ニュース

GitHub、コードエディター「Atom」の開発を終了 ~年内にアーカイブ

「Visual Studio Code」の台頭に抗しきれず。「GitHub Codespaces」、「Zed」に期待

現行の最新安定版「Atom 1.16.0」

 米Microsoft傘下のGitHubは6月8日(現地時間)、コードエディター「Atom」の開発を終了すると発表した。2022年12月15日に組織内のすべてのプロジェクトはアーカイブされる。

 「Atom」は、「Chromium」ベースのUIフレームワーク「Electron」を採用したプログラマー向けのコードエディター。Windows、Mac、Linuxといった幅広いプラットフォームをサポートするほか、HTML/CSS/JavaScriptといったWeb技術との親和性が高く、コミュニティ主導で多くのパッケージが開発されているのが魅力で、「Electron」を基にしたアプリの代表的な存在といえる。

 しかし、最近は同様のコンセプトを持つ後発の「Visual Studio Code」にユーザーを奪われ、開発は著しく停滞していた。同じような状態にあった「Brackets」(Adobe製)は、昨年9月にサポートが打ち切られている。「Electron」ベースのコードエディター三国時代は、「Visual Studio Code」の統一により幕を閉じた格好だ。

 また、「Atom」に関してはGitHubがMicrosoftに買収されたことも大きく影響していそうだ。経営は独立しているとはいえ、同じグループにある2社が同じようなエディターを2つもメンテナンスしなければならない理由はないだろう。

 GitHubは今後、「GitHub Codespaces」を用いたクラウド開発の強化にリソースを集中するとのこと。「Atom」の開発者が立ち上げた「Rust」製コードエディター「Zed」の動向にも注目したい。