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働き方の改革にも生成AIの力を ~Microsoft、「Copilot in Viva」を発表

「Viva Glint」も「Viva」ファミリーに仲間入り

「Microsoft 365 Blog」におけるアナウンス

 米Microsoftは4月20日(現地時間)、「Copilot in Microsoft Viva」を発表した。「Microsoft 365」などへ導入されるAI技術「Copilot」が、「Viva」スイートにも展開される。

 ビジネスにおいて従業員の生産性が会社の業績を左右する重要な要素であることは言うまでもないが、生産性だけを考えていては持続的な成功は覚束ない。生産性を重視しつつも、社員が会社の方針を理解し、納得できるように努力し、その会社に所属していることに誇りをもち、貢献する意欲が高まるように配慮しなければならない。忠誠心を植え付けるのではなく、自発的な関与を促すことが重要だ。

 また、組織が個人の創造性を妨げたり、逆に独善的な行動を助長してチームワークを損なったり、特定の有能でやる気のある個人に負荷が集中して「燃え尽き症候群」に陥ることも避けねばならない。そのためには従業員の働き方を分析して問題点をいち早く把握し、解決する仕組みや、従業員個人の成長を助ける仕組みなども必要となるだろう。

 「Microsoft Viva」は、このような従業員と会社の関係(エンゲージメント)改善を目指して開発されたソリューション。「Facebook」のような見た目をもつ社内SNSとして話題になった「Viva Engage」など、いくつかのソリューションからなる。

  • Viva Connections:ハイブリッドワークにおける会社・社員のつながりを促進し、貢献を奨励
  • Viva Engage:全員のアイデアと発言を尊重するワークプレイス
  • Viva Insights:働き方を分析して生産性とウェルビーイングを向上
  • Viva Goals:業務のゴールを設定し、成果を管理する
  • Viva Learning:従業員の成長を助けるための知識集約・学習システム
  • Viva Topics:知識とエキスパートの情報を整理、誰でもリーチできるように
  • Viva Sales:顧客関係管理(CRM)システムを強化し、顧客都合で激務に陥りがちな販売担当者の働き方をシンプルにし、負担を減らす

 「Copilot in Microsoft Viva」は「Microsoft 365 Copilot」システムをベースに構築されており、大規模言語モデル(LLM)のパワーと「Microsoft Graph API」によって得られる社内データ、「Viva」アプリ内のデータを組み合わせることで、マネージャーが従業員を理解し、エンゲージを促進させるための方法を提供する。

 たとえば「Viva Goals」の「Copilot」を利用すれば、年次事業計画や製品戦略書など、既存の「Word」文書に基づいてOKR(目標管理手法の一種)の推奨案を提案する。また、「Viva Engage」の「Copilot」を使えば、社内SNSへの投稿で生成AIの支援を受けることが可能。殴り書きした箇条書きから丁寧な投稿を作成したりといった使い方ができる。「Viva Topics」で「Copilot」を活用すれば、従業員は対話型のインターフェイス(チャット)で学習したり、プロジェクトについて知ることができる。

 「Copilot in Microsoft Viva」は2023年後半にもロールアウトが開始されるという。

「Viva Goals」でOKRの推奨案を作成してもらう
「Viva Engage」の投稿で生成AIの助けを得る

 加えて、「Viva Glint」と呼ばれる新しいアプリが「Viva」ファミリーに追加。従業員エンゲージメントを測定・改善し、ビジネス成果を上げるのを支援できるようになる。「Viva Glint」の展開は2023年7月から開始するとのこと。