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「Google マップ」がAIで劇的進化! ~Googleが今年導入予定の機能を発表

ライブビューで室内をナビゲート。予定を立てやすくなる天気レイヤーやエコなルート探索なども

 米Googleは3月30日(現地時間)、「Google マップ」に今年導入予定のAI機能を発表した。今年はAIを活用した改良が100以上も導入されるという。

ライブビューで室内をナビゲート

 「Google マップ」のナビゲーション機能は優秀だが、空港や駅、ショッピングモールといった室内を地図で案内するのは難しい。これを解決するのが、AIを用いたインドアライブビューだ。

インドアライブビュー

 このライブビューにはグローバルローカリゼーションと呼ばれる技術が採用されており、ストリートビューの写真をAIで何百億枚もスキャンして建物の中にあるオブジェクトの正確な位置や配置を把握し、ユーザーの行くべき方向を矢印とそれに付随する案内板で指し示す。上の階や下の階への案内まで行ってくれるので、初めての施設でも迷うことはなくなるだろう。

 インドアライブビューは現在、シカゴやロングアイランド、ロサンゼルス、ニューアーク、サンフランシスコ、サンノゼ、シアトルにある多くのモールで利用可能。iOSとAndroidの両方がサポートされている。今後数カ月のうちに、東京やチューリッヒの一部の空港、ショッピングモール、交通機関の駅でもロールアウトが開始される予定だ。

新しい天気レイヤー

 マップアプリをチェックする際、現在の気温や天候、これからの気象予測も同時に知ることができれば、予定を立てるのが容易になるはずだ。アレルギー体質のユーザーや、スモッグや火災の多い地域に住むユーザーにとっても役に立つだろう。

新しい天気レイヤー

 「Google マップ」にはThe Weather Company、AirNow.gov、Central Pollution Boardなどのパートナーから提供されたデータを基に、天気情報を重ねて表示する機能が今後数カ月のうちにAndroidおよびiOSで展開される予定。天気予報のレイヤーは全世界で、大気質のレイヤーはオーストラリア、インド、米国などを皮切りに、提供地域を徐々に拡大していくという。

エコフレンドリーなルート探索

 同社は昨年9月、“自社製品が抱える10億人のユーザーが環境への影響を軽減する行動をとれるよう支援する支援する”と発表したが、今年はいよいよそれが「Google マップ」で実現される見込み。最速ルートとほぼ同じ到達時間のルートがある場合、「Google マップ」はデフォルトでより二酸化炭素排出量が少ないルートを選択するようになる。環境に配慮したルートが到着時間を大幅に延ばす可能性がある場合は、ルート間の相対的なCO2影響を比較して選択できるようなるほか、あくまでも最速のルートを選ぶよう設定することもできるという。

エコフレンドリーなルート探索

 エコフレンドリーなルートの算出には、道路の傾斜や渋滞状況なども考慮した経路モデルが用いられている。この開発は米国政府の研究機関の協力を得て行われており、そのため、初期リリースは米国で行われる見込み。今年後半にAndroidおよびiOS向けに提供を開始し、順次グローバルに展開を広めていく考えだ。

低排出ガスゾーンアラート

 低排出ガスゾーンはアムステルダムからジャカルタまで、世界各国の都市で設定されている。このゾーンでは汚染物質を排出する車の通行が制限されているが、従来の「Google マップ」では対応できていなかった。

低排出ガスゾーンアラート

 低排出ガスゾーンの警告は今年6月にドイツ、オランダ、フランス、スペイン、英国で提供を開始する予定(iOS/Android)。その後も提供範囲を拡大していくという。

カーブサイドピックアップへの対応強化

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で一躍身近になったのは、フードデリバリーやカーブサイドピックアップ(縁石手渡し:車を店舗のそばに乗り付けると、注文商品を持ってきてくれる)といったサービスだろう。店舗の営業が制限されるなか、不特定多数との接触を抑えつつ、さまざまな料理を楽しめるとして人気を集めている。

カーブサイドピックアップへの対応強化

 「Google マップ」では、こうしたカーブサイドピックアップへの対応を強化していく方針。米国が中心となるが、店舗へ注文したときにマップへ追加し、位置情報や交通状況に基づいて受け取りに出発すべき時刻になると知らせる機能が試験される。店舗側にとっても時間のロスを減らしたり、商品を用意する優先度を決められるというメリットがある。