♀?
? @肩幅と同じくらい足を広げる? Aきちんと手を体につけて動かないようにする!? B顔はまっすぐ前を向いて、きょろきょろしない!? Cポーンと音が鳴ったら元気よく一歩前に!? D成功音が鳴るまでは、 @と同じ姿勢で待つ
成功?????♀?pic.twitter.com/B9tLG6PE74
これで初期設定は完了です。問題なくスムーズに進められれば、体感2~3分で終わるという感じですね。本当にお手軽スタートでした。
ここからはモーションキャプチャー画面が起動して「ビデオ」モードか、「モーション」モードでキャプチャー可能となります。
「mocopi」を広め、たくさんフルトラしてもらうために電子の海からやってきたという、公式アバター「RAYNOSちゃん」と自分の動きが同期されて画面上に表示されます。49,500円という価格でここまで滑らかに動くのか!?、と驚きでいっぱいになりますね。
なお、基本的にはスマホに表示される案内に従っていけば、初期設定を簡単に終えることができると思われますが、途中で行き詰った方のために、先述のヘルプガイドのほかにも、ソニー公式のチュートリアル映像も用意されています。ペアリング・キャリブレーション以外にも、モーションデータの作成・保存・伝送までの使い方もチェックできますよ。
番外編:「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」も試しにやってみた
最後に、過去に掲載した「mocopi」に関する記事に対して、読者様から「センサーを違うところにつけたらどうなるの?」というコメントを頂戴したので、試しにやってみました。
今回は、すでにバンドをつけた状態で「WRIST:L」(左手首)と「ANKLE:L」(左足首)のセンサーを入れ替えて実験してみました。結果としては「それでもキャプチャーしようとする」でしょうか。
機械学習エンジンに基づくセンサーが頑張って体の動きを認識しようとしてくれてました。ただし、特に「装着箇所が間違っています」や「キャプチャーがうまくできません」といったエラー表示等はありませんでした。センサーのつけ間違いは起こりやすいともいえるので、この点は今後アップデートで改善されるとよいかと思います。
いずれにせよ、この「mocopi」の登場により、VTuberやメタバースにおけるクリエイティブの可能性は大きく広がっていくと予想されます。すでに「mocopi」を活用したダンス動画も多く見受けられますね。
まだ「mocopi」を持っていないけどこんなことはできるの?、このソフトには使えるの?などなど、今後の記事作成の参考にしたく、ぜひコメントを頂戴できれば幸いです。