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「Atom」を開発終了に追いやった「Visual Studio Code」、月例更新でさらに強力に

ローカライズの強化、拡張機能のスポンサー機能などを追加。Markdownのリンク検証も試験導入

「Visual Studio Code」v1.68

 米Microsoftは6月9日(現地時間)、コードエディター「Visual Studio Code」の2022年4月アップデート(v1.68)を正式公開した。本バージョンでは、ローカライズにいくつかの改善が導入された。

 まず、コマンドパレット([F1]キーまたは[Ctrl]+[Shift]+[P]キー)で表示言語を変更する際、インストールされている言語と利用可能な言語パックがその言語で示されるようになった。たとえば日本語の場合は「ja」だけでなく、わかりやすく「日本語」とも表示される。

インストールされている言語と利用可能な言語パックがその言語で示されるように

 また、Web版「Visual Studio Code」(vscode.dev)が自動でローカライズされるようになった。Webブラウザーの言語が「日本語」に設定されていれば、「vscode.dev」はそれに応じてUI言語を変更する。

Web版「Visual Studio Code」(vscode.dev)が自動でローカライズ

 拡張機能に関しては、メンテナンスされなくなった非推奨の拡張機能が[拡張機能]ビューで打消し線表示されるようになった。自動的な移行や削除は行われないが、推奨される代替がある場合は移行ボタンが表示される。

非推奨の拡張機能が[拡張機能]ビューで打消し線表示されるように

 さらに、気に入った拡張機能に寄付を行うスポンサー機能が追加された。拡張機能の開発者が寄付を募っている場合は、拡張機能のページに設置されたスポンサーバッジから寄付ページへアクセスできる。

気に入った拡張機能には寄付を

 開発に関わる機能としては、「Git」ブランチの保護を「Visual Studio Code」上で行えるようになった。TypeScript開発では「TypeScript 4.7」が導入されたほか、待望の[ソース定義への移動]がサポートされた。100%の確度ではないが、型定義ファイル(*.d.ts)ではなく、JavaScriptによる実装部分へ直接ジャンプできる。

 そのほかにも、既存の「.gitignore」を元に[エクスプローラー]ビューで無視ファイルが隠し表示されるようになった。統合ターミナルのレンダリングも見直されており、文字色が背景色に近い場合に、十分なコントラストを確保して描画されるようになるなど、テキストが見やすくなる工夫が施されている。[問題]パネルではエラーと警告をテーブル表示するオプションが追加され、すばやいフィルタリングが可能になった。

 また、プレビュー機能としてMarkdownファイルのリンクを検証する機能がテストされている(初期設定で無効)。ヘッダーや画像、ファイルへのリンクが切れていると、それを検出して警告してくれる。ファイルの貼り付けでリンクを挿入する機能も試すことが可能だ。

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。JavaScript、TypeScript、Node.jsを組み込みでサポートし、強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー対応の拡張機能を追加することで、幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴。現在、本ソフトの公式サイトから無償でダウンロードできる。また、Windows 10/11ならば「ストア」アプリ(Microsoft Store)からインストールすることも可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートできる。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 7以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.68(22/06/09)