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Windows 11の新API「EcoQoS」を活用したエコアプリ「Energy Star X」がv1.0.0に
バックグラウンドアプリを片っ端から「効率モード」にして消費電力を抑制
2022年11月28日 09:02
Windowsデバイスのバッテリー持続時間を改善するアプリ「Energy Star X」(能源之星X)が、11月24日(日本時間)にv1.0.0へと更新された。「GitHub」でホストされているオープンソースプロジェクトで、ライセンスは「MIT License」。現在、「Microsoft Store」などから無償でダウンロードできる。
本ソフトは、「Windows 10 Insider Preview」Build 21343以降に搭載されている「EcoQoS API」を利用し、バックグラウンドで動作しているアプリの電力消費を積極的に抑制(スロットリング)するアプリ。とくにモバイルデバイスで発熱の防止とバッテリー持続時間の改善が期待できる。
本ソフトはもともとは「EnergyStar」というプロジェクトをGUI化したもので、初心者でも扱いやすい。「EnergyStar」はプロセスを片っ端からスロットリングするため扱いにくい面もあったが、「Energy Star X」には後述のバイパスプロセスリストなどでそれを解決している。
「EcoQoS API」とは
Microsoftの研究によると、プロセッサーの周波数が高ければ高いほどアプリケーションの処理は高速化されるが、消費電力も飛躍的に増大していく。しかも、アプリケーションは常に最高のパフォーマンスを必要としているわけではない。そのため、パフォーマンスを少し犠牲にするだけで消費電力を大きく削減できる可能性がある。
そこで導入されたのが、「EcoQoS」だ。「EcoQoS」によってスロットリングされたプロセスは、最小限のパフォーマンス低下で消費電力を大きく抑えることができる。同社によると、バックグラウンドサービス、アップデーター、同期エンジン、インデックスサービスなどに最適とのこと。
この電源管理はCPUメーカーと協力して調整されており、現在のところ、以下のモデルがサポートされている。
- Intelの第10/11世代のモバイルプロセッサー
- AMD Ryzen 5000またはそれ以降のモバイルプロセッサー
- Qualcommのモバイルプロセッサー
また、「EcoQoS」は現在のところWindows 11専用だ。「Energy Star X」の推奨は「Windows 11 バージョン 22H2」以降で、OSのバージョンがそれに満たない場合は注意バナーが表示される。
「Energy Star X」の使い方
「Energy Star X」を起動すると、設定画面でスロットリングを有効化するよう促される。案内に従ってオプションをONにすると、ホーム画面が緑色のチェックマークに切り替わり、バックグラウンドプロセスが積極的にスロットリングされるようになる。OSのスタートアップ時に「Energy Star X」を起動するよう設定することも可能。
プロセスがどのようにスロットルされているかは、ログ画面で確認可能。「タスク マネージャー」を見ると、スロットルされているプロセスには「効率モード」のアイコンが付与されているのがわかる。
なお、プロセスによってはスロットリングにより不具合が生じることがある。その場合は、バイパスプロセスリストに当該プロセスを登録し、自動スロットリングから除外するとよいだろう。
「Energy Star X」では、初期状態でシステムプロセスや「Microsoft Edge」などのアプリがバイパスプロセスリストに登録済みだ。「Edge」などの一部アプリは最初から「EcoQoS」「効率モード」を積極的に利用する設計になっているため、わざわざ「Energy Star X」でスロットリングする必要はない。
また、「タスク マネージャー」や「Process Explorer」など、トラブルシューティングに用いるアプリも最初からバイパスプロセスリストに追加されている。実際にトラブルが発生したとき、それを解決するためのアプリが使えないのでは困るからだ。
ソフトウェア情報
- 「Energy Star X」
- 【著作権者】
- JasonWei512 氏
- 【対応OS】
- Windows 11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.0.0(22/11/24)