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Microsoft、「Visual Studio Codespaces」を「GitHub Codespaces」に統合

クラウドでホストされる開発環境という点で共通の2サービスを一本化

Microsoft、「Visual Studio Codespaces」を「GitHub Codespaces」に統合

 米Microsoftは9月4日(現地時間)、「Visual Studio Codespaces」を「GitHub Codespaces」に統合すると発表した。どちらもクラウドでホストされる開発環境という点では共通で、開発プラットフォームのブランドとしても“Visual Studio”と“GitHub”はよく似た立ち位置にある。どちらを使うべきかわからず混乱するという声がユーザーから多く寄せられたことから、「GitHub Codespaces」への一本化を図ることになったようだ。

 「Visual Studio Codespaces」は、どこからでもアクセス可能なクラウドベースの開発環境。「Git」リポジトリ、拡張機能および組み込みのコマンドラインインターフェイスを備えたWebブラウザーベースのエディターを備え、ローカルの「Visual Studio 2019」や「Visual Studio Code」から接続して利用することもできる。もともとは「Visual Studio Online」という名前で昨年11月からパブリックプレビューが行われていたが、今年5月に「Visual Studio Codespaces」へと改称された。

 一方の「GitHub Codespaces」はクラウドでコンテナとしてホストされたカスタマイズ可能な「Visual Studio Code」環境を提供する。「Visual Studio Codespaces」が開発環境からのアプローチなのに対し、「GitHub Codespaces」は“GitHub”発のサービスであるという違いはあるが、基本的な機能は同じだ。

 「GitHub Codespaces」は今年5月からスタートしたが、まだ限定的なパブリックベータ版の段階にあり、価格も公開されていない。それでも「GitHub Codespaces」が選ばれたのは、“GitHub”ブランドの方がより多くの開発者にリーチできると判断されたためであるようだ。

 「Visual Studio Codespaces」から「GitHub Codespaces」への移行は、以下のロードマップで行われる。「Visual Studio Codespaces」のプランやコードベースはいずれすべて削除されるので注意したい。

  • 2020年9月4日:「Visual Studio Codespaces」の既存ユーザーは「GitHub Codespaces」のプライベートベータ版へ移行できるようになる
  • 2020年11月20日:「Visual Studio Codespaces」で新規のプランやコードスペースの作成が不能となる。既存の「Visual Studio Codespaces」のコードスペースは引き続き利用できるが、新規ユーザーは「GitHub Codespaces」を利用することになる
  • 2021年2月17日:「Visual Studio Codespaces」ポータルを終了

 「GitHub Codespaces」は“GitHub”リポジトリに最適化されているが、いくつかの追加設定を行えば他の場所でホストされている「Git」リポジトリも利用できるので、“Azure Repos”や“Bitbucket”を利用していても心配する必要はない。同社は「Visual Studio Codespaces」ユーザーに対し、できるだけ早く「GitHub Codespaces」への招待が行えるよう努めるとしている。