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Professional版機能の多くをFree版にも開放した「EmEditor」v21.2が公開
定型の編集操作を検出して、繰り返し処理機能の利用を提案してくれる賢い機能も追加
2021年10月29日 16:15
米Emurasoftは10月27日(日本時間)、テキストエディター「EmEditor Professional」の最新版v21.2.0を正式公開した。64bit版を含むWindows 7/8.1/10およびWindows Server 2008 R2以降に対応するシェアウェアで、現在同社のWebサイトや窓の杜ライブラリからダウンロードできる。
今回のアップデートで注目すべき点は、これまでProfessional版でしか提供されていなかった機能の多くがFree版でも有効化された点だ。もちろんProfessional版の方が機能は豊富だが、それでもブックマークやマーカー、ファイルの比較、スペルチェック、連番の挿入、全画面表示、ワークスペース、マクロ(記録と実行のみ、スクリプトは未対応)、アウトライン、スタートウィンドウといった上級機能が利用できるようになったのはうれしい。
また、エディションの切り替え手続きも見直された。これまで初回機能時の「EmEditor」は基本的にProfessional版(の試用モード)で、Free版として利用したい場合はダウングレード処理を行う必要があった。しかし、最新版では初回起動時にProfessional版として利用するか、Free版に切り替えるかを選ぶダイアログが表示されるようになった。わざわざダウングレードコマンドを探さなくても、「EmEditor」をFree版として利用できる。
機能面では、定型の編集操作を検出して、繰り返し処理機能の利用を提案してくれる「ステップの繰り返し」機能が目玉。「繰り返しのステップを検出しました」という通知ヒントのリンクをクリックすると[繰り返し]ダイアログが開き、回数を指定して当該処理を繰り返すことができる。任意のタイミングで[編集]-[ステップの繰り返し]メニューから任意のタイミングで指定の操作を繰り返すことも可能だ。
知らず知らずのうちに同じ操作を繰り返している場合は、この機能を使ってその操作をマクロとして登録しておけるので、手軽にいつもの操作を効率化できるだろう。うれしいことに、この機能はProfessional版だけではなくFree版でも利用できる。
そのほかにも、メニュー項目やツールバーの右クリックメニューからコマンドにキーボードショートカットを割り当てる機能が追加。文字コードの指定が厳密でないHTMLファイル(「Windows-1252」ではなく「ISO-8859-1」が指定されている)で一部の文字が文字化けする問題も対策された。自動コピー機能が意図せず有効化されているのが原因でコピー&ペーストが機能しないというケースに対処するため、機能が有効化されていることを通知するバルーンも追加されているとのこと。
「EmEditor Professional」は、Windowsプラットフォームで定番のテキストエディター。プラグインで機能を拡張できるのが特徴で、CSVデータを扱うための機能も非常に充実している。有償ソフトだが30日間の試用が可能で、試用期間後は個人利用に限り機能制限のある無償版「EmEditor Free」として使用できる。また、インストーラー版のほかにも、「Microsoft Store」から入手できるストア版が用意されており、年額2,350円で利用可能。最新のストア版は自動でアップデートされる。
なお、Windows 11での利用については、レジストリに非ASCII文字を利用するアプリとの非互換性問題が解決されるまで、しばらく見送ることが推奨されている。「EmEditor」が設定やファイルの名前に非ASCII文字が使えるが、それがレジストリに記録されることがあるためだ。この非互換性問題はすでにプレビュー版Windows 11で解消されており、間もなく製品版へも展開されるとみられている。
ソフトウェア情報
- 「EmEditor Professional」
- 【著作権者】
- Emurasoft, Inc.
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 7/8.1/10およびWindows Server 2008 R2以降
- 【ソフト種別】
- シェアウェア 年額5,280円(永久ライセンスは23,760円、30日間の試用期間後は個人利用に限り機能制限のある無償版「EmEditor Free」として使用可能)
- 【バージョン】
- 21.2.0(21/10/27)