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Google、次期OS「Android 13」で導入されるプライバシー保護強化策を解説

新たに安全なフォトピッカーを導入。リスクを可視化するダッシュボードは今年後半に追加予定

「Android 13」のダッシュボード

 米Googleは5月11日(現地時間)、開発者向けイベント「Google I/O」の開催に合わせて、次期モバイルOS「Android 13」のベータプログラム「Android 13 Beta 2」を公開した。「セキュリティとプライバシー」における新たな機能が明らかになっている。

 「Android 13」では、その注力点の1つとして「セキュリティとプライバシー」機能の強化を掲げている。アプリ内でユーザーが共有する個人情報をより細かく管理できるようになるほか、アプリからのデータアクセスおよび、その権限を最小限にしていくという。

 具体的には、認証プロセスの新たなモデルとして「リモート・キー・プロビジョニング(Remote Key Provisioning、RKP)」に移行する。Googleが認証キー・証明書の管理責任を負うアーキテクチャーに変更されることで、各デバイスのセキュリティをさらに強化する仕組みとなっている。

「リモート・キー・プロビジョニング(RKP)」のイメージ図

 また「Android 13」では、新しいフォトピッカー「写真選択ツール」を実装。メディアライブラリ全体へのアクセス権をアプリに付与する必要はなくなり、共有したい特定の画像や動画(プロフィール写真など)を選択できるようになるので、ユーザーのプライバシーが強化される。

写真選択ツールのUI

 さらに、Wi-Fiデバイスに対する新しい実行時の権限も導入。Wi-Fiスキャンを有効にするために、位置情報は不要となるなど、位置情報が必要なアプリ数を削減する。

 アプリの通知に関する権限の管理はより厳しくなる。「Android 13」を搭載したデバイスにアプリをインストールした場合、アプリの通知はデフォルトでOFFとなり、最初の通知を表示する前にユーザーの許可が必要になるので、アラートを受け取るアプリをより的確に管理可能だ。

アプリが最初の通知を表示する前にユーザーの許可が必要に

 加えて、アプリの開発者側で実行時の権限を削除するAPIを導入。アプリが取得した権限が必要なくなった際に自ら権限を辞退できるようになり、アプリが積極的にユーザーのプライバシーを保護できる。

 今後は、セキュリティとプライバシーについて「Android 13」のダッシュボード上でまとめてチェックできる機能を追加予定。設定ページで、現在のセキュリティステータスやリスクを色分けして可視化したり、そのリスクに対処する手順をガイドするアクションカードなどが表示される。これらの機能は2022年後半に実装される予定となっている。

 なお、「Android 13」のベータプログラム「Android 13 Beta 2」は開発者向けサイトにて、対象のPixelスマートフォン(Pixel 4/Pixel 6 Proなど)を登録することで利用可能となっている。