「Visual Studio Code」2020年10月更新、Python開発に必要な一式をセットアップする「Coding Pack for Python」も提供

「Visual Studio Code」v1.51

　米Microsoftは11月6日（現地時間）、コードエディター「Visual Studio Code」の2020年10月アップデート（v1.51）を正式リリースした。今回のアップデートでは「GitHub Pull Requests and Issues」のブラッシュアップに注力されており目立った機能追加はないが、それでも多くの新機能や改善が導入されている。

　たとえば、タブのピン留めアイコンはタブが非アクティブでも常に表示されるようになり、どのタブがピン留めされているのかが識別しやすくなった。未保存の変更があることを示す黒丸のインジケーターと排他表示であった問題も解決され、ピン留めされたタブに変更が含まれている場合は、ピンアイコンと未保存インジケーターの両方が表示されるようになった。

どのタブがピン留めされているのかが識別しやすく

　また、拡張機能のインストールも改善。他の「Visual Studio Code」と同期せずにインストールするコマンドが追加されたほか、「エクスプローラー」からVSIXファイルの右クリックメニューを利用して拡張機能をインストールできるようになった。

　そのほかにも統合ターミナルにはローカルエコーモードが追加。コード補完機能“Intellisense”のユーザーインターフェイスにもいくつかの変更が加えられた。Markdownドキュメントでは［Shift］＋［Alt］＋左右キーでヘッダーやリスト、ブロック引用、コードフェンス、HTMLコードブロック、段落を開閉できるスマート選択機能が追加された。

　加えて、「GitHub Codespaces」などオンライン利用するケースでの使い勝手も向上。たとえば、ネイティブファイルシステムの読み書きを行う“File System Access API”を利用して「Visual Studio Code」で編集中のファイルやフォルダーをローカルへダウンロードできるようになっている。

　一方、プレビュー版「Visual Studio Code Insider」では拡張機能のグローバル状態を同期する機能やプロキシの資格情報を記憶する機能がサポートされる。現在ベータ版の「TypeScript 4.1」も利用可能だ。

「Python」開発に必要な一式をセットアップする「Coding Pack for Python」

　また、Windows向けには「Coding Pack for Python」が提供される。これは「Python」を利用した開発を行うためのツールやライブラリ一式を一括導入できるインストーラーで、型ヒントを用いて「Python」開発を加速させる「Pylance」拡張機能など、以下のパッケージが含まれる。

• Visual Studio Code
• The Python, Pylance, and Gather VS Code extensions
• The Python runtime (CPython 3.8.5)
• Useful Python packages
• jupyter
• numpy
• sklearn
• pandas
• Matplotlib

　「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。すでに利用している場合は、自動更新機能を用いてアップデートすることも可能だ。